たんぽぽ舎から TMM:No2800

たんぽぽ舎です。【TMM:No2800】
2016年6月7日(火)地震と原発事故情報-3つの情報をお知らせします
転送歓迎
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★1.なぜ止めない?川内原発!
川内原発工事計画認可に対する執行停止異議申立を秘密会合で却下
原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その97
木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)
★2.新規制基準で安全は確保できない  (上)-3回の連載
「適合」できるように作られた新規制基準
木原壯林(若狭の原発を考える会)
★3.新聞より2つ
◆悪夢への逆走   鎌田 慧
(6月7日東京新聞朝刊27面「本音のコラム」より)
◆もんじゅ もう廃炉にしてあげて
(6月4日東京新聞朝刊5面「社説」より)
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・脱原発川柳【半減期 そこまで誰が 生きている】 乱 鬼龍 (転載自由)
【原発の 金に群がる 推進派】 へらずぐち亭 誤字脱字
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※▲6/20(月)菅直人元首相の講演会決定!!▲受け付け中
菅  直人首相(2011年当時)は、浜岡原発(静岡県)を止めた!
安倍晋三首相(現)は、いつ川内原発(鹿児島県)を止めるの?

講 師:菅 直人衆議院議員
日 時:6月20日(月)18:30開場 19時より21時
会 場:「スペースたんぽぽ」(ダイナミックビル4F) 参加費:800円
申し込み:予約して下さい。定員に達し次第締め切ります。
定員に達したらメールマガジンでご案内致します。
ご予約は電子メールか電話(03-3238-9035、月曜~土曜13時以降)で
ご氏名、電話番号をお知らせ下さい。予約受付番号をお伝えします。
当日、受付で予約受付番号をお伝え下さい。
●電子メールの受付は定員にかかわらず6月17日(金)20時で締め切りと
させていただきます。
問い合わせ:たんぽぽ舎(TEL 03-3238-9035)
キャンセルは、極力ご遠慮下さい。
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※6/11(土)2つの抗議行動にご参加を!

★伊方原発再稼働やめろ!第9回四国電力東京支社抗議[全国共同行動第2回]
日時:6月11日(土)16:30より17:30
場所: 大手町東京銀行協会ビル前
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」TEL 070-6650-5549

★川内原発今すぐとめろ!九電東京支社抗議[全国共同行動第2回]
日時:6月11日(土)18:00より19:00
場所:有楽町電気ビル前(JR有楽町駅日比谷出口すぐ)
主催:「再稼働阻止全国ネットワーク」TEL 070-6650-5549
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┗■1.なぜ止めない?川内原発!
|  川内原発工事計画認可に対する執行停止異議申立を秘密会合で却下
|  原子力規制委員会は原発再稼働推進委員会!その97
└──── 木村雅英(再稼働阻止全国ネットワーク)

去る5月23日(月)午前、原子力規制委員会が非公開で臨時会議を開き、私たちが昨年3月と5月に提出した工事計画認可に対する異議申立のうち、執行停止申立てについて「執行停止をしないこと」と決定し、申立者に通知してきた。
その内容は、第10回原子力規制委員会臨時会議の会議資料として規制委サイトにアップされている。
http://www.nsr.go.jp/disclosure/committee/kisei/00000138.html
配布資料欄の資料2別添1と資料2別添2が決定書、事案4異議申立書と事案5異議申立書がそれぞれ川内1号機と2号機の異議申立書だ。

例えば、1号機の異議申立書には申立理由として次のように記載している。
1 行政不服審査法に関する違法性
2 原子力規制委員会設置法と国会決議に関する違法性
3 耐震性に重大な欠陥
4 情報公開の拒否
5 航空機事故や破壊行為の防止対策が不十分
6 重大事故対策が不十分。むしろ事故を拡大することが懸念される

残念ながら、異議申立についての審理は、処分をした部署と全く同じ部署(原子力規制部安全規制管理官(PWR)付)の人が実施し、非公開会合で決定するので、結果は期待できない。それにしても、原発が稼働してから9ヶ月も経ってから「執行停止」の却下を決定するとは、原子力規制委員会が私たちの異議申立を軽視して再稼働を推進し再稼働を優先する組織であることを如実に示している。
なお、今回私たちが特に問題視した「黒枠・白抜き」問題については、岩波「科学2016年6月号」で、筒井哲郎さんが≪原子力規制委員会審査書類の「白抜き」「黒塗り」≫と題して、安全情報開示において原子力規制委員会が原子力安全・保安院よりも後退したケースすら見受けられると指摘している。
また、今回の原子力規制委員会臨時会議では、高浜3,4号機の設置変更許可認可に対する異議申立についても、非公開で却下を決定した。
のれんに腕押しの感だが、負けていられない。
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┗■2.新規制基準で安全は確保できない  (上)-3回の連載
|  「適合」できるように作られた新規制基準
└──── 木原壯林(若狭の原発を考える会)

熊本大地震発生後の4月18日、原子力規制委員会は、九州電力川内原発1、2号機について「今の段階で安全上問題はない」(田中俊一委員長)とした。19日には、四国電力伊方原発3号機の審査を終了し、四国電力は7月下旬にも再稼働しようとしている。また2月24日には運転開始から40年を超える関西電力高浜原発1、2号機の新規制基準適合を了承した。このように再稼働をつぎつぎと認めている規制委審査の問題点について、「若狭の原発を考える会」の木原壯林さんから詳しく話を聞いた。

新規制基準の「目玉」といわれているのは、1.「過酷事故も起きうる」ことを前提にした安全対策の導入、2.フィルター付ベント(排気)装置の設置、3.移動式電源車や全電源喪失時に原子炉を冷却する注水車の装備などだ。じつはこれらは国際原子力機関(IAEA)が各国に対策を求めていたものばかりだ。
ところが、日本の規制当局は「過酷事故は起こらない」という「安全神話」のもとに対策を怠ってきた。当然やるべきことを福島原発事故が起こるまでやっていなかったことこそ大問題だ。

「適合」できるように作られた新規制基準

新規制基準の問題点として以下の9点をあげたい。

(1)福島原発事故の原因を深く追及していない

福島原発事故の事故炉内部は高放射線のため、その詳細はわからない。真の事故原因は不明のままだ。事故の原因は無数に考えられ、およそ現代の科学では制御できない。今まで「原発は完全に安全」と言ってきた同じ人物たちが根拠もなく「今度こそ安全」と言っているだけだ。

(2)実現が困難なことは要求しない

まずあげられるのは、立地審査指針を廃止したことである。
立地審査指針とは、1.重大な事故の発生を仮定しても、周辺の公衆に放射線障害を与えないこと、2.重大事故を超えるような、技術的見地からは起こるとは考えられない事故の発生を仮想しても、周辺に著しい放射線障害を与えないこと、というものだ。
福島原発事故の結果を指針に反映させると、非居住区域を大きく拡大しなければならなくなる。しかし住民の立ち退きは現実的ではない。すると原発の廃止しかなくなるのだが、立地審査指針のほうを廃止して、原発を存続させる道を選んだ。
また炉心溶融で溶け落ちた核燃料を受け止めるコアキャッチャーや、航空機落下に備えた二重ドームなど、海外の新型原子炉では標準装備されている設備についても設置不要としている。理由は、設置には多額の費用と時間を要するからだ。
原子炉施設の周辺施設・機器の耐震基準も改定していない。福島第一原発事故では、水位計の機能喪失がメルトダウンの判断を困難にしたが、そのことがまったく教訓化されていない。 さらに加圧水型原子炉(PWR)では、重要事故対策設備やフィルター付ベント装置の設置を5年間猶予するなど、規制基準を満たしていない施設でも「適合」となる。

(3)都合のよいデータを採用しても適合

例えば、炉心溶融時の水素の爆轟(注)防止という必須事項でも次のようなことがおこなわれている。
高浜3・4号機の審査書は、炉心溶融やコンクリート相互作用による水素発生量の不確かさの度合いを、同規模の川内1・2号機の審査書に比べて大幅に小さくしている。高浜原発の審査書では、炉心溶融やコンクリート相互作用による水素発生量の不確かさの影響を考慮したケースで格納容器内の水素濃度の最大値を約12.3%と計算しており、水素爆轟防止の判断基準の13%以下を満たしたことになっている。ところが川内原発の審査書と同じ評価をすれば、水素濃度の最大値は約14.8%となり、明らかに基準を超えている。 (中)に続く
(注)爆轟(ばくごう) 気体の急速な熱膨張の速度が音速を超え衝撃波を伴いながら燃焼する現象。

「未来」第199号(2016.5.19)より転載
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┗■3.新聞より2つ
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◆悪夢への逆走   鎌田 慧

集会がはじまる時間を狙って、黒塗りの車列があらわれた。わたしたちが演壇にしている宣伝カーのすぐ後に停車して、一斉にがなりたてた。なにやら絶叫しているのだが、意味は不明。発言者の声を押しつぶそうとするだけの暴力。それに軍歌の大音響。
日曜日。国会周辺3ヵ所での「改憲反対、戦争させない」集会の妨害に来た右翼の車列を前にして、わたしはマスコミに触手を伸ばした安倍政権が、いよいよ集会の自由にも暴力装置を使い出したのか、と考えていた。
56年前の1960年6月、国会裏の道路で「安保反対、岸を倒せ!」を叫んでいたわたしたちの隊列のすぐ後ろで、右翼が新劇人のグループにこん棒を振って殴り込んだ。その5日前、羽田空港周辺で米大統領新聞係秘書ハガチーの車を阻止した隊列に右翼が突入し、女子学生が昏倒するのを目撃している。
かつて政権が危機的になると、右翼が暴れ出した。安保闘争のなかで社会党の河上丈太郎が刺傷をうけ、浅沼稲次郎委員長が刺殺された。岸信介首相も刺された。
手段を選ばず、平和憲法を抹殺し、戦争のできる「新しい国へ」(安倍首相の著書)引きずり込もうとするのは、東条英機と祖父・岸信介が「満州建国」で果たそうとした悪夢の時代への逆走だ。時代錯誤の夢想家の犠牲にはなりたくない。
(ルポライター)  (6月7日東京新聞朝刊27面「本音のコラム」より)
◆もんじゅ もう廃炉にしてあげて

高速増殖原型炉「もんじゅ」をどうするか。原子力規制委員会の勧告を受けた文部科学省の検討会は、受け皿を示せなかった。かつての「夢の原子炉」を、もうこれ以上、野ざらしにすべきでない。

もんじゅは悲劇の原子炉だ。
通常の原発の使用済み燃料からウランとプルトニウムを抽出し、燃料として再利用できるだけではない。さらにその燃料が理論上、消費すればするほど増殖、すなわち増える。もんじゅはこのような核燃料サイクルの要、資源小国日本にとって、まさに夢の原子炉と、もてはやされた。
もんじゅは通常の軽水炉とは違い、冷却水の代わりにナトリウムを使う。空気に触れると激しく燃える難しい物質だ。
199年暮れ、発電開始からわずか4カ月足らずで、深刻なナトリウム漏れ事故が発生した。
その際当時の運営主体の動力炉・核燃料開発事業団(動燃)が、事故が小さく見えるように編集した現場のビデオを公開するなど、隠蔽(いんぺい)工作が次々明らかになり、激しい批判にさらされた。
信用失墜の動燃は核燃料サイクル開発機構に改組した。さらに2005年、今の日本原子力研究開発機構になった。ところがそのずさん体質、隠蔽体質は一向に改善されず、12年には1万点近くの機器で点検漏れが見つかった。
原子力規制委員会は昨秋、不祥事を繰り返す機構には「運転を任せるべきではない」と、文科相に異例の勧告を行った。
もんじゅの燃料を抽出する青森県六ケ所村の再処理工場もトラブル続き、米国家安全保障会議(NSC)は日本の再処理事業に対する懸念を隠さない。核燃料サイクルは、すでに破綻を来している。
初臨界から22年、もんじゅは延べ200数10日しか動いていない。それでも、年に200億円もの維持費がかかる。
電力業界は運営に難色を示しており、文科省の検討会も受け皿を示せていない。人間のうそとずさんが、かつての夢の原子炉を、引き取り手のない、金食い虫の厄介者におとしめた。
実証炉に至る以前の原型炉、もんじゅは立派に役目を終えた。もう、廃炉にしてあげたい。“科学の夢”をこれ以上、さらしものにすべきでない。
廃炉には長い年月と新たな技術開発が必要だ。研究施設としては貴重な存在になる。
地元の雇用はそこで維持できるはずである。 (6月4日東京新聞朝刊5面「社説」より)

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