たんぽぽ舎から TMM:No2701

たんぽぽ舎です。【TMM:No2701】
2016年2月8日(月)地震と原発事故情報-4つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.電力会社抗議が大事な時期
2月20(土)・21(日)高浜へバスで行こう
関西の人々と共に高浜町で「アメーバ行動・ミニデモ」
柳田 真 (たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.<書評>2つ
『PPS(新電力)のすすめ』、『電力改革と脱原発』
天野惠一(「市民の意見」編集委員)
★3.規制委員会へ高浜原発工事認可計画書の認可に対し異議申立 (下)
6.吉田調書が示す教訓
7.地盤安定性         山崎久隆 (たんぽぽ舎)
★4.新聞より2つ
◆申請の11原発 免震機能省く 事故対策拠点川内審査受け縮小
本誌調査 福島の教訓ないがしろ      (2月7日東京新聞1面より抜粋)
◆簡易施設で審査パス 原発 免震棟 「川内」先例 コスト抑える
(2月7日東京新聞3面「核心」より抜粋)
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脱原発川柳 『原発は 句題になれず ただ苦大 高浜虚ヒ』
コーシン@被曝地の松戸
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※2/9(火)学習会のお知らせ
=マイナンバー制度のからくり=ホントにヤバイよマイナンバー
安倍政権はなぜ、マイナンバー制度を強引に推し進めるのでしょう?
良いことずくめばかり言っているけれど、本当?
不安を抱き、戸惑っていませんか?どうしたらいいの?
マイナンバー制度に詳しい白石孝さんに聞きましょう。

日 時:2月9日(火)19:00より21:00 (18:30開場)
お 話:白石孝さん (プライバシーアクション代表、
共通番号いらないネット世話人)
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F) 参加費:800円
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┗■1.電力会社抗議が大事な時期
|  2月20(土)・21(日)高浜へバスで行こう
|  関西の人々と共に高浜町で「アメーバ行動・ミニデモ」
└──── 柳田 真 (たんぽぽ舎・再稼働阻止全国ネットワーク)

○原発再稼働の小さくない嵐が来つつある。5年前の東電福島第一原発大惨事がまるでなかったかのように、九州電力(川内原発)、関西電力(高浜原発)、四国電力(伊方原発)が再稼働をすすめている。いったん再稼働してしまえば、約束していた免震重要棟の建設すら信義違反して造らない(資金ケチリ)という九州電力その他ズラリの悪質さ。
これで公益企業というからあきれる。今や電力会社(本店・支社)への抗議行動・市民の声を届けることが特に大事な時期になったと思う。

○1月24,27日の2回の関西行動(大型バス、JRで参加)、東京支社抗議行動に続いて、関西電力高浜原発4号機の再稼働(2月下旬)に反対して、2月20日(土)・21日(日)福井県高浜町へ大型バスで行く計画が「再稼働阻止全国ネットワーク」ですすめられて、今、参加者を募集中です。
ぜひ、一度は原発の現場へ参加しよう。
国会抗議もいいけれど、原発を実際に動かす電力会社、原発のスイッチを押す電力会社(本店・支社)と原発現場への抗議が今は大切な時期だ。

・関西の人々と共に、これまで成果をあげてきた「アメーバ行動」を、みんなで高浜町でやります。
※「アメーバ行動」の意味(京都・木原壮林さん)
(高浜町の例):まちの集落から集落へ、すみからすみまで各人が創意工夫したいでたちで、まちをめぐり歩いて脱原発の声(と心)を浸透させるミニデモの略称(愛称)

・申し込み:先着順45名 (定員になり次第、締め切ります)
申し込み・電話 070-6650-5549 FAX 03-3238-0797
▼氏名、連絡方法、生年月日(国内旅行保険加入)の3つをお知らせ下さい。
費 用:9000円[バス代5000円+宿泊代(朝食付4000円)]
『原発現地へ行く会』から1人1万円の援助を受けます。
呼びかけ:「再稼働阻止全国ネットワーク」(問合せ先:070-6650-5549)
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┗■2.<書評>2つ
|  『PPS(新電力)のすすめ』、『電力改革と脱原発』
└──── 天野惠一(「市民の意見」編集委員)

『PPS(新電力)のすすめ』(布施哲也 七つ森書館・1000円+税<2012年>)
『電力改革と脱原発』(熊本一規 緑風出版・2200円+税<2014年>)

2016年4月1日から電力の「完全自由化」が始まる。この状況を踏まえ、原発を持っている電力会社から、電力を買うことをストップし、新電力に切り替えよう。あれだけの被害をもたらす終わりなき事故を起こしながら、企業のトップたちは、一切責任を取らず、国から税金を大量につぎ込まれ、平然と黒字会社であり続けている東京電力ら、電力会社。彼らの特権システムを壊すチャンスだ。原発ゼロ社会へ向けて、新電力への切り替えを。今、こういう声が、私も事務局メンバーである「再稼働阻止全国ネットワーク」の中でも、あげられ、それを、どう運動化していくかをめぐって、討論が開始されている。
私たちがこの問題を考えていくために、実に役立つテキストを2冊紹介する。
1冊目は「阻止ネット」の事務局メンバーとして共に活動していた、「反原発自治体議員・市民連盟」の中心メンバーでもあった(一昨年、突然亡くなってしまった)布施哲也の『PPS(新電力)のすすめ-電力会社の電気を買ってはいけない』(七つ森書館・2012年)である。
「経済産業省・資源エネルギー庁は管理下にある東京電力、関西電力などの10電力会社を一般電気事業者と名付けている。一方、電気の小売事業者に新規参入している事業者のことは、特定規模電気事業者(PPS=Power Producer and Supplier)としている」。
2000年にスタートした電力「自由化」(利用者の販売が可能になった)が生み出した「新電力」(経産省がPPSをそう名付けた)会社についてのこうした説明から始まる本書は、電力会社が発電、送電、配電、販売を独占してきた体制に、新電力が、着実に風穴をあけつつある事態を、具体例も豊富に示しつつ論じている。その具体例のトップは、霞が関の経済産業省ビルの別館に入居している資源エネルギー庁である。この、原発を所管する省と庁は、東電からではなく、PPSから電気を買っているのである。
そして外務省、総務省、文部科学省などもそうであり、「各省庁の出先機関も、ほとんどがPPSとなっている」というのだ。
また民間企業でも、ビルや工場の電気は、PPSから購入している所が決して少なくない、この世間には知られていない事実が、具体的に明らかにされている。
もちろん、理由は、PPSの電気の方が安価だからである。
2011年3月11日の東電福島第一原発事故以降、この事態にマスコミも関心を示し始めた。「電気事業連合会」の、多額の広告宣伝料によるマスコミ支配のタガが緩み、タブーが破れだしたからである。
本当は、日本の電気(電力)料金は高い。なぜ高くなっているのか。「総括原価方式」「地域独占」「発送配電一貫」という、国に保護された電力会社の独占体制こそが、その元凶であると著者は論じ、第一の元凶「総括原価方式」について、こう説明する。
「電力会社は経費すべて合算し、その額に会社の利益である一定の率をかけて事業報酬を算する」、「すべての金額を電気料金として徴収する」。
国策であり税金の支援があり、経費はかけ放題、すべて料金に上乗せする、発送配電一貫の地域独占企業だから可能なシステム。
都市工学者・熊本一規の『電力改革と脱原発』(緑風出版・2014年)は、2014年に閣議決定した政府の、原発を「重要なベースロード電源」と位置づける「エネルギー基本計画」に対し、原発は、実は、ベースロード電源としては「失格」である点を、事実に即して明快に論証していることから書きだされている。
熊本は、順次「自由化」の範囲が広がり、ついに個々の家庭でも買える完全「自由化」が始まるが、それをステップに今までの「名ばかりの自由化」(送電線を持っている電力会社に、新電力が金を払って「託送」を委ねざるを得ないシステムが支えているそれ)を突破するところまで「自由化」しなければと力説している。
電力会社から、まず電力を買うことをやめようと主張していた布施の先駆的な問題提起と、それは重なる分析と論理である(熊本のそれは、放射能被害の拡大を隠蔽し続けている国の原子力政策全体を批判射程に入れ、専門用語をキチンと説明的に解き明かしてくれている点が便利)。
「新自由主義(市場万能主義)」に原理的にNO!の私でも、原発ゼロへ向けた決定打と言われているこの方法については、とりあえず加担してみるしかないか。そう思わせる、2冊の本である。
(「市民の意見」No154.2016/2/1より許可を得て転載)
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┗■3.規制委員会へ高浜原発工事認可計画書の認可に対し異議申立 (下)
|  6.吉田調書が示す教訓
|  7.地盤安定性
└──── 山崎久隆 (たんぽぽ舎)
※事故情報編集部より 長文なので3回に分けて掲載致します。
(上):1.免震重要棟を作らない事業者
2.異議申し立ての主要因「白抜き黒枠」
3.「基準地震動」の過小評価 ……2/2【TMM:No2696】発信ずみ
(中):4.ストレステストの二次テストを放棄した原発
5.制御棒駆動機構……2/6【TMM:No2700】発信ずみ
(下):6.吉田調書が示す教訓
7.地盤安定性

6.吉田調書が示す教訓

【吉田調書より】
『シビアアクシデント上は、MUW(注;Make Up WaterSystem補給水系)だとか、FP(Fire Pipe消防用水)を最終注水手段として、何でもいいから炉に注水するようにしましょうという概念はいいんですけれども、設計している側に、本当にそれを最終的に注水ラインとして使うんだという意思があるんだとすると、耐震クラスをAクラスにするでしょう。それ以外のラインが全部耐震クラスAだし、電源も二重化しているようなラインが全部つぶれて、一番弱いFPと、MUWは今回なかったわけですけれども、そういうものを最後に当てにしないといけない事象というのは一体何か、私にはよくわからないです。』
吉田調書とは政府事故調査委員会のヒアリング聴取書のことである。700人以上の関係者聴取を行ったが、全く公表されていなかったのを朝日新聞がスクープし、その後記事の内容を巡り大論争になった。政府は記事を「捏造」とでっちあげ、その「証拠」として吉田調書を公表した。これが公開に至る経緯だが、内容に基づく記事そのものは何ら捏造ではなく、吉田氏の調書と周辺取材を積み重ねて書かれたものであることが明らかになった。詳しくは「朝日吉田調書報道は誤報ではない(彩流社)」に詳しい。
さて、吉田氏はこの場面で何を語ったのか。
福島第一原発事故において実施された過酷事故対策は2つだった。まず「格納容器ベント」で破壊を免れるために減圧する。次は「消防用水系統を使った注水」である。
この注水ラインについて吉田氏は、通常のECCS系統など炉に水を入れるために設備される配管類は全て「Aクラス」つまり現在の「Sクラス」であるのに、消防用水設備、つまり通常のスプリンクラーなどの消防設備のことだが、これらは一般産業なみCクラスで設備される。消防用設備配管が脆弱なのに、Sクラスで敷設しているECCS系統が破損しているような大きな力が掛かった地震の後に、消防用設備で冷却をすることを想定するなど、実際あり得るのだろうか。
吉田所長の発言は原発の過酷事故対策に対する根源的な問いだった。
現在の原発も、本質的には変わっていない。福井地裁はその矛盾を突いた。そうしたら規制委員会の田中委員長が的外れの反論をした。規制側が元からSクラス(Asクラス)で設計要求していないのに、事業者の自主的取り組みにより高いクラスと同程度の強度を有しているから良いというのでは、何のためのクラス別の基準なのか意味がなくなる。
現実に原発で起きているのは、高い健全性を要求されるべき設備が、随所で強度が最も小さいということだ。ECCSの配管強度が最も脆弱という実態を既に述べたが、蒸気発生器の細管も強度としては弱い。また、加圧器逃がし弁の管台も脆弱である。
これらは一次冷却系統の漏えい防止に極めて重要な意味を持つ設備である。

7.地盤安定性

大雨が降る度に、どこかで土砂崩れ災害が起きる。日本はいずこも地滑り危険地帯に囲まれている。高浜原発の周辺地形も例外ではない。堆積土壌の土地柄で切り立った崖地も多い。弱点の多い地盤だから、関西電力は地盤安定性の評価書の図面や配置図などを白抜きにして公表した。やはり後ろめたいことをしている自覚があるのだろう。それでも、わずかに分かる所を見て驚いた。地盤安定性とは、特に地盤崩壊に対して安定であるかをみるのだが、例えば1を下回ると崖崩れの可能性のある「安全率」については、原発の後背地斜面に相当する場所で「1.3」という数字が書かれていた。これはあまりに小さすぎる。せめて安全率は3を超える値が必要だ。
福島第一原発事故では、5、6号機への外部送電鉄塔が建っていた場所の上が崩落し、巻き込まれた鉄塔が倒壊、送電線が切断された。地震に伴う地盤変状、つまり液状化が崩落の原因になったと見られる。
この地盤の安定性は、事故後に東電が解析したところ「0.6」であったという。
1を下回っていたから崩れて当然といわんばかりだが、事故前に評価をしていたら「2」などとしていた可能性は高い。逆に、1以下と評価していて何の対策もしていなかったならばそれだけで違法だ。ただし対策はさほど難しくも高コストでもないから評価値は一定以上の値があったのだろう。
高浜原発で「1.3」とされた地盤に「累積雨量が1000ミリを超える豪雨の後に襲う基準地震動を超える地震」という条件を与えて解析したらどうなるだろうか。年に1、2度はある豪雨被害の数値だ。おそらく一瞬にして崩れ落ちる。
そのうえ、図面で見て取れる崩落の仕方はおそらく「深層崩壊」だ。これでは原発は埋まってしまうだろう。以上が、高浜原発が運転できない理由だ。それを認めない規制委員会の今回の決定は、不当であり撤回するべきである。
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┗■4.新聞より2つ
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◆申請の11原発 免震機能省く 事故対策拠点川内審査受け縮小
本誌調査 福島の教訓ないがしろ

原発事故が起きた際の対策拠点をめぐり、電力各社が原子力規制委員会に新基準による審査を申請した全国16原発のうち11原発で、地震の揺れを緩和する免震機能をなくし、当初方針より規模も小さくするなどしていることが本紙の取材で分かった。必要最低限の施設を整え、低コストで早く審査を通したい各社の姿勢がうかがえ、東京電力福島第一原発事故の教訓はないがしろにされている。
対策拠点は、事故収束作業に携わる要員を放射能や地震から守り、関係機関と連絡を取り、食料や資材を備蓄しておく必要不可欠の施設だ。福島の事故で大きな役割を果たし、新基準の大きな柱の1つとされてきた。
ところが昨年12月、九州電力が再稼働した川内原発(鹿児島県)で、免震棟の新設計画を撤回。同社は玄海原発(佐賀県)でも計画を白紙にした。
本紙は他にも同様の動きがないか、電力各社に調査。その結果、審査申請した16原発(川内、玄海両原発を含む)のうち、11で免震機能のない耐震構造に変更し、規模も大幅に縮小するなどの計画に変えていたことが分かった。
当初計画通りに整備が終わったのは、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)や中国電力島根原発(島根県)だけ。北陸電力志賀(しか)原発(石川県)では、免震棟は造ったが、指揮所の放射線防護性能が足りないため、耐震構造の指揮所を免震棟に新たに併設するという。免震棟は、余震が続いても、揺れを数分の一に緩和できるかわりに、設計が複雑でコストがかかり、工期も長くなる。
川内原発の審査で、規制委は免震棟完成までの代替施設として、免震機能のない小規模な施設でも新基準に適合するとの判断をした。これを受け、電力各社はコストを抑え、早く審査をパスする状況をつくりたいと、計画変更に動いた。本紙の取材に、複数の電力会社が川内事例を参考にしたと認めている。
川内原発の免震棟撤回問題をめぐっては、規制委が今月3日、九電の瓜生道明社長に「納得できない」と再検討を求めている。 (後略)
(2月7日東京新聞1面より抜粋)
◆簡易施設で審査パス 原発 免震棟 「川内」先例 コスト抑える

電力各社は、原発事故が起きた時の対策拠点を、必要最低限の施設とし、新しい規制基準にパスしようとしている。しかし、新基準の基になった東京電力福島第一原発事故の現場では、既存の免震重要棟では性能も広さも足りず、改良と増築を迫られた。 (中略)
後 退
原発を動かす電力会社なら、福島第一の免震重要棟で何が起き、必要な性能が何かは十分に認識しているはずだ。それでも多くの社が対策拠点の規模や性能を低いものにし始めたのは、余計なコストや時間をかけなくても済み、さらに原子力規制委員会の審査にも通ることを知ったからだ。
各社が判断材料にしたのが、8月に初めて再稼働した九州電力川内原発(鹿児島県)の事例。 (中略)
本紙の取材に対し、複数の電力会社が「川内原発の例を踏まえて決めた」などと証言。ある社の担当者は「早く審査に通って再稼働させたいので、工期の(短くなる)ことも考えた」と話した。
(2月7日東京新聞3面「核心」より抜粋)

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