「イランの核開発計画阻止のためイスラエルが先制攻撃を仕掛けるとの憶測が強まっています。
2月5日のCNNによれば、
「米連邦議会筋は5日までに、イスラエルの対外情報機関モサドの長官が訪米して情報機関当局者や一部議員と会談、攻撃に踏み切った場合の米側の対応の分析に努めた」ことを明らかにした。
http://www.cnn.co.jp/world/30005506.html
同じCNNの2月6日の報道では
「イランの核開発計画を阻止するためイスラエルが先制攻撃を仕掛けるとの見方が強まっている問題で、オバマ米大統領は5日、イスラエルはまだ決断に至っていないとの見方を示したと伝えている。
http://www.cnn.co.jp/usa/30005510.html
「イスラエルでは、バラク国防相をはじめとする当局者が、イランが核施設を拡散し、コンクリートの頑丈な装甲下への地下化を進めて手が出せない状態に至る前に攻撃する必要性について話し合っている」と外電は伝えている。
パネッタ米国防長官も、「早ければこの春の攻撃もあり得る」と発言した。
また、米民間調査機関ストラトフォーのジョージ・フリードマン氏の分析では、
イスラエルが直ちにイランの核施設を攻撃する確率は低い(「4分の1」の確率)と見ている。
同氏はその根拠として以下の3点を指摘している。
1つには、成功させるには米国の支援が必要になること。
2つには、その支援がありそうにないことだ。選挙の年にあってはなおさらである。
3つには、攻撃するとなれば、イスラエル空軍が1000マイル(約1600キロ)離れた場所から急襲し、同国潜水艦が同時にミサイル攻撃をかけることになるが、船から発射するミサイルには、今回の任務の多くに必要なバンカーバスター(地中施設を破壊する大型貫通爆弾)を搭載できないこと。
http://jp.wsj.com/World/Europe/node_391914
他方、IRAN JAPANES RADIO の2月12日の報道では
パキスタンのギラニー首相が、「アメリカとシオニスト政権イスラエルが、イランを攻撃した場合、パキスタンはイランと共にいる」「パキスタン政府は、地域の平和や安定を求めており、イランの核問題は、外交的な協議によってのみ解決可能であると考えている」と記者会見で語った。
また、ドイツのデメジエール国防大臣も、ドイツの新聞、フランクフルター・アルゲマイネとのインタビューにおいて、イスラエルに対し、「こうした攻撃は、成功を伴わず、それによる被害は予想できないものである」と述べ、イランへのあらゆる軍事攻撃の結果についてイスラエルへ警告を発している。
更に、ドイツ緑党の議員会派代表であるユルゲン・トリッティン氏も、「望ましくない結果をもたらす」としてイスラエルに対しイラン攻撃を避けるよう勧告した。
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=25427:2012-02-12-11-20-35&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116
イスラエルも含むアメリカとその西側同盟諸国は、イランが北朝鮮と同様、核兵器獲得の準備を加速させているとして非難してきているが、イランはIAEA(国際原子力機関)にも加盟してきているし、その査察も受け入れてきている。
他方、当のイスラエルは、IAEAの査察受け入れどころか、IAEAへの加盟すら拒否し続けてきている。しかもイスラエルの外交軍事方針として「イスラエルが核兵器保有していることは肯定も否定もしない」という立場を、一貫して貫いてきている。
イスラエルが核武装していることは、既に国際的にも、今や「公然の秘密」「常識」ですらある。モルデカイ・バヌヌ氏事件と同氏に対する、イスラエル政府や国民の、非人道的な処遇、ひとつからも、それは100%証明出来る。
こうしたイスラエルも含め、安保理5大国と、インド、パキスタンが核兵器の保有と開発を公然と行いながら、その他の国の核開発や所有を認めず、平和的な核エネルギーを獲得する権利も認めないのは、現在の国際体制事態が、全くの欺瞞であることは今更改めて指摘するまでもない。
こう言うと、「そんなことを言うお前(諸留)は、イランや北朝鮮が、平和的な核エネルギー獲得を口実として、核兵器開発・保有の<隠れ蓑>としていることすら見抜けない愚か者だ」と非難する方に、私(諸留)は、問い質したい。
「核エネルギーの平和利用が、核兵器開発・保有の<隠れ蓑>として口実として利用され得るというのであれば、それはとりもなおさず、<核エネルギーの平和利用と、その軍事利用は区別できない>ということを、あなた自身も認めていることに他ならない。そんなことを言うあなたは、他方では、「我が国(日本)の核の平和利用(原子力発電)と、核の軍事利用(核兵器開発)は区別すべきで、両者を一体させて捉えるのは国民の支持を得られない・・」と、平気で言うのですか!自国の日本には。核の軍事利用開発と、その平和利用(=原子力発電)を切り離しながら、他国(それもイランや北朝鮮)の場合は、「両者は切り離せない」と言うあなたの議論は、矛盾していませんか?他国を非難する前に、まず我が国の実質的核武装化を進めている日本政府を、真っ先に非難し、抗議してきますか?」
と、私(諸留)は、逆に質問したい。
福井県敦賀の高速増殖炉「もんじゅ」のブランケット部には、98%以上もの超高濃度プルトニウム(Pu)が、少なく見積もっても、30キログラム以上(おそらく50~70キログラム)も蓄えられている!現在の核兵器技術では、98%以上の超高濃度プルトニウム(Pu)が7~9キログラムもあれば、小型の核爆弾1発が製造可能である。
しかも、日本は、核爆弾の運搬手段として不可欠の長距離弾道ロケットの技術でも世界的水準にあることは、数十トンもの人工衛星を南北両極周回軌道で打ち上げを実行してきている。人工衛星打ち上げの初期段階の赤道周回飛行軌道では不可能の、地球全表面を射程距離にする為には、南北両極周回軌道は不可欠の技術なのですね。
核弾頭の先端部が大気圏再突入時の超高温に耐える技術としても耐熱セラミック技術の面でも、日本は世界的技術を持つ。核弾頭を投下目標地点(ゼロ・グラウンド)に正確に誘導する為には高度なコンピューターによる精密誘導装置も不可欠であるが、この分野でも日本のハイテク技術はイラクや北朝鮮を凌いでいる。
佐藤栄作前総理を始め、我が国の歴代外務官僚や政権首脳は「いつでも核兵器保有が出来る為に、核の潜在能力を手放さずいつでも即応できる為にも原子力発電は必須不可欠である」と、公然と言明してきているではない!
日本戦略研究センター『世界に生きる安全保障』の中でも、「日本は当分は米国の核の傘の中で有事には対応するものの、ゆくゆくは自力で対応していく・・・」と述べている。日本が将来核武装することもあり得るとの見解が有事立法の整備確立と並んで報告されている。
ある外務省幹部も「日本の外交上の裏付けとして核武装選択の可能性を捨ててしまわないほうがいい。そのためにもプルトニウムの蓄積とミサイルに転用できるロケット技術の開発はしておかなければならない」と語っている。また外務省の公式見解としても「日本は戦略核は持てないが戦術核は保有できる」と言明している。(1982年参議院予算委員会議事録)
アメリカの核の傘に保護を求め、核兵器三原則を有名無実化、空洞化させ、沖縄県民に在日駐留米軍の犠牲を押しつけ、沖縄を始め日本列島各地への、米軍の核兵器持ち込みを黙認し、「頬かむり」し続けている日本国民が、ヒロシマ・ナガサキ、フクシマの悲劇を世界に訴えても、イランや北朝鮮に対しては、その危険性を指摘し、非難する日本国民は、全世界の民衆の心からの支持、支援が得られるだろうか?
イランの場合、アメリカを中心とする核保有超大国の「腰巾着」であるIAEA(国際原子力機関)ですら、「現在まで、すくなくとも27の公式報告の中で、イランの核活動が、軍事目的に逸脱していることを示す証拠はない」と言明している。
イスラエル領土内のウラン供給源はネゲブ砂漠にあるリン鉱脈であるが、その供給量は当時急速に拡大中の核計画からの需要を満たすにはまったく不十分であった。この状態に対する短期的な解決策は、フランスおよびイギリス国内で輸送中のウランをコマンド部隊に襲撃させてハイジャックすることであった。
1968年の「プルンバット事件」では、200トンのイェローケーキ(酸化ウラン)を西ドイツと共謀して横流しすることであった。ディモナ施設用のウランを秘密裡に調達するこうした作戦は、その後すべての関係国によってその事実は覆い隠された。
また、次のような疑いも持たれている。ニュークリア・マテリアルズ・アンド・イクイップメント(NUMEC)というアメリカ企業が、1950年代半ばから60年代半ばにかけて何百ポンドもの濃縮ウランをイスラエルに横流したというのである。FBIとCIAによる合同の調査が行われたり議会公聴会が開かれたにもかかわらず、誰一人として訴追されたものはいなかった。それでも、捜査にかかわった者の大半が、疑われたような横流しは実際にあったと信じていた。
1960年代末、イスラエルはウラン調達問題を南アフリカと緊密な関係を結ぶことで解決する。両国の間で結ばれた相互報償関係は、イスラエルが「アパルトヘイト爆弾」のための技術と専門知識を提供し、その代わりに南アフリカはウランを提供する、というものであった。
1977年、(旧)ソビエトは、南アフリカがカラハリ砂漠で核実験を計画していることが衛星写真から判明したとして、アメリカに対して警告を発した。カーター政権からの圧力によって南アのアパルトヘイト(人種差別)政権は実験を中止した。
1979年9月22日、アメリカの衛星の一つが南ア沖のインド洋で小型の熱核爆弾の空中実験が行われたことを検知した。しかし、その報告は、実験にイスラエルが関与していたため、用心深く選ばれた科学者のパネルが短時間のうちに出した見解表明によって体裁がつくろわれ、重要な詳細はすべて闇の中に押し込められてしまった。その後、実際には、3発の小型化されたイスラエル製の3発の小型化核装備砲弾の実験が行われたことが、イスラエルの情報源から判明した。
イスラエルと南アフリカの協力関係は、この実験によって終了したわけではなく、アパルトヘイト政権が打倒されるまで、特に中距離ミサイルと最新の大砲の開発および実験に関して継続された。南アは、ウランと実験施設の提供の他にも、多額の投資資金をイスラエルに提供した。一方、イスラエルは、南アの貿易の窓口として協力するとことで、アパルトヘイト体制に課された国際的な経済制裁措置の実効性を殺ぐ役割を果たしていた。
あるオブザーバーによれば、イスラエルの核計画が「可能となったのは、イスラエルによる計算された偽装と、アメリカによる積極的な共謀があったればこそである」という。1950年代半ばの小型原子炉の供給に始まり、アメリカはイスラエルの核計画に重要かつ決定的な枠割りを果たした。
イスラエルの科学者たちは主にアメリカの大学で訓練を受け、アメリカの核兵器研究室にも広く受け入れられていた。1960年代初頭には、ディモナ原子炉用の制御装置がトレーサー・ラボという米軍用原子炉の制御盤の主要納入業者から極秘のうちに入手された。トレーサー・ラボはこれらの制御装置をベルギーの子会社を通じて購入しているが、これに対しては当然アメリカ諜報界の黙認があったと思われる。
1981年のイラク・オシラク原子炉空爆では、それに先立つ1971年に、ニクソン政権は何百もの「クライトン」をイスラエルに販売することを承認した。クライトンというのは、高性能核爆弾の開発に必要となる一種の高速スイッチである。
更に1979年にも、カーター大統領はKH-11スパイ衛星で撮影した超高解像度の写真をテル・アビブに渡した。このときの写真が2年後にイラクのオシラク原子炉の爆撃に使われることになった。
アメリカの先端ハイテク技術のイスラエルへの移転は、ニクソンとカータ-両政権時代を通して行われ続け、レーガン政権下ではさらにその傾向が強まり、それは今日まで継続している。
イスラエルの核武装にはフランスだけでなく、アメリカが最大限に手を貸してきていることには、数多くの例証がある。
「戦争中であっても」原子炉やダムなど「攻撃で破壊されることで危険な被害を発生させる対象物は攻撃対象としてはならない」とする規定が国際法にも明記されている。
問題のイスラエルは、国際法無視など、平気、ヘイチャラ!である。過去に2回も、他国の原子炉施設を公然と攻撃し、破壊作戦を実行してきた国である。1981年のイラク・オシラク原子炉空爆、2007年のシリアの原子炉空爆である。イスラエルがイラクの核施設攻撃する危険を騒ぐのは、誇大妄想狂の輩の言ってることだ・・と、言い切る人のほうが暴論であろう・・
今後も、イスラエルの動向にも、一層の警戒・監視を強めていきましょう!