つくろい通信 第20号 

著者: 稲葉剛 : つくろい東京ファンド
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▼今号の目次▼
★1.生活保護の違法・不適切運用の根絶を!
厚労省に申し入れをしました
★2.カフェ潮の路、ブックカフェとして営業中
難民支援イベントも開催しています
★3.酷暑から命を守るために

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★1.
生活保護の違法・不適切運用の根絶を!
厚労省に申し入れをしました
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生活に困窮した人々が生活保護を利用する際の最大のハードルとなっている扶養照会の運用が改善されて、3年半が経とうとしています。
2021年春に厚生労働省が運用改善の通知を発出した後、東京都の中野区や足立区等、「申請者本人が拒む場合は親族に連絡をしない」と明言する自治体が増えましたが、その一方で本人の意思を無視して照会を強行したり、親族に対して仕送りや引き取りをするようプレッシャーをかけたりしている自治体も未だに存在します。

特にこの間、生活保護の違法運用が問題になった群馬県桐生市や奈良県生駒市では、扶養照会を「水際作戦」のツールとして利用するだけでなく、照会後の一連のプロセスにおいても違法・不当な手段を駆使して、徹底的に申請者・利用者を追い詰めていたことが明らかになりました。

これらの自治体の違法運用の背景には、厚生労働省が過去に出したまま見直していない通知の存在があることから、つくろい東京ファンドは、生活保護問題対策全国会議、「桐生市生活保護違法事件全国調査団」、「奈良県の生活保護行政をよくする会」の3団体とともに8月6日、厚生労働省に申し入れをおこないました。

要望書の内容は下記のページにアップしていますので、ぜひご一読ください。

扶養照会強行だけでなく、仕送り強要や「カラ認定」(扶養偽装)も。一部自治体の「暴走」の温床となっている厚労省通知の削除・改正を求めます。
https://tsukuroi.tokyo/2024/08/06/2371/

申し入れとその後の記者会見の様子は各メディアでも報じられました。

【8月6日】生活保護「仕送り強要」「扶養の偽装」の原因は厚労省? 桐生市などで不適切運用…弁護士らが改善を要望:東京新聞 TOKYO Web
https://www.tokyo-np.co.jp/article/345684
【8月8日】生活保護申請の“恣意的な却下”多発、自治体に「受給は悪」の意識? 不適切運用の要因「厚労省通知」改正求め弁護士ら要望書
https://www.ben54.jp/news/1391

【8月8日】「カラ認定」で保護費減額、認知症の母が娘を引き取り? 生活保護の扶養照会めぐり不適切事例続々|生活ニュースコモンズ
https://s-newscommons.com/article/3816

この日の申し入れでは、残念ながら厚労省から前向きな回答を引き出すことはできませんでしたが、今後も各団体と連携して働きかけを続けていきます。

引き続き、ご注目ください。

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★2.
カフェ潮の路、ブックカフェとして営業中
難民支援イベントも開催しています
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つくろい東京ファンドが運営する「カフェ潮の路」では、毎週木曜日(第5木曜日を除く)の12~15時に、コーヒーや軽食、古本などの販売をおこなっています。
8月以降、コーディネーターの都合により弁当販売はお休みしており、ブックカフェとして営業していますが、「難民・移民フェス」でもおなじみの「ロレックス」(卵焼きと野菜をチャパティで巻いたウガンダ料理)とサモサの販売は続けています。
お近くの方はぜひお越しください。

また木曜日以外にも、難民の方に作っていただいた各国料理を提供するイベントを不定期で開催しています。
次回は、9月10日(火)12~15時、本場のスリランカカレーセットの販売をおこなうイベントを開催する予定です。
販売の収益は、つくろい東京ファンドの難民支援活動に活用されます。
ご都合がつけば、ぜひご参加ください。

カフェ潮の路の場所は、西武新宿線「沼袋」駅から徒歩11分。中野駅と練馬駅を結ぶバスでもお越しになれます。詳しくは下記リンク先をご覧ください。

住所:東京都練馬区豊玉南1-4-2 カフェ潮の路
https://tsukuroi.tokyo/ibasho/
よろしくお願いいたします。

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★3.
酷暑から命を守るために
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今年の夏は厳しい暑さが続いており、各地で熱中症によって命を落とす人が増えています。
生活保護を利用されている方の中には、エアコンのない部屋で暮らしている人もいますが、エアコン設置費用の支給にはさまざまな要件が課されているため、支給の対象とならない人もいます。

この問題についてスタッフの小林が記事を書きましたので、ぜひご一読ください。

【7月30日】40℃に迫る猛暑下でエアコンのない生活をする人たちがいる不公正(小林美穂子)
https://maga9.jp/240731-2/

つくろい東京ファンドでは、路上生活者支援の夜回りや「ほしぞら医療班」の相談会でも熱中症への注意を呼びかけているところです。
今後は専門家や他団体と連携して、熱中症対策をさらに強化していきたいと考えています。

最後に毎度毎度のお願いで恐縮ですが、私たちの生活困窮者支援活動へのご支援、ご注目をお願い申し上げます。

特に現在、お米など食料品が不足しておりますので、ご協力いただけると幸いです。詳細は下記リンク先をご覧ください。

【物品寄付のお願い】国籍を問わない困窮者支援活動にご協力ください。
https://tsukuroi.tokyo/2023/12/20/1890/
資金のご寄付は、下記のページをご覧ください。
ご寄付は、クレジットカード、口座からの自動振替、口座への振り込み等で可能です。
継続的なご寄付によって活動を支えていただく「マンスリーサポーター」も募集しておりますので、ぜひご検討ください。

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コロナ禍で「今夜、行き場のない人」をだれひとり路頭に迷わせないために(つくろい東京ファンド) – Yahoo!ネット募金
https://donation.yahoo.co.jp/detail/5320001/

「セーフティネットのほころびを修繕する」私たちの取り組みにご参加いただけるとありがたいです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

【発行元】
一般社団法人つくろい東京ファンド(代表理事:稲葉剛)
〒165-0025 東京都中野区沼袋1-9-5
団体サイト:https://tsukuroi.tokyo/
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