◎基調講演: 橘木俊詔 氏(京都女子大学客員教授、京都大学名誉教授)
「『21世紀の資本』と世界的な資産税の可能性~日本の貧困・格差問題を踏まえて~」(仮題)
◎パネルディスカッション:「グローバル・タックス、グローバル累進的資産税の可能性を探る」
・モデレーター: 三木義一(青山学院大学教授)
・パネリスト: 水野和夫(日本大学教授)
志賀 櫻(弁護士)
上村雄彦(横浜市立大学教授)
小西雅子(WWF気候変動・エネルギー・プロジェクト・リーダー)
・日時11月7日(土)13:00~16:30(12:30開場)
・会場:青山学院大学9号館931教室
・定員:150名
・資料代:500円(学生は無料)
・申込み:お名前とご所属をお書きのうえ、EメールまたはFAXでお申し込みください。
Eメール:info@isl-forum.jp / Fax:03- 3834-2406
・共 催:グローバル連帯税フォーラム / 民間税制調査会
フランスの経済学者トマ・ピケティ教授の著書『21世紀の資本』が世界的にベストセラーとなる中、今年初めに本人が来日し大きな話題となりました。同書ではグローバルな規模での富(所得)の格差を歴史的に証明するとともに、格差是正に向けての処方箋を提起しています。
教授は、第2次世界大戦での富の破壊や富裕層への課税強化により格差が縮小し、その傾向が1970年代まで続いたが、21世紀資本主義は再び格差を大きく拡大しつつある、と述べています(これは私たちにとって日々肌で確認するところです)。従って、このままでは民主主義体制を危うくし、ひいては資本主義そのものが立ち行かなくなるという危険性を警告するとともに、教授は税制を通しての資本主義規制を提案しています。
つまり、「民主主義が21世紀のグローバル化金融資本主義に対するコントロールを取り戻すためには、…資本(注:資産)に対する世界的な累進課税」が必要である、と。
ところで、日本の格差問題は、米国型の富裕層への所得と資産の集中、つまり「1%対99%」型というよりは、「貧困者や資産ゼロの人々の存在」に負っているというのが橘木教授の所論です。「OECD諸国の中では日本は15%を超す貧困率であり、主要先進国の中ではアメリカに次ぐ第二位の貧困率の高さ」になっています。
本シンポジウムでは、日本での貧困・格差問題を踏まえつつ、気候変動等への対策のためのグローバル・タックスについて理解を深め、同時にピケティ教授が提起した「グローバル累進資産課税」の可能性を展望していきます。