たんぽぽ舎です。【TMM:No2533】
2015年7月11日(土)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.九州電力川内原発の審査書を批判する (その2)
格納容器破損の防止対策 批判 槌田 敦(物理学者)
★2.<ごはん一粒に7人の神様>
「教育は、最高の愛の事業である」
7/11【報告】第1543日目★原発とめよう!九電本店前ひろば★より
青柳行信 (原発とめよう!九電本店前ひろば・テント)
★3.新聞より2つ
◆再稼働無用 電力足りる
(7月11日東京新聞「金曜日の声 官邸前」より)
◆自衛隊から米衛隊へ 鎌田 慧 (ルポライター)
(7月7日東京新聞「本音のコラム」より)
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※7/15学習会にご参加を!
2011年3月15日の朝
東日本壊滅?最大の危機のその日、福島第一原発で何が起きたのか?
朝日新聞の報道・「命令違反で撤退」-は誤報だったのか?第2弾
お 話:海渡雄一弁護士
日 時:7月15日(水)19時より21時
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
参加費:800円
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※7/17抗議行動にご参加を!
高浜原発再稼働を許さない関西電力東京支社抗議行動
(毎月第3金曜定例行動)
場所:富国生命ビル前
日時:7月17日(金)17:30より18:15
主催:再稼働阻止全国ネットワークほか3団体
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┗■1.九州電力川内原発の審査書を批判する (その2)
| 格納容器破損の防止対策 批判
└──── 槌田 敦(物理学者)
炉心損傷に失敗した場合の格納容器破損の防止対策(4-1.2.2) 批判
原子炉の商業利用は、原子炉の冷却水喪失事故があっても、緊急炉心冷却
系(ECCS)で炉心を守り、核燃料から放出された放射能は格納容器に閉じ込
める、と約束して始まった。前節で述べたように、ECCSでは守れないこと
が示された。約束違反である。では、放出された放射能は格納容器に閉じ込め
ることができるのか。これを論ずるのが本節である。
【1.静的圧力による格納容器への負荷】(p171~179)
「格納容器の破損を防止するため、格納容器雰囲気を冷却/減圧し、また、
原子炉下部キャビティに給水する。燃料取り替え用水タンク、復水タンクの水
を代替スプレーする。そして熱の逃し場に熱を移送する。また、格納容器内を
自然対流冷却するため移動用ポンプ車を使用する。格納容器内の水素を除くた
め、静的触媒や電気式で燃焼させる。その結果、格納容器の圧力は3.3気圧、
133度Cとなる」と。
しかし、蒸気圧が3.3気圧ならば格納容器の破裂の心配がある。その理由は
蒸気圧だけでなく、もともと1気圧の空気があって、これが133度Cに加熱さ
れ、その他のガスも加えて合計5気圧程度となる。この圧力には加圧水型格納
容器は耐えられない。つまり、代替スプレーは有効ではなく、これでは審査し
たことにならない。
【2.静的温度による格納容器への負荷】(p179~185)
「格納容器の自然対流冷却により圧力は3.4気圧、温度は138度Cまでと
なる」と。対策は格納容器過圧の場合と同一である。
ところで、TMI事故(注1)の例をみれば、格納容器内での水素燃焼は均一
ではなく、水素は軽いので格納容器上部で爆発し、格納容器天井を熱損傷させ
た。TMIでは、航空機墜落にも耐える格納容器であったが、日本の加圧水原
発ではその用意はない。
【3.圧力容器破損で熔融物落下】(p185~190)
「圧力容器破損の前に、加圧器逃し弁により減圧することが重要で、代
替格納容器スプレーおよび格納容器再循環ユニットで自然対流を得る。破損
時の熔融物飛散では、原子炉下部キャビティの蓄水により原子炉支持構造物
に影響はないことを確認した」と。
しかし、キャビティに溜まった水の中に熔融物が落下すると、激しい水蒸気
爆発となり、原子炉支持構造は打撃を受ける。この水蒸気爆発について記述が
ない。
【4.格納容器での水蒸気爆発】(p190~195)
「代替格納容器スプレーにより、格納容器雰囲気を冷却、減圧する。水
蒸気爆発は、申請者の実機において想定される熔融物を用いた実験により、一
部実験でのみ発生し実機では考えにくいことを示した」と。何を言おうとして
いるのか理解できない。申請者がどのような実験をしたのか一切不明のまま、
その主張を信じろという。
【5.格納容器での水素爆発】(p195~201)
「加圧水型では格納容器は大きいので水素濃度は高くならない。そして
燃焼処理している」と。
この説明は、TMI事故で、格納容器内に3回の水素爆発があったことを完
全に無視している。その内1回は、格納容器上部で発生し、爆発の圧力は2気
圧だった。そして天井の周辺とクレーンは熱損傷した。すでに述べたが、TM
Iは頑丈な構造だったので格納容器の破壊はなかったが、その他の原発の格納
容器では崩壊の可能性がある。
この重大な事実に一切言及しない九電と規制委には故意がある。
【6.格納容器での底抜け】(p201~205)
「熔融炉心を冷却し、熔融炉心によるコンクリート侵食を抑制するため
に原子炉下部キャビティに注水する。これにより、コンクリートの侵食は3ミ
リ程度に止まる」と。
熔融炉心が塊となって格納容器の底に積もった場合、水を注いでも熔融炉
心の下に水が潜り込めない。また炉心とコンクリートとが接して発生した炭酸
ガスが水を押し上げるからなおさらである。そのうえ、海水を使用すれば、熔
融燃料は塩で包まれることになり、熔融燃料の冷却は阻害されることになる。
この格納容器底抜け問題は、福島1-2号機で発生しており、破損核燃料は
コンクリートを突き抜けて土台に穴が開き、注ぎこんだ水は環境に流れだして
いる。1号機と3号機では核燃料がばらまかれたので、コンクリートに穴をあ
けることにはならなかったが、2号機では核燃料がまとまって落ちたことで格
納容器底抜けの事態になった。
九電も規制委も、福島原発事故について、理解が足りない。このような組
織に運転させたり、規制させたりすることは危険このうえない。
【(規制すべき最重要事項) 格納容器ベント(ventilation)】
申請者九電と審査者規制委が故意に話題としなかった問題にベントがある。
格納容器の冷却に失敗した場合に、格納容器の一部が水素爆発で破損し、ま
た格納容器の冷却にも失敗し、そのうえ水素と炭酸ガスが溜まるという極端な
場合はなおさらベントすることの要求となる。
ベントとは、発電所を救う代わりに周辺住民を襲うことであり、風向きなど
気象条件による制限と住民への通知について、定めが必要となるが、請求も、
審査もしていない。 (了)
※(注1):(事故情報編集部注:TMI-スリーマイル島原発。
スリーマイル島原発事故は、1979年3月28日、アメリカ合衆国
東北部ペンシルベニア州のスリーマイル島原発で発生した重大な原子力事故。
スリーマイル島 (Three Mile Island) の頭文字をとってTMI事故とも略称
される。原子炉冷却材喪失事故 (Loss Of Coolant Accident, LOCA) に分
類され、想定された事故の規模を上回る過酷事故 (Severe Accident) である。
国際原子力事象評価尺度 (INES) においてレベル5の事例である。)
※九州電力川内原発の審査書を批判する(その1)「炉心損傷防止対策 批判」は、
7月10日発信の【TMM:No2531】に掲載しました。
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┗■2.<ごはん一粒に7人の神様>
| 「教育は、最高の愛の事業である」
| 7/11【報告】第1543日目★原発とめよう!九電本店前ひろば★より
└──── 青柳行信 (原発とめよう!九電本店前ひろば・テント)
★西岡由香さんから:<ごはん一粒に7人の神様>
青柳さま こんにちは。
長崎も昨日からいきなり猛暑日になりました。早くも夏バテしそうです。
先日、五島の小学校で講演してきました。近くの島で回っているはずの、洋上
風力発電は雨で見えなかったけれど、講演のあと、小学校の子どもたちが歌を
プレゼントしてくれました。
その歌は「折り鶴」。
♪生きていてよかった それを伝えたくて 広島の町から私は歩いてきた♪
「折り鶴」の歌を教えてくれる先生たちに習っているんだ。子どもたちは。
音楽室の天井を吹き飛ばすほどの大合唱にウルウルきました。
そのあとは、1.2年生といっしょに給食のじかん。
麦ごはん、かぼちゃの味噌汁、ひじき入り卵焼き、きゅうりと大根のおかか
あえ、チーズボール2つに五島牛の牛乳。
子どもたちが食べながら自己紹介してくれました。
「僕はカメラ名人です」、「私は柔道名人です」、「僕は、バッタ取り名人です」
「僕は、悪い人をみつける名人です」
悪い人ってどんな人?と尋ねたら「人をいじめたりたたいたりする人」。
子どもたちは、その澄んだ瞳で「誰が悪い人か」をちゃんと見てる。
一人の子が、ごはんつぶを床に落としたのを見て、彼が言いました。
「ごはん一粒には7人の神様がおるとぞー」。
校門横の掲示板には、手書きのポスター。「へいわってどんなこと?」
あさまでくっすりねむれること。ばくだんなんかおとさない。
おなかがすいたら、だれでもごはんがたべられること。
こんな素晴らしい子どもたちがいる。それこそが希望だと思いました。
純心大学の故・片岡弥吉先生の言葉を思い出しました。
「教育は、最高の愛の事業である」。
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┗■3.新聞より2つ
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◆再稼働無用 電力足りる
(7月11日東京新聞「金曜日の声 官邸前」より)
神奈川県小田原市の主婦大石舞さん(30)
集団的自衛権や川内原発の再稼働の動きに危機感を持って初参加した。実
家が鹿児島。福島と同じような事故が起きたら…と思う。福島の事故の解決の
めども立たないのに再稼働なんて理解できない。
千葉市稲毛区の会社員田中大地さん(24)
福島で避難している人を見て、このままではいけないと思った。津波や地
震など災害が起きれば、福島のような事故が起きる。再稼働しなくても電力は
足りる。原発はいらない。別の道を探すべきだ。
◆自衛隊から米衛隊へ 鎌田 慧 (ルポライター)
多数をたのんで横車をおす自民党は、やがてまた「おごれる平家久しから
ず」の轍を踏む。この憲法無視の傲慢内閣にひとびとは不安と恐怖を感じはじ
めた。平和を掲げてきた公明党は、これだけ参戦の危険が深まってもなんのそ
の、ひたすら自民に追随してどこまでも、の不思議である。
野党のはずの維新の党はここで存在アピールのチャンスとばかり、最高顧
問・橋下徹大阪市長が安倍首相と会談、そのあと、代案「武力攻撃危機事態」
をもちだした。これは政府の「存立危機事態」をすこしきびしくしただけだ。
「自衛権」を使える要件を、日本の周辺で米軍が攻撃され、日本も攻撃され
る危険性が高い場合のみ、とした。
これはいままでの個別的自衛権を拡大したようにみえて、日本への攻撃
がなくとも、日本周辺の米軍が攻撃されれば武力行使する、というのだから、
昨年7月1日の、集団的自衛権行使を認めたクーデター的、違憲の「閣議決
定」への批判はない。
安倍首相は米国で約束してきたように、とにかく今国会での、違憲な法案
の成立を狙っている。
維新の代案提出は、違憲批判に曝され孤立しはじめた自公内閣への秋波の
ようであり、助け船でもある。こんな代案がなければ、野党そろって強行採決
に反対して退場、60年安保闘争の時のように、歴史的な暴挙として、記録され
るのだ。
(7月7日東京新聞「本音のコラム」より)
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