たんぽぽ舎です。【TMM:No2474】
2015年5月1日(金)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.国民の人格権を奪う原発再稼働は許されない
「福井地裁高浜原発差し止め決定と大飯判決を読み解く」
山崎久隆
★2.「現在の原発ゼロを続けることが最良のエネルギー政策」
4/28エネルギーミックス緊急集会での城南信用金庫理事長の見解
山田和明
★3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
◆5/18第8回講演と話し合いの会
「この国はどこに向かうのか」―沖縄・福島 基地と原発から考える-
北村 肇氏講演会 会場:羽前屋そば店(山形県山形市旅篭町)
★4.新聞より3つ
◆高浜原発差し止め判決は再稼働を求める側の良心を問うている
孫崎 亨(4月25日・日刊ゲンダイ「日本外交と政治の正体」連載100より)
◆高浜 20年延長申請 1.2号機 関電、老朽原発で初
圧力容器老朽化 取り換え不可能 (5月1日東京新聞より抜粋)
◆原発5基 運転終えたが… 行き場ないごみ 終わらない廃炉
見えぬ処分先…敷地内で保管 立地自治体「残ることは許されない」
(5月1日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
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※5/3「再稼働阻止全国ネットワーク」『第2回総会』のご案内
原発再稼働阻止に向け、ご意見、ご提案を! どなたでも参加できます!
5/3「憲法集会」終了後、かながわ労働プラザで開催
日時:5月3日(日)16時30分から19時30分
場所:「かながわ労働プラザ4F会議室」 会場費:500円
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」
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┗■1.国民の人格権を奪う原発再稼働は許されない
| 「福井地裁高浜原発差し止め決定と大飯判決を読み解く」
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎副代表)
2014年5月21日、福井地裁の樋口英明裁判長は『被告は大飯発電所3、4号機の原子炉を運転してはならない。』との判決を下した。また、2015年4月14日には高浜原発3、4号機の運転(再稼働)差し止め決定を出した。
画期的判決の論理展開はどのようなものか。
◎人格権(憲法13条と25条)
判決の根幹は、原発が深刻な事故を起こした場合、多くの人の生命、身体や生活基盤に重大な被害を及ぼすことを認定し、被害の程度に応じた安全性と高度の信頼性を電力会社に要求している。
この根拠には、生存を基礎とする人格権(憲法第十三条、二十五条)で、全法律分野において最高の価値を持つとした。過去には志賀原発訴訟などの訴訟でも認められた。
◎人格権は、「憲法上の最上位の権利」
人格権とは、個人の生命、身体、精神及び生活に関する利益は、各人の人格に本質的な、総体である憲法上の権利であり、また人の生命を基礎とするものだから、日本の法制下においては、これを超える価値を他に見出すことはできないものである。
この人格権、とりわけ生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分に対する具体的侵害のおそれがあるときは、人格権に基づき差止請求をすることができる。人格権は各個人に由来するが、侵害が大勢の人格権を同時に侵害する場合は、差し止め要請が強く働くのは当然であるとした。
憲法を無力化しようとする安倍政権下で、この判決が出されたことは重要だ。
◎福島原発事故の惨状
福井地裁は福島原発事故について次のように認定した。まず15万人もの住民が避難生活を余儀なくされ、この避難の過程で少なくとも入院患者等60名がその命を失った。
家族離散や劣悪な避難生活の中でもっと多くの人が命を縮めたことは想像に難くない。
ウクライナ、ベラルーシでは、29年経った今も広範囲に避難区域を定めている。この事実は、放射性物質のもたらす健康被害について楽観的な見方をした上で避難区域は最小限の範囲で足りるとする見解の正当性に重大な疑問を投げかける。
◎原発に求められる安全性
万が一にも大災害が起きないようにすること
高浜差止決定文において福井地裁は、新規制基準を「緩やかにすぎる」と指摘した。これはどういう意味だろうか。
その根拠の一つに、伊方原発訴訟最高裁判決がある。それによれば、原子炉施設の周辺住民の生命、身体に重大な危害を及ぼす等の深刻な災害が万が一にも起こらないようにするためには,原発設備の安全性につき十分な審査を行わせることとされている。(最高裁判所1992年10月29日第一小法廷判決,伊方最高裁判決)
◎経済活動は、人格権よりも劣位におかれる
先に述べた大飯原発訴訟福井地裁判決では「原子力発電所は、電気の生産という社会的には重要な機能を営むものではあるが、原子力の利用は平和目的に限られているから(原子力基本法2条)、原子力発電所の稼動は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである。」と明確に指摘している。
また、大飯原発の再稼働については「国民の生存を基礎とする人格権を放射性物質の危険から守るという観点からみると、本件原発に係る安全技術及び設備は、万全ではないのではないかという疑いが残るというにとどまらず、むしろ、確たる根拠のない楽観的な見通しのもとに初めて成り立ち得る脆弱なものであると認めざるを得ない。」と指摘している。
◎再稼働を止めるための「不断の努力」(憲法12条)を続けよう
原発においても同様の趣旨により運転をすべきではないと考える福井地裁の判決、決定は日本国憲法に最もかなった立場である。
そのことを繰り返し粘り強く訴えて、再稼働を止めるために「不断の努力」(第12条)を続けていこう。
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┗■2.「現在の原発ゼロを続けることが最良のエネルギー政策」
| 4/28エネルギーミックス緊急集会での城南信用金庫理事長の見解
└──── 山田和明(たんぽぽ舎ボランティア)
4月28日、衆議院議員会館にて[自然エネルギーで豊かな日本を創ろう!アクション]主催の緊急集会が行われた。
同じ日に開催された「長期エネルギー需給見通小委員会」において経産省は2030年の[エネルギーミックス]について再生可能エネルギーを22%から24%、原発を20%から22%とする原案を報告した。
この原案に対して、「緊急集会」では3つの見直しを求めた。
1、再生可能エネルギーの目標が低く過ぎる、少なくとも30%以上にすべき。
2、原案に依存を続ける内容は問題だ。
3、石炭火力の推進は地球温暖化から問題だ。
という提案に対して、自民党河野太郎、秋本まさとしらが発言。これはあくまでも原案であって、自民党内部でも30%以上にという声は確実に増えている。民主党の菅直人なども野党の立場から同様の意見を。
これに対して更に突っ込んだ意見が、日本消費生活アドバイザーコンサルタント協会、全国消費者団体連絡会、全国ご当地エネルギー協会、原子力市民委員会などから発言があった。
一番印象的な意見は、城南信用金庫理事長吉原毅の見解だった。彼は「現在の原発ゼロを続けることが最良のエネルギー政策で、それは再生エネルギーと省エネルギー政策で十分可能だ」と述べた。
私たち反原発運動を推進する立場から、これらのアクションと連携することが重要だと思う。
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┗■3.メルマガ読者からイベント案内(問い合わせは主催者へお願いします)
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◆第8回講演と話し合いの会
「この国はどこに向かうのか」―沖縄・福島 基地と原発から考える-
北村 肇氏(週刊金曜日発行人・ジャーナリスト)講演会
日時:5月18日(月)18時30分より
会場:羽前屋そば店(山形県山形市旅篭町)
主催:未来のエネルギーを考える会
幸せの脱原発ウオーキング実行委員会
問い合わせ:023-622-5733 辻春男
会費:500円
「平和とは暮らしそのもの」と実感するものです。
宮城県出身の偉大な先輩、菅原文太氏の最後の言葉に、
「国の役目とは 1、国民を飢えさせないこと 2、戦争をしないこと」と
あります。
そして私たちは想うのです、老いるを敬う社会をつくることだと。
山形市にて2012年8月3日よりの金曜デモ110回を超えましたが、なかなか参加人数は増えません。
近隣の方々、どうぞ講演会にご参加くださいませ。
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┗■4.新聞より3つ
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◆高浜原発差し止め判決は再稼働を求める側の良心を問うている
孫崎 亨
福井地裁で、樋口英明裁判長が関西電力高浜原発の運転を差し止める仮処分決定を出した。判決で注目されたのは「基準地震動」をめぐる論議である。「基準地震動」とは、原発の耐震設計で基準とする地震動のことで、「地質構造的見地から、施設周辺で発生する可能性がある最大の地震の揺れの強さのこと。単位はガル」(コトバンク)とある。
日本の原発は今、700から1000ガルを「基準地震動」の値として再稼働しようとしている。しかし、2008年発生の岩手・宮城内陸地震では、一関西観測点(岩手県一関市)で4022ガルを観測し、気象庁は岩手県奥州市衣川区で1816.5ガルが観測されたと公表した。04年の中越地震でも、新潟県川口町(現長岡市)で1722ガルを観測した。
判決はこう指摘した。〈基準地震動は原発に到来することが想定できる最大の地震動であり、基準地震動を超える地震はあってはならない。しかし、20カ所にも満たない原発のうち4つの原発に5回にわたり想定した地震動を超える地震が05年以後10年足らずの間に到来している〉
つまり、「基準地震動」は現実に即していない-と断じたのである。ところが、菅官房長官や原子力規制委員会の田中俊一委員長は、福井地裁の判決に対し、「世界一厳格な基準であるから大丈夫」「再稼働は進めていく」と言っている。「世界一厳しいか否か」は問題ではない。地震大国である日本で果たして原発を稼働させることが安全なのか、と問いかけているのである。福井地裁の判決文を読めば、再稼働に向けた基準値の危うさに気付くはずだが、この判決はこの先、どうなるのだろうか。
おそらく、一部メディアが「経産省幹部は上級審で決定を覆せるとみている」(朝日新聞)と報じているような結果になるかもしれない。しかし、後世、原発再稼働をめぐる議論が本格的に検証される時代になった時、「どうしようもない時代に健全な判断を持つ裁判官がいた」と高く評価さるに違いない。
高浜原発裁判の判決は、原発再稼働を求める人々の「良心」を問うているのである。 (4月25日・日刊ゲンダイ「日本外交と政治の正体」連載100より)
◆高浜 20年延長申請 1.2号機 関電、老朽原発で初
圧力容器老朽化 取り換え不可能
関西電力は30日、老朽原発の高浜1、2号機(福井県)の60年の運転に向けた審査を原子力規制委員会に申請した。原子炉等規制法では運転期間は40年に制限されているが、規制委の認可を受ければ例外として20年を限度に1度だけ延長できる。 (中略)
原発は運転年数が延びるに従い、老朽化の問題が生じる。取り換え可能な部品もあるが、核燃料を入れる圧力容器などは交換できない。圧力容器は燃料のウランが核分裂する際に放出される中性子を浴びやすく、時間の経過とともにもろくなる。
特に高浜原発など加圧水型と呼ばれる原子炉は、東京電力福島第一原発などの沸騰水型に比べ、圧力容器と燃料の距離が近いため、中性子をより多く浴びる構造となっている。 (後略) (5月1日東京新聞より抜粋)
◆原発5基 運転終えたが… 行き場ないごみ 終わらない廃炉
見えぬ処分先…敷地内で保管 立地自治体「残ることは許されない」
運転開始から40年の老朽原発五基が4月、電気事業法に基づいて廃止となり、営業運転を終えた。今後、解体・廃炉作業に入る。だが、大きな問題が横たわる。国内には、使用済み核燃料という高レベル放射性廃棄物だけでなく、原発の解体・廃炉作業で出る低レベル放射性廃棄物を捨てる場所もない。最終処分場の受け入れ先が見つからなければ、「原発のごみ」は、廃炉作業を終えても原発敷地内にとどまり続けることになる。 (後略)
(5月1日東京新聞「こちら特報部」より抜粋)
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