たんぽぽ舎から TMM:No2727

たんぽぽ舎です。【TMM:No2727】
2016年3月10日(木)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎

◎◎関西電力高浜原発3、4号機の運転差し止め関係速報◎◎

★1.「大津地裁の仮処分決定」の主な論拠
山崎久隆(たんぽぽ舎)
★2.高浜4号機原子炉緊急停止(2月29日)を問う
原子力規制委員会「院内ヒアリング」
「再稼働阻止全国ネットワーク」
★3.新聞記事より3つ
◆井戸謙一弁護団長  (3月10日東京新聞夕刊8面より抜粋)
◆福島避難者の声   (3月10日東京新聞朝刊30面より抜粋)
◆高浜運転差し止め 新基準への不安指摘
(3月10日毎日新聞朝刊「クローズアップ2016」より抜粋)
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※東京電力本店「連続」合同抗議行動
(Part2)日時:2016年3月11日(金)18:30~20:00
場 所:東京電力本店前(東京都千代田区内幸町)
JR・地下鉄新橋駅徒歩5分、地下鉄三田線内幸町駅徒歩3分
呼びかけ:経産省前テントひろば(070-6473-1947)、たんぽぽ舎(03-3238-9035)
賛 同:東電株主代表訴訟、ピースボートなど123団体
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※3/12(土)福島連続講座第2回にご参加を!
「福島からの母子避難者の現状と課題」
「親子2人の苦闘、住宅だけは奪わないで…」
お 話:ふくしま野風さん (福島県より東京都内へ自主避難)
日 時:3月12日(土)18時より20時30分
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
資料代:800円
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┗■1.関西電力高浜原発の運転を大津地裁が差し止める
|  高浜原発3、4号機の運転差し止めを命じた大津地裁の仮処分決定
└──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

大津地裁(山本善彦裁判長)は3月9日関電に高浜原発3、4号機の運転停止を命じた。その主な論拠は次の通りである。

1.主張立証責任の所在について-関西電力が主張及び疎明を尽くすべき

関西電力において,依拠した根拠,資料等を明らかにすべきであり,その主張及び疎明が尽くされない場合には,電力会社の判断に不合理な点があることが事実上推認される。
福島第一原子力発電所事故を踏まえ,原子力規制行政に大幅な改変が加えられた後の事案であるから,関電は事故を踏まえ,原子力規制行政がどのように変化し,その結果,本件各原発の設計や運転のための規制が具体的にどのように強化され,この要請にどのように応えたかについて,主張及び疎明を尽くすべきである。

2.過酷事故対策について

現時点において,(過酷事故対策は)津波対策に限られており他の要素の対策は全て検討し尽くされたのかは不明であり,それら検討すべき要素についてはいずれも審査基準に反映されており,かつ基準内容についても不明確な点がないことについて債務者において主張及び疎明がなされるべきである。
債務者の保全段階における主張及び疎明の程度では,新規制基準及び本件各原発に係る設置変更許可が,直ちに公共の安寧の基礎となると考えることをためらわざるを得ない。
新規制基準において,新たに義務化された原発施設内での補完的手段とアクシデントマネジメントとして不合理な点がないことが相当の根拠,資料に基づいて疎明されたとはいい難い。
現時点で,使用済み燃料ピットの崩壊時の漏水速度を検討した資料であるとか,冷却水の注入速度が崩壊時の漏水速度との関係で十分であると認めるに足りる資料は提出されていない。

3.耐震性能について

敷地ごとに震源を特定して策定する地震動を検討する方法自体は,従前の規制から引き続いて採用されている方法であるが,これを主たる考慮要素とするのであれば,現在の科学的知見の到達点として,ある地点(敷地)に影響を及ぼす地震を発生させる可能性がある断層の存在が相当程度確実に知られていることが前提となる。
本件各原発付近の既知の活断層の15個のうち,FO-A-FO-B-熊川断層及び上林川断層を最も危険なものとして取り上げ,かつこれらの断層については,その評価において,原子力規制委員会における審査の過程を踏まえ,連動の可能性を高めに,又は断層の長さを長めに設定したとする。
しかしながら,債務者の調査が海底を含む周辺領域全てにおいて徹底的に行われたわけではなく(地質内部の調査を外部から徹底的に行ったと評価することは難しい。),それが現段階の科学技術力では最大限の調査であったとすれば,その調査の結果によっても,断層が連動して動く可能性を否定できず,あるいは末端を確定的に定められなかったのであるから,このような評価(連動想定,長め想定)をしたからといって,安全余裕をとったといえるものではない。
関西電力は応答スペクトルの策定過程において耐専式を用い,近年の内陸地殻内地震に関して,耐専スペクトルと実際の観測記録の乖離は,それぞれの地震の特性によるものであると主張するが,そのような乖離が存在するのであれば,耐専式の与える応答スペクトルが予測される応答スペクトルの最大値に近いものであることを裏付けることができているのか,疑問が残るところである。

4.津波に対する安全性能について

新規制基準の下,特に具体的に問題とすべきは,西暦1586年の天正地震に関する事項の記載された古文書に若狭に大津波が押し寄せ多くの人が死亡した旨の記載があるように,この地震の震源が海底であったか否かである点であるが,確かに,これが確実に海底であったとまで考えるべき資料はない。しかしながら,海岸から500mほど内陸で津波堆積物を確認したとの報告もみられ,債務者が行った津波堆積物調査や,ボーリング調査の結果によって,大規模な津波が発生したとは考えられないとまでいってよいか,疑問なしとしない。

5.テロ対策について

大規模テロ攻撃に対して本件各原発が有効な対抗策を有しているといえるかは判然としないが,これについては,新規制基準によって対応すべき範疇を超えるというべき。

6.避難計画について

過酷事故を経た現時点においては,そのような基準を策定すべき信義則上の義務が国家には発生しているといってもよいのではないだろうか。このような状況を踏まえるならば,債務者には,万一の事故発生時の責任は誰が負うのかを明瞭にするとともに,新規制基準を満たせば十分とするだけでなく,その外延を構成する避難計画を含んだ安全確保対策にも意を払う必要があり,その点に不合理な点がないかを相当な根拠、資料に基づき主張及び疎明する必要があるものと思料する。
しかるに,保全の段階においては,同主張及び疎明は尽くされていない。

7.差し止めの必要性

本件各原発は一般的な危険性を有することに加え,東北地方太平洋沖地震による福島第一原子力発電所事故という,原子力発電所の危険性を実際に体験した現段階においては,債務者において本件各原発の設計や運転のための規制が具体的にどのように強化され,それにどう応えたかの主張及び疎明が尽くされない限りは,本件各原発の運転によって債務者らの人格権が侵害されるおそれがあることについて一応の疎明がなされたものと考えるべきところ,本件各原発については,福島第一原子力発電所事故を踏まえた過酷事故対策についての設計思想や,外部電源に依拠する緊急時の対応方法に関する問題点,耐震性能決定における基準地震動策定に関する問題点について危惧すべき点があり,津波対策や避難計画についても疑問が残るなど,債権者らの人格権が侵害されるおそれが高いにもかかわらず,その安全性が確保されていることについて,債務者が主張及び疎明を尽くしていない部分があることからすれば,被保全権利は存在すると認める。
本件各原発のうち3号機は,平成28年1月29日に再稼働し,4号機も,同年2月26日に再稼働したから,保全の必要性が認められる。
以上の次第で,債権者らの申立てによる保全命令は認められることになるところ,債権者らの主張内容及び事案の性質に鑑み,担保を付さないこととする。
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┗■2.高浜4号機原子炉緊急停止(2月29日)を問う!
|  原子力規制委員会「院内ヒアリング」
└──── 「再稼働阻止全国ネットワーク」

嘘つき九電、免震棟を造らない川内原発は直ちに止めろ
傲慢関電、老朽原発の廃炉逃れを許すな
高浜4号機原子炉緊急停止(2月29日)を問う!
開催:3月8日(火)15時より参議院議員会館B103会議室
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」

次のように規制委院内ヒアリング集会を実施した。
参加は約35名、大手メディアから2社が取材、IWJほかが生中継した。
その結果を簡単に報告する。
1.川内原発免震棟問題-省略します

2.高浜1,2号機老朽原発延長稼働問題
・1、2号機の試験合格日(40年の開始日時)は、それぞれ1974年11月14日と1975年11月14日。
・既に40年を経過しているが、法制定時の取り決めで猶予期間が設けられ、2016年7月7日までに審査を終えれば延長可能。
・審査は、設置変更、工事計画、保安規定などの後、高経年化・運転延長の審査をする。
・3,4号機のパブコメを含めているのは、緊急時対策所を1,2号機建屋を使用予定だったが、延長するために、別の設備を造るから。高浜でも上記1.の問題があるようだ。

3.高浜4号機原子炉緊急停止(2月29日)問題
・再稼働直後に、放射能汚染水水漏れが起こったにも拘らず、予定通りに再稼働を認めてしまった規制行政の非を担当はなかなか認識できない。
・今は3月10日の法令報告を待っている段階。
・30年以上の老朽で3年近く稼働していなかった原発を稼働することの危険性を訴えるとともに、厳密なチェックの必要性を会場から強く要請。
「再稼働阻止全国ネットワーク」MLより転載
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┗■3.新聞記事より3つ
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◆高浜原発停止命令 10年前初の差し止め裁判長
弁護団長「第2の事故防ぐ」

やってきたことが実を結んだ-。高浜原発3、4号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)の運転差し止めを命じる大津地裁の決定を受け、住民側の井戸謙一弁護団長(61)は胸を張り、晴れやかな表情を見せた。かつて裁判官として法壇の中央に座り、史上初めて原発の運転差し止めを命じた時からほぼ10年。弁護士に転じ、法廷で座る席が変わっても「第2の事故は絶対に防ぐ」と原発に対する司法の役割を問い続けた。
2006年3月、金沢地裁の北陸電力志賀原発2号機訴訟。「原子炉を運転してはならない」。自ら発した声に法廷はどよめいていた。その後に原発の耐震指針は強化され「それなりに意味があった」と当時は思っていた判決だった。
(後略)   (3月10日東京新聞夕刊8面より抜粋)
◆「福島から学んだ判断」「再稼働の歯止めに」 高浜原発停止命令
住民ら喝采「画期的な決定」 歓喜と懸念 交錯

福島避難者

関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の運転差し止めを命じた9日の大津地裁の仮処分決定を、東京電力福島第一原発事故で首都圏などに避難した人たちは「どこの原発も動かしてほしくない」と歓迎する一方、「またひっくり返されるのでは」と案じる声も聞かれた。
「再稼働がどんどん進むことに、あきらめのような気持もあった。運転差し止めは喜びだ」。福島県浪江町から東京都江東区に避難した飯村長治さん(69)は声を弾ませた。
浪江の自宅周辺の放射線量は下がったものの、町に戻る意向の人は減り、戻っても生活できる見通しはない。「事故が起きれば広い範囲が影響を受ける。滋賀県の人たちが不安を感じるのもよく分かる」(後略)
(3月10日東京新聞朝刊30面より抜粋)
◆高浜運転差し止め 新基準への不安指摘

関西電力高浜原発3、4号機(福井県)の運転差し止めを認めた9日の大津地裁(山本善彦裁判長)の仮処分決定は、「世界一厳しい」(田中俊一・原子力規制委員長)とされる新規制基準をクリアして再稼働した原発に、初めてストップを命じた。東京電力福島第一原発事故で住民の避難エリアが拡大した結果、原発の運転差し止めをめぐる訴訟も立地県だけにとどまらず、「広域化」の様相を呈しており、他原発の再稼働にも影響を与える可能性がある。(中略)

電力、訴訟拡大を警戒

「非常に重い決定だ。今後各地で同様の訴訟が広がりかねない」。原発再稼働を目指すある大手電力幹部は、原発の「訴訟リスク」の高まりを警戒する。
(中略)
新規制基準に基づく安全審査に申請した原発は、これまでに16原発26基。すでに高浜3、4号機のほか、九州電力川内原発1、2号機、四国電力伊方原発3号機の計5基が合格し、再稼働が進む。今回の決定は、今後の安全審査にどのような影響を及ぼすのか。 (後略)
(3月10日毎日新聞朝刊「クローズアップ2016」より抜粋)

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