たんぽぽ舎から TMM:No2343

たんぽぽ舎です。【TMM:No2343】
2014年11月22日(土)
その2 地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
                                        転送歓迎 ━━━━━━━

★1.原発の再稼働どころではない
   原発を危機に陥れる規制委員会  
  住民の命を守らない鹿児島県伊藤知事                 
    山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.「安全宣言」うのみにした市民が犠牲に 
  地震予知に失敗したイタリア学者裁判の行方は-  
 「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその78                            
                             島村英紀(地震学者)
★3.11/16「もう我慢はしない!立ち上がる原発事故被害者集会」In福島に参加して来ました  
                  橘 優子(たんぽぽ舎ボランティア)
★4.新聞より  

   ◆やり方がずるい解散 (11月22日東京新聞【金曜日の声】より)

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※11/26学習会にご参加を! 大間原発反対 地方自治体と原発裁判―海外の事例をふまえて― 講 師:海渡雄一さん(弁護士、函館市原告弁護団)日 時:11月26日(水)19時より21時(18:30より関連DVD上映) 会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)共 催:大間原発反対関東の会、たんぽぽ舎講座会議参加費:800円(学生400円)

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┗■1.原発の再稼働どころではない |  原発を危機に陥れる規制委員会 |  住民の命を守らない鹿児島県伊藤知事 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎) ○要援護者を高線量地域に残して自分たちは逃げ出すと公言する役人  この気持ちの悪さは何だろう。要援護者を高線量地域に残して自分たちは逃げ出すと公言する役人が、原発再稼働を進めている日本の現実。 川内原発の再稼働を巡り、要援護者が避難できないと判断されると「屋内待避所」に収容されるのだが、最も原発に近いところでは1.6kmしか離れておらず、推定被曝量は2日で190ミリシーベルトに達するだろうという。この場所にずっと居続けるわけではなく、その後に安全な場所に移送するのだというが、火山噴火や地震や津波と複合していたら、そんなことは机上の空論であることは明白だ。説明の必要さえないだろう。要援護者が逃げられないということは、その施設従業員も逃げられないことを意味する。高齢者施設ならば、介護職員ごと置き去りにして逃げるということだ。
○非人道性-伊藤鹿児島県知事  10月24日の市民との政府交渉で明らかになった避難計画の実態は、ぞっとする恐ろしいものだった。原発の間近でも避難しない、させない計画が語られたからだ。 伊藤祐一郎鹿児島県知事は「10キロ圏外の要援護者については避難計画は作らない」としている。避難することで、むしろ健康に悪影響を与えるからと言いたいらしいが、まさか津波に襲われる危険性があるというのに、逃げない選択肢などないわけだから、言っていることに、そもそも整合性がない。 9月12日に内閣府原子力防災会議が「了承」した避難計画では、原発から1.6km「一時退避所」の線量が、2日で200ミリシーベルト近い値だという。これでは急性被曝による健康障害を引き起こすレベルだ。まして、そのような高線量地域に救援のために消防や自衛隊が入ることなど出来ない。つまり「後から救援が行く」ことなどあり得ない値なのだから、事実上住民を見すてることになる。 福島では原発事故直後に空間線量の増加により、全員避難せざるを得ない状況になり、津波や地震で消息不明となった住民の捜索さえ不可能になった。双葉警察署管内で1287人の行方不明者が原発事故の影響で1ヶ月間も捜索できなかったという。 川内原発でも火山噴火、地震や津波と複合すれば同様の事態になる。浪江町請戸地区のように逃げることもできずに取り残されて失われた命は、あまたにのぼる。そのうえ原発震災は町ごと奪った。避難後の過酷な生活は人々の心も打ち砕いた。生活の場を奪い、家族が離散し、震災関連死は福島県で1704人(ただし今年3月末現在)に上り、震災で直接亡くなった1611人を上回っている。これは他県には見られない実態であり、3年半を超える避難生活を余儀なくされ、心身共に疲弊した福島県民の姿だ。 地震や津波を生き延びたのに、原発により「殺された」大勢の人たち。これが原発震災の非人道性であることを、薩摩川内市を始めとした南九州の自治体はどのように捉えているのだろうか。
○損害賠償の義務は東電にある その加害企業が補償額を一方的に決めている現実  原発事故後、16万人以上が避難生活を強いられた。今も12万人以上が故郷にも戻れない。元の生活を取り戻すことは、多くの人にとっては絶望的だ。 このような事態を作り出したのは言うまでもなく東電の原発だから、損害賠償の義務は東電にある。ところが今起きているのは、その加害企業が補償額を一方的に決めている現実だ。東電が補償額を決めるのだから、まともな補償をするわけがない。当然、被害者は納得できないのだが訴訟を起こすには費用も時間も膨大にかかる。そこで裁判外紛争解決機間「原発ADR・原子力損害賠償紛争解決センター」が設立されている。 原発ADRは和解案を作成する「仲介委員」や「調査官」を務める弁護士が誰かによって、結果が変わることもあり必ずしも万能ではない。それでも、被災者が訴訟を起こすハードルは高く、訴訟外で解決する原発ADRが、被害回復のかなめの役目を担っている。しかし被害者と東電の間に入ることで、住民の要求も大きく制限される原発ADRの和解案さえも、しばしば東電により拒絶される。そうなると裁判で解決するほかはなくなる。何の非もない住民にとって、裁判闘争は重い足かせに他ならない。これでは一体何のための原発ADRか。 原発の被害は、結局まともに補償されない。これが福島第一原発事故の「教訓」になっているのが現実だ。原発の被害は補償されない。しかし川内原発の再稼働を地元自治体が認める。こんな倒錯した世界は無い。「川内原発の再稼働や万が一の事故についても国が責任を持つ」とは宮沢経産大臣の発言だが、そもそも「国」とは誰か。経産大臣は次の総選挙後には、そのポストにはいないだろう。首相もすぐにいなくなる。そもそも原発事故に責任を持てる人間は存在しない。責任を持つというならば具体的に何をするのか語らねばならない。閣僚の軽い言葉など信用してはならない。 ○「誰も助けに来ない」  福島第一原発の教訓の一つは、過酷事故に際して「誰が収束作業を行うか」が今も全く見えないことだ。 福島第一原発は過酷事故に際して400人あまりを対処要員としていた。しかし3基の原子炉が炉心崩壊を起こし、6基の燃料プールが破壊されようとしているとき、400人では対処のしようがない。もともと複数号機で過酷事故が起きることなど想定されていなかった。そのうえ途中で退避したことが、一時的にせよ緊急対策要因を大幅に減らす結果となり、パラメータ監視や冷却水投入や復旧活動に支障を来している。 「人が足りない」これは福島第一原発事故の収束にとって最も過酷で深刻な教訓なのだが、川内原発の過酷事故対策要員は50名ほどだ。もちろん交代要員もいない。住民だけではなく原発職員もいわば「見すてられる」。災害が起きても自衛隊も消防も来ない。空間線量が1ミリシーベルトを超える環境には出動は出来ない。「吉田調書」を巡ってピント外れの議論が続いているさなかに、このような重大な教訓がまともに議論されないまま、規制庁の規制基準適合審査を通ってしまった。 ○IAEA基準を無視 「世界で最も厳しい基準」などとウソ 規制委員会こそ次の事故を準備する張本人になっている  国際原子力機関は、原発を推進する国連機関だが、その基準が日本の現状よりも厳しいことは知られていない。だからこそ「世界で最も厳しい基準」などとウソがまかり通っている。 IAEAの原子力防護基準は5層の防護を定めている。そのうち第4層が過酷事故対策、第5層が原子力防災を含む放射性物質の拡散防護である。 ところが規制委員会は従来の「過酷事故対策」を新規制基準に取り込んだものの第5層は従来どおり「地方自治体の責務」である「災害策基本法の守備範囲」のままとしている。これでは国際基準にさえ達しておらず、実際に防災対策の実効性なども期待できるわけがない。『規制委員会が防災計画や体制をチェックし、住民の命を守れると判断できるまで、運転認可を出さない。』これが本来の規制当局の姿勢だ。防災基準も作らず、計画の審査もせず、まして実効性を審議することもなく、原発事故から命を守ることなど出来るわけがない。 規制委員会こそ次の事故を準備する張本人になっていることを自覚すべきである。

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┗■2.「安全宣言」うのみにした市民が犠牲に |  地震予知に失敗したイタリア学者裁判の行方は- |  「警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識」コラムその78  └──── 島村英紀(地震学者)

○ イタリアで地震予知に失敗した学者が裁判にかかっている。 2009年4月、イタリア中部ラクイラでマグニチュード(M)6.3の地震が起きて309人が死亡、6万人以上が被災した。 ここはイタリアでも地震活動が高いところで、ふだんから月に数回の地震がある。大地震の前の半年間はいつもよりずっと地震が多く、3月には地震はさらに活発になりM4という現地ではめったにない地震も起きた。 3月上旬には大地震が来るという独自の地震予想を出す学者も現れた。活発な群発地震や大地震の予想を受けて、地元の人々のなかに不安が拡がっていた。 このためM4の地震の翌日「国家市民保護局」は学者を含む「大災害委員会」を開き「大地震は来ない」という安全宣言を出したのだった。 じつは人心を鎮めようという方針が委員会の前に政府によって決まっていた。地震予知は学問的にはほとんど不可能だから学者も判断できず、政府が学者に期待したのは科学者のお墨付きだけだったのである。 安全宣言が出されたのが3月31日。専門家が安全を保証したために人々は家の中に留まった。しかし地震は起きた。4月6日の午前3時半。人々が寝静まっている時間だっただけに大被害になってしまった。
○ イタリアでは政府の「安全宣言」を鵜呑みにした市民が犠牲になった。57人がなくなった9月の御嶽山の噴火とよく似た話である。御嶽山も「噴火警戒レベル」は最低の1、つまり山頂まで登っても大丈夫という安全宣言であった。 ○ それだけではない。かつて鹿児島でもイタリアとほとんど同じことが起きた。 1913年に有感地震が頻発し、地面が鳴動し、海岸には熱湯が噴き出した。人々は桜島が噴火するのでは、と心配した。 だが村長からの問い合わせを繰り返し受けた地元の気象台長(いまの鹿児島地方気象台。当時は鹿児島測候所)は、問い合わせのたびに、噴火するという十分なデータを気象台は持っていない、噴火はしない、と答えたのであった。 しかし気象庁の予測に反して、桜島は大噴火を起こしてしまった。後ろは火山、前は海。逃げどころのなかった住民の多くが犠牲になった。8つの集落が全滅し、百数十人の死傷者を出す惨事になってしまったのである。
○ イタリアでは政府の安全宣言が犠牲の拡大を招いたとして地震学者らが過失致死傷罪に問われた。2012年10月、地裁での1審では学者ら7人が禁錮6年の実刑判決を受けた。 だがこの11月10日、ラクイラの高裁は逆転無罪の判決を出した。1審判決を破棄したのだ。 イタリアの高裁での判決言い渡しのとき傍聴席にいた震災犠牲者の遺族らから「恥を知れ」との怒りの声が上がった。検察側も上訴するとみられ、最終判断は最高裁に委ねられる見通しになっている。 さて、どういう結末になるだろう。日本などほかの国で政府の委員会に関わっている学者たちも気が気でないのである。(11月21日『夕刊フジ』より)

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┗■3.11/16「もう我慢はしない!立ち上がる原発事故被害者集会」In福島に参加して来ました └──── 橘 優子(たんぽぽ舎ボランティア)  11月16日、福島で福島原発告訴団の呼びかけで開かれた集会は、400人が集い、福島県内や全国各地で損害賠償訴訟やADRなど様々な裁判を闘う30団体が連携し合って支え合っていくことを確認し合いました。会場には、前々日にADR申し立てを行った飯舘村申立団の村の風景写真をコラージュした美しい横断幕も飾られ、いつも映画や講演会でお見かけする方たちがすぐ傍でいろいろ任務を分担したり、物販コーナーで立ち話したり、私的には、ある意味ミーハー的に興奮して過ごした1日でした。 5時起きして早朝の新幹線で、10時前に会場に着いたので、スタッフのお手伝いをさせていただいて、集会終了後の楽屋での交流会にまで参加させていただき、たまたまお隣に座っていたおしどりケンさんとお話したりして。早起きは3文の得!帰りには、「ふくかな」福島原発かながわ訴訟原告団の方達に車で福島駅まで送っていただき、交流。東電合同抗議への参加要請もして、また仲間が増えた気分で帰路に。 我が故郷福島の晩秋の山河は変わらず美しいのに、人口6万人にも満たない二本松市で甲状腺がんの子どもさんが60人、そして、途中下車して実家でせめて老父と夕餉くらい…ということも叶わぬ程分断されてしまった家族の在り様。老父は、かつて地元商工会議のリーダーとして、幾度も福島第一原子力発電所へツアーをしてきた身、その世話をしてくれている弟の連れ合いさんは、「お姉さんみたいに、放射能がどうだこうだ、今どき騒いでいるのは、東京の人たちばかり。私たちは放射能になれちまったし、東電さんと国を信じてやっていくしかない」と私の存在そのものにキレる。原発許さねぞ! ※12月12日(金)14:00~14:30の福島原発告訴団主催の東京地検包囲行動にも、是非参加したい。当日、福島原発告訴団は、参議院議員会館で正午より院内集会有 参加費無料

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┗■4.新聞より └──── 
 ◆やり方がずるい解散 ○ 千葉県市川市の会社員内山正紀さん(65) 今度の選挙は大義がない。原発の再稼働や、集団的自衛権の行使容認などをなし崩し的に進めようとしていると感じられる。やり方としてずるい。原発の再稼働は、何としても防がなければならない。 ○ 東京都江戸川区の無職小林愛さん(41) 原発自体の安全性を高めても、日本は地震がある国。コントロールするのは難しい。放射能は目に見えず、知らないうちに自分に降り掛かってくる。原発を再稼働しようとしていることへの恐怖心が強い。 (11月22日東京新聞【金曜日の声】より)

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