たんぽぽ舎から TMM:No2778

たんぽぽ舎です。【TMM:No2778】
2016年5月13日(金)地震と原発事故情報-2つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.熊本大地震は「前例」あった
“17世紀と酷似する”地震パターンとは
「AERA 2016年5月2日-9日合併号」より抜粋
★2.現地からの緊急報告 川内原発ゲート前で抗議行動
熊本地震と川内原発
川畑清明 (薩摩川内市在住)
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・脱原発川柳【後世の 史家原発に あきれはて】  乱 鬼龍 (転載自由)
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※5/14(土)島村英紀さん「地震と原発学習会」にご参加を!
「地震列島日本の今・そしてこれからは?」
お 話:島村英紀さん (地球物理学者)
日 時:5月14日(土)14:00より16:00(開場13:30)
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)   参加費:800円
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※5/14(土)学習会にご参加を!「オリンピック・森 喜朗・放射能汚染」競技場付近は放射線量高い!?
お 話:谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)
日 時:5月14日(土)18:00より20:00
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)   参加費:800円(学生400円)
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※5/15(日)討論会にご参加を!報告:木原壯林さん(若狭の原発を考える会)
「福井・若狭の原発の特徴(14基)と私たちの反原発運動・実践 アメーバデモ・リレーデモ・車デモ、その他」
日 時:5月15日(日)14時より17時
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F)
共 催:「再稼働阻止全国ネットワーク」/「スペースたんぽぽ」  参加費:800円
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┗■1.熊本大地震は「前例」あった
|   “17世紀と酷似する”地震パターンとは
└──── 「AERA 2016年5月2日-9日合併号」より抜粋

今回の地震について、気象庁は「前例がない」と言った。だが、古文書をひもとけば、今の日本の状況とあまりにも似ている時代があった。我々は歴史に学ぶ必要がある。
歴史学者・磯田道史さんに話を聞いた。
◯ 今回の一連の地震で、震源が熊本から阿蘇、大分と北東方向に100キロを超えて広がっていっていることについて、気象庁は「前例がない」としていますが、果たしてそうでしょうか。確かに気象庁が観測を始めた1875年以降では前例はないでしょう。
しかし、500年、1,000年という長いスパンで災害の歴史を研究してきた私の立場から見ると、前例なしとは言えない。それどころか江戸時代初期の17世紀前半とかなり状況が似ていると考えています。

◯ 順を追って説明しましょう。まず1611年に「慶長の三陸沖地震」が東北地方で起きました。これは東日本大震災と同タイプの東北沖の海溝型巨大地震で、津波による多数の死者が出ました。
その8年後に、今回と同じ肥後地方で、一つの都市が壊滅するような大地震が起きています。熊本藩の地誌「肥後国志」14巻には「卯の刻(午前6時)より大地震い、午の刻(正午)にいたり、城楼崩壊す」とあります。この城楼とは、八代にあった麦島城のことで、最初の地震から数時間、幾度となく襲いかかる激震で6時間後に櫓(やぐら)などの建物が崩壊してしまったのです。
さらに「浄信寺興起録」という記録には「大地震動す。山鳴り谷応え」とあります。ゴーゴーと不気味な地鳴りがして、谷でこだまするような状況だったのでしょう。城の石垣や櫓が壊れ落ち「死傷するもの無数」、都会だった八代の町が「たちまち荒陵と変ず」とあります。おそらく震度6強ないし7の非常に強い揺れと余震で、城下は6時間の断続する揺れで消滅したと思われます。

◯ ちなみに熊本では、記録に残る最も古いものとして、744年、天平時代にも大地震が起きたことがわかっています。今回の地震を起こした布田川(ふたがわ)と日奈久(ひなぐ)の2つの断層帯は数100年単位で激しく動いているのです。
さらに私が今回、注目したのは当時、豊後(大分県)竹田を治めていた岡藩中川家の「中川史料集」の記述です。八代の麦島城の天守閣が崩壊した同じ日、同じ午の刻に「岡大地震御城中所々破損」とあります。これは竹田の岡城が地震で崩れ破損したことを意味します。つまり、熊本が揺れ、その6時間後には、大分竹田の断層も、城を壊すほど激しく動いたのです。今回同様、熊本の地震が大分にまで広がっていた可能性が高いのです。
東北で震災が起き、その数年後に熊本で都市そのものが壊滅するような地震が起き、その地震が大分にまで広がった。つまり、今回と非常に似通った地震活動が400年前に起きていたとみるのが自然です。

◯ その後の展開も気になって調べてみると、熊本と大分の地震から6年後の1625年に広島・愛媛・熊本・香川で地震が連発します。広島は、八代、熊本、竹田を通る断層群の延長線上にあるので、私はこの地震に注目しています。まず同年1月、広島で地震が起き「安芸広島城の石垣・塀・多聞などが崩壊」します。多聞とは城の細長い櫓で、広島城の地盤はあまり強くないので、震度6ぐらいで石垣や櫓が崩壊したと思われます。城下の被害記録はないのですが、櫓が落ちるかなりの揺れだったことがうかがわれます(「自得公済美録」十七ノ下)。
同年4月、今度は愛媛を地震が襲いました。「伊予温故録」によれば道後温泉が「地震にて塞」がって「松山城主蒲生忠知命して湯神社に祈祷す」とあります。7月は再び肥後熊本で大地震が起きています。相当な被害があったようで「丁巳雑録」という史料ではこんな内容が記されています。「(旧暦6月)17日に揺れ始めて、天守その他城内の建物が崩れ、瓦も飛んで骨組みの木材だけが残った。城中にいた50人ばかりが死んだ。火薬庫が地震で爆発し、跡形もなく吹き散らした」
熊本藩細川家の「部分御旧記」には、「本丸には庭がなく四方が高石垣。そのうえ、櫓・天守もなかなか危ない。許可を得て、地震屋(殿様の地震避難舎)を建てる庭を造らねば、本丸にはいられない」というような記載があり、余震が続いたことがうかがわれます。さらに同年11月上旬には「四国中国大地震」という記録が香川県に残っています(「田宮物語」「長尾町史」)。

◯ つまり「400年前の東日本大震災」のあとには、国内最大級の活断層である「中央構造線断層帯」の西端の熊本・八代でまず地震が起き、大分・広島・愛媛・香川へと西日本の中央構造線を東に向かって、次々と地震が連発した形跡があるのです。 (構成・アエラ編集部)
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┗■2.現地からの緊急報告 川内原発ゲート前で抗議行動
|  熊本地震と川内原発
└──── 川畑清明 (薩摩川内市在住)

◯根拠失った地震安全対策

2日続けてスマホのアラームの後、強い揺れを感じた。身体の中には、鹿児島県北西部地震=1997年3月、M6・6(薩摩川内市で震度5強)と、同年5月、M6・4(薩摩川内市震度6弱)の記憶があり、震度は予想できる。
16日午前1時の揺れは、川内で震度4、川内原発では震度3と発表された。自宅より震源地に近いのに震度は低いのには、首を傾げたくなる。というのも、NHKの画面で鹿児島の地図は出なかったからだ。山口県や四国の一部は表示されているのに、日本で唯一稼働している原発の周囲の震度が表示されない。
本来、九州電力が川内原発内の震度と状況を直ちに発表すべきであるが、鹿児島県北西部地震の際、震度計が壊れていて正確な震度がわからなかったという失態がある。3・11以前だったので、抗議をした人たちもいたかもしれないが、市民の反応は鈍かったと記憶する。
今回の大地震は異例続きだ。余震であるべき後の揺れが「本震」に変更され、震源地が東に移動する地震が続いた後、再び最初の震源地付近に帰り、さらに南西側に移動して、甚大な被害をもたらした。
16日未明、「本震」発生の午後に会見した気象庁・橋本地震予知情報課長は、「14日に発生したM6・5の活断層型地震の後、それを上回る本震が発生した記録が国内には存在しない」と言い、「本震は布田川断層帯で発生したが、午前3時台にM5・8の地震が2回発生、大分県中部でもM5・3の地震が起きた。この2カ所の地震活動の高まりは、本震とは別の地震活動」との考えを示した。その上で「今までの経験則から外れている」「今後どのようになっていくか分からない」とも語った。
私は驚いた。経験則から外れて先は分からないということは、原発の地震安全対策の根拠はなくなったのだから。翌18日、九電鹿児島支店と県知事への即時停止の申し入れ行動に参加した。
鹿児島支店での申し入れ行動は緊迫した。地震予知課長の発言に対する見解を問うと、「聞いてない」「事故が起こらないようにする」と答えるのみ。女性の方々が、泣きながら止めてくれと訴え続けた。
県庁では、所管の安全対策課に乗り込み、横柄な対応にあきれて知事室まで迫るが、知事は対応せず。他の団体は薩摩川内市長に申し入れようとしたが、対応マニュアルがあるかのごとき原子力ムラの対応であった。加えて、田中規制委員長の「政治家や国民が何と言おうと止める根拠はない」の発言には、あきれる価値もない。

◯原発を止められない理由はない

久見崎テントの人たちとともに『川内原発ゲート前緊急抗議行動』と銘打ち、3日間の抗議行動を実施した。『地震がくるから今すぐ止めろ』の抗議に、約70人が参加した。
「地元同意」を盾に再稼働を許した私たちには、全国の人に対する負い目がある。何かせずにはいられない。弓矢の矢じりになって、原発の正面で「止めろ」と叫んだ。県内はもとより、宮崎県小林市から大型バイクで駆けつけた男性、「FBで知った、再稼働当日もここにいた」と語る水俣からのお二人は、地元メディア、東京新聞、韓国メディアの取材も受けた。
九電は相変わらず無反応だが、帰り際、ガードマンさんたちに「また来ます」と挨拶したら、微笑みと会釈を返してくれた。命は同じだし、過酷事故が起これば同じ運命だ。
初日の行動終了直後、4トントラックが止まった。降りてきた青年は、「原発の敷地で線量を測ろうと来てみたら、抗議している人たちが居たので遠くで見ていた」。聞けば、熊本出身、福島で被災し、大阪に住んでいるという。実家が半壊し、母親は避難所に身を寄せている。難を知ったなかまが、トラック一杯の物資を集めてくれたそうだ。マイクを握った青年は、たどたどしくも切実に廃炉を語った。
電気は足りている。東電は、新設のガスコンバイン火力発電で原発なしに黒字化した。
金儲けのためだけに、再稼働の条件だった免震重要棟建設を止めて耐震にしたいと申請し、金のために緊急停止を避けた九電は、二度と国民の信頼を得られない。重要免震棟問題、地震対策問題に口をつぐんだままの伊藤県知事と岩切市長に首長の資格はない。
原発を止められない理由はない。
あると言うなら、政府及び九電は、地震多発で怯える国民に対し、熊本の被災者に対し、福島の被災者に対し、明確な説明をしろ!

(人民新聞1580号より転載)

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