たんぽぽ舎から TMM:No2741

たんぽぽ舎です。【TMM:No2741】
2016年3月26日(土)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.松本春野さんの「福島に寄り添うということ」
(3/9東京新聞夕刊「文化面」掲載)への批判
週刊誌「女性自身」の記事と米国の3人の科学者による福島調査報告に
もとづいて       清水 寛(たんぽぽ舎ボランティア)
★2.「原子力ロビーからの攻撃に明確な戦略をもって対抗しよう」
シコ・ウィタケーさん(ブラジル)の基調演説
「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム 2016」開催
工藤わかめ(たんぽぽ舎ボランティア)
★3.新聞より2つ
◆原発規制 抜本見直しを   大学名誉教授 三村翰弘 (東京都練馬区)
(3月24日東京新聞朝刊5面「発言」・ミラーより)
◆老朽原発 廃炉か運転延長か 新基準後 かさむ安全対策費
(3月26日東京新聞朝刊2面より抜粋)
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※3/30福島連続講座第4回にご参加を!
「いまは福島のこと、いつかはあなたの町のことに」
お話:木田節子さん(原発いらない福島の女たち)
日時:3月30日(水)19時より21時
会場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)  資料代:800円
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┗■1.松本春野さんの「福島に寄り添うということ」
|  (3/9東京新聞夕刊「文化面」掲載)への批判
|  週刊誌「女性自身」の記事と米国の3人の科学者による福島調査報告に
|  もとづいて
└──── 清水 寛(たんぽぽ舎ボランティア)

●松本春野さんは、絵本作家でありながら「虐待、人殺しなどの誹謗中傷、これらの罵声が、この5年間、福島県に暮らす、一般の人々にも浴びせられ続けています。」と反原発の思いを持つ人を批判されています。
松本春野さんは「福島が回復してきたことを知り、ありのままを受け止めること」と書かれています。
それでは、今回、週刊誌「女性自身」(平成28年3月22日号)の記事で、「福島県60小中学校周辺放射性物質土壌汚染調査結果では、約8割の場所で放射性管理区域の4万ベクレル/平方mをはるかに超えている。」を素直に受けとめて頂きたく思います。
子供を放射能から守るために福島から避難した母親は正しいのです。
福島県中通、マスクしていない子供たちは大丈夫なのでしょうか?
●原子力の専門家、アーニー・ガンダーセンさんは、「私の子供が福島に住んでいたら、福島を出るように言う」とおっしゃっていました。
被ばく者でもある生物学者メアリー・オルソンさんの最新の報告では被ばく基準は30才の成人男子が対象になっていて、「0から5才の子が、ある時にガンになる確率」は成人男子に比べて数倍、高いとのことでした。成長期は細胞分裂が活発。DNAが傷つけられるとのことです。
メアリー・オルソンさんも「私が福島県の母親なら、福島県を逃れるように言う」とのことで、福島県の母親が避難したのは正しかったのです。
また、前・広島平和文化センター理事長のスティーブン・リーパーさんによれば、メアリー・オルソンさんが南相馬で女性と話していると、女性の髪の毛が抜けていました。メアリーさんの体験から、明らかに放射能の影響でしたが、その女性は医者から言われて、ストレスと思っていました。医者に聞くと、放射能と言わないようにプレッシャーを受けているとのことでした。
また、別の情報ですが、0から6ヶ月の福島県の死亡率が、3.11以前は全国で少なかったのが、3.11以後になって全国一になっているとのことでした(厚生労働省の資料から)。
松本春野さんは「福島は回復してきた」と書いていますが、これでも、そのように思われますか。
●米国の原発の専門家、アーニー・ガンダーセンは福島を7日間、調査され、山は除染されていないから放射線量は高いとのことでした。野生のイノシシの放射線量が高かった。サルの糞は5万ベクレル/Kgだった。また、山は放射性物質で汚染されているから、汚染物質は山から落ちてきて、除染してきれいになったところは、また汚染されるとのことでした。
さらに、除染した放射性物質が入っている袋(フレコンバック)が大量にあちこちに積まれているのに驚かれたそうです。
また、焼却炉で燃やす計画について、アーニーさんの経験から、放射性物質は燃えないものであるから、空中にばらまかれて、再び大地を汚染するとのことでした。
●松本春野さん、これでも「福島は汚染されているという抽象的な表現に翻弄され、不安に思う人々は多い」と主張されるのですか。また、松本さんは「この先さらに福島への差別や偏見が助長されることのないよう」と書かれていますが、果たしてそうでしょうか。
国と福島県は、福島から避難した人々の支援を打ちきり、1mSv/年でなく、20mSv/年の所に戻されるようとしています。避難して暮らしたい人は、そのようにできるように支援すべきでないでしょうか。
●アーニーさんは、東電福島第一原発事故で衝撃的な事を話していました。もし、津波が朝の2時に起きていたら、原発の職員は100人ぐらいしか居ないから、日本は壊滅していたかも知れない。そのような意味でまだ、運が良かったとのことでした。
最後にアーニー・ガンダーセンさんは「大勢の人が理解してほしい。私たちに、まだ出来ることとして、再稼働ストップと節電 」を上げられました。
メアリー・オルソンさんは「母親ができることは、脱原発をすること」と述べられていました。

注)2016年3月4日、鎌倉生涯学習センターで、「いのちと原子力、私たちの未来への道実行委員会」主催で、シンポジウム―いのちと原子力、私たちの未来への道―が開催された。
そのシンポジウムで、著名な米国人3人、アーニー・ガンダーセン(原子力発電の技術専門家)、メアリー・オルソン(米国の原子力情報サービス-NIRSの生物学者)、スティーブン・リーパー(前・ヒロシマ平和文化センター理事長)がお話された。

★(関連資料)
3月9日の東京新聞夕刊文化面に掲載された、絵本作家、
松本春野記事に対する批判記事掲載依頼(3月16日)に対する
東京新聞の回答(3月16日)

絵本作家、松本春野記事に対する批判記事の東京新聞への掲載依頼(3月16日)

東京新聞編集長 さま
3月9日の夕刊水曜で絵本作家、松本春野さんの記事が掲載されていました。内容は脱原発の思いの人の批判と福島は回復という記事でした。
「抗議の大半は、その場の放射線量も把握しておらず、・・・内部被ばく検査の結果も知らない人々による感情的なもの」と反原発の思いの人を批判しています。
しかし、放射能汚染に対する再計測、対策して回復してきたと文言だけで具体的な中味が書かれていません。福島は汚染されている事実に対して、抽象的表現だと批判し、絵本作家が文言だけで「福島の放射能汚染は大丈夫」という印象を与えています。
放射能汚染が取り除かれていない中で、このような大丈夫の記事は、汚染された場所に住む福島県民及び避難県民両者に誤解を与えてしまいかねないから、正しい情報を伝える必要があります。
これは、原発推進派を喜ばす記事であり、東京新聞読者として、なぜ、このような片寄った内容が掲載されたのか理解に苦しむところです。
公平性を保つなら反論の記事も掲載されるべきと思いますが如何でしょうか。お答えよろしくお願い致します。

・批判記事掲載に対する東京新聞の回答(3月16日)
3月9日夕刊文化面へのご意見ありがとうございました。
松本春野さんの寄稿は、自らの体験や知見に基づいて、福島に寄り添う気持ちを率直に述べたものです。
東京新聞では、さまざまな意見を紹介しており、紙面には、むしろ松本さんと異なる意見の方が多く掲載されています。
ご指摘の公平性については、単独の寄稿だけではなく、紙面全体をご覧いただいた上で判断を賜れば幸いです。    東京新聞読者応答室
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┗■2.「原子力ロビーからの攻撃に明確な戦略をもって対抗しよう」
|  シコ・ウィタケーさん(ブラジル)の基調演説
|  「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム 2016」開催
└──── 工藤わかめ(たんぽぽ舎ボランティア)

「核と被ばくをなくす世界社会フォーラム 2016」のオープニングフォーラムが3月23日(水)、在日本韓国YMCAで行われた。参加者約100名。
海外からは世界社会フォーラムの創始者のひとり、シコ・ウィタケーさん(ブラジル)をはじめとして、ウクライナ、フランス、インド、トルコ、韓国等、原発や核に関わる運動の関係者が参加した。
主催者挨拶、各分科会紹介、海外ゲストの発言に続いて、シコ・ウィタケーさんの基調演説があった。
シコさんはこの日、成田空港に到着してから、警察より3時間、税関で1時間と計4時間も尋問を受けていた。84歳という高齢のシコさんに対して何の理由があって長時間の尋問を続けてなければならなかったのか。理由を聞いても何の説明もなかったという。そうした不当な扱いからの疲れにも拘わらず、日本でのフォーラムの開催について積極的だったというシコさんは元気な様子で登壇し、「今、世界では原発が清潔で安全で廉価だという宣伝がなされ、人々はそれを信じている。こうした状況に対して、活動している団体はお互い情報を交換し、つながっていかなければならない。原子力ロビーからの攻撃に明確な戦略をもって対抗していかななければならない」と力強く演説した。
3月24日から25日は福島ツアー、26日から28日まで、各分科会に分かれて様々な面から、核・原発に関わる問題について情報を交換し、議論をしていく。

※関連新聞記事
◆核、原発なき世界模索 28日まで都内フォーラム 再稼働など話し合う
(3月26日東京新聞朝刊27面「メトロポリタン」より抜粋)

核兵器と原発のない「もうひとつの世界」を模索する「反核世界社会フォーラム」(同フォーラム実行委員会主催)が、28日まで東京都内で開かれている。原発再稼働や被ばく労働者の権利問題などについて話し合う。呼びかけ団体は、ATTACジャパン(首都圏)やたんぽぽ舎など多数。
26日午後6時から、千代田区三崎町のスペースたんぽぽで、元フランス原子力庁・環境エネルギー庁高官らを招いて、分科会「クライメート・ジャスティスの観点からCOP21交渉と原発再稼働を考える」を開催。(中略)
27日は「広島・長崎・ビキニ・福島を体験した国で、原発はなぜ再稼働されてしまうのか?」(午後1時、スペースたんぽぽ)などの分科会がある。(中略)
問い合わせは、同実行委=電070-5553-5495へ。
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┗■3.新聞より2つ
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◆原発規制 抜本見直しを   大学名誉教授 三村翰弘 (東京都練馬区)

去る3月9日の大津地裁による高浜原発3・4号機の運転停止決定は、未曾有の福島第一原発事故を念頭におけば、極めて妥当である。原子力規制委員会が定めた規制基準は当初から問題が多かった。私は特に2点を強調したい。
その1は、福島の事故原因を究明せず拙速に設定したこと。当局と東京電力は、津波による全電源喪失に伴う冷却機能の停止が原因だとするが、これには世界的に異論がある。国会事故調は「地震動による破損がなかったとは結論できない」と断じた。また、英国科学専門誌「ネイチャー」478号も紹介した、事故による核分裂生成物質の全地球規模拡散に関するA・ストール氏らの国際調査研究は、津波到達以前に原子炉機器が破損していた可能性を指摘する。原因究明がない時点での基準は科学的姿勢にかけ、説得力がない。
その2は、住民避難計画が基準の対象外になっていること。この住民避難の課題は、「原子力災害対策指針」により「防護準備区域」などが定義づけされたが、避難計画の妥当性審査は規制基準にはなっていない。審査当局や原発事業者の責任回避といえよう。国際原子力機関(IAEA)や米原子力規制委員会(NRC)は、住民避難の課題を原発立地の基準・規制に定める。ショーラム原発(ニューヨーク州)は完成後、住民避難計画が不適という理由で、営業が許可されず廃炉となった。
事故の因果関係を究明反映する科学性を貫き、未来にも安全を保障する責任性を負うのでなければ、原発を審査・運用する資格はない。規制基準は、抜本的に見直すべきである。
(3月24日東京新聞朝刊5面「発言」・ミラーより)
◆老朽原発 廃炉か運転延長か 新基準後 かさむ安全対策費

四国電力が来年で運転開始から40年となる伊方原発1号機(愛媛県)の廃炉を決断した。再稼働には原子力規制委員会が定めた新規制基準の審査に適合する必要があるが、古い原発ほど安全対策費用がかさむ。東京電力福島第一原発事故後、第一原発以外の廃炉は全48基のうち6基目。各地で再稼働の手続きが進む一方で、「廃炉の時代」も訪れつつある。 (後略)
(3月26日東京新聞朝刊2面より抜粋)

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