セルジュ・ラトゥーシュさんに聞く―「収縮する社会」に暮らし生きるとは―

 菅直人新総理は就任演説で「強い」という言葉を何度も使い、日本が「成長」および「発展」を目指すことを宣言しました。しかし、貧困がふつうになってしまった私たちにとって、そのことばは空疎なひびきを持っているようにも思えます。成長を目指すことが発展につながり、人々に幸福をもたらすという考え方は、神話どころか、全くの嘘なんだ、ということに気づいている人は少なくないでしょう。

 このたび来日されるフランスの思想家、セルジュ・ラトゥーシュさんは、「脱成長」または「収縮社会」ということばを使って、人びとがどのような社会をめざし構想できるのかについて提案しています。

 今、私たちは、メキシコ湾のペリカンがどうなっているかを知っています。全身がべっとりと原油にまみれ、それでも黒々とした海面にくちばしを突き刺しては上げて、ばたばたとしながら必死に生きようとしています。そんな憐れなペリカンを私たちは何にたとえることができるのでしょう。

 ラトゥーシュさんに聞いてみましょう。あなたの考える「脱成長」とは、「幸福」とは何ですか。

 Serge Latouche:

 1940年1月12日ヴァンヌ生まれ。経済学者、哲学者。パリ第11大学ジャン・モネ学部(法学、経済学および経営学部)名誉教授。「良心的経済成長拒否者」であり、雑誌『Entropia』(脱成長に関する理論的・政治的研究誌)友の会会長。

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 このたび、ATTACジャパンは、日仏会館のご好意により、来日されるラトゥーシュさんとの討論会を開催します。ラトゥーシュさんは、日仏会館をはじめ、明治学院大学、国際基督教大学(ICU)、立命館大学、龍谷大学などで講演を行い、さらに、ATTACジャパンが主催する小規模な討論会で発言してくださいます。研究者との討論はもちろんですが、日本に住むさまざまな人たちとの討論も期待されています。ぜひ、皆さん、ご参加ください。

http://www.mfj.gr.jp/agenda/2010/07/05/index_ja.php#anchor_1045

   日時: 7月9日(金)、18:30~20:30

  場所: 神保町区民館(千代田区神保町2-40、Tel:03-3263-0741)

            http://www.city.chiyoda.tokyo.jp/service/00065/d0006585.html

   参加費:500円

  主催: ATTAC Japan(首都圏)

           東京都千代田区神田淡路町1-21-7、tel:03-3255-5910

            e-mail: attac-jp@jca.apc.org

* 参加を希望される方は、eメールなどで事前にご連絡いただけると助かります。

* ラトゥーシュさんの論文の日本語訳は以下をご参照ください。

  http://www.diplo.jp/articles04/0411-4.html#1

  http://www.diplo.jp/articles09/0908-4.html

*ATTAC Japan アタックジャパン

投機的金融の暴走を止めるため、日本に通貨取引税の導入を求めるNGOです。

http://www.jca.apc.org/attac-jp/