1968年世代のドイツ人哲学者がドイツにおける外国人氾濫によるドイツらしさの希薄化の危険性を訴えていた。
ここでは、ドイツへ移り住みたい人々が多い国々の一つ、セルビアにおけるドイツ大使ヴォルフラム・マスがこのテーマについてポリティカ紙(ベオグラード、10月23日)に語ったことを紹介しよう。
今年の1月から9月までに1948人のセルビア国籍者がドイツにおいてアジール(asylum、避難、亡命者保護)を申請した。8月に255人、9月には跳ね上がって800人になった。
ドイツ基本法によれば、政治的被迫害者だけがアジール申請をすることができる。今年の9月にドイツは4611人の申請者の中から671人(14.5%)のみに許可を与えた。ドイツ大使は、彼らの中にセルビア人がいたかどうかを知らない。政治的、宗教的、そして人種的迫害を理由に申請した者たちの多くは、本当は経済的理由であり、生活条件改善のためである。
ドイツにアジールを求める者たちは、もはや金銭的に引き合わない行動であることを知っていた方が良い。ドイツはもはや帰国旅費を負担しない。彼らに甘い約束をして、自国からドイツへの出国を援助する人たちだけが利益をあげているのだ。申請を拒否されたなら、そして自発的にドイツから出国しないならば、強制的に追放される。ただし、ドイツに短期間でも滞在して、申請している者は、その間、宿舎、食事、衣料を保証される。
現在のセルビアに、かくも多くの人々が政治的アジールを申請するような政治的迫害があるとは、とても考えられない。
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