季節という循環がどこかで狂ってきているのだろうか。10月でも「暑い日だね」という挨拶を交わしていたと思ったらもう冬だ。母さん僕の好きな秋は何処へ行ったのでしようか、というセリフすら聞こえてくる気がする。「もう秋か!それにしても…」というランボーの言葉がむかしから好きで、自然に口ずさんできたのに、これもどこか変だ。テントも冬に向かってのリニュアルが出来ずに寒い。テントの隙間からの風が冷たくて目を覚ました。蚊帳の中で、まくり明けられたテントに入る風に心地いい気分だったのにと思う。
「冬のテントには鍋がよく似合う」ということで、僕らの泊り番の日はこれから全国のおいしい鍋を作り頂こうと思う。北海道と言えば石狩鍋であるが、ある時期にこの鍋に凝ったこともある。全国のみなさん、自慢の鍋でも紹介してもらいたい。僕らは鍋をつつきながら、各地域のこと、とりわけ、地域の美しい自然の破壊に魔の手のようにのびる原発再稼動について思いをいたしたい。僕らが地域社会と原発のことを鍋でもつつきながら思いをいたすこと、日本社会のことを考えることは無意味ではないと思う。テントの周辺にきた人は顔でも出してもらいたい。一献を傾けを美味しい鍋で少し身体を温めつつ歓談でもしようではないか。
このところ、小泉元首相の発言が目立つ。彼の過去のことや他の発言にはとやかくいわないで、この脱原発の発言を歓迎すればいい。彼がすぐに政治的連携といわずに一人ひとりが動けばいいというのも好感のもてることだ。これは脱原発―反原発の運動が旧来の政治党派の枠組みを超えた課題としてあることを暗示しているのだ。政府や官僚、あるいは電気業界は来年3月ころを目途にして原発再稼動→原発保存の戦略(シナリオ)を歩につけようとしている。政府や官僚たちはキチンとした主張もせずに、裏でというか、闇でことを進めている。反対の団体やグループへのメール攻撃など嫌がらせの復活している。僕らは一見すると無力に見えるかもしれない抵抗方法で運動を展開する。時に利ありということはあるもので意外なところからの援軍というか、運動は出てくる。こういう運動の醍醐味ということもあるわけで、「狂句こがらしの身は…」という人の援軍も出てきたのだと思う。
テントには様々の人が訪れる。また、このところ外国の人が訪問や取材に来る人が多くなった気がする。それと同じようにテントには全国からの贈り物や連絡もある。岐阜の大垣は檜枡の産地であるが、その地で「脱原発オリジナルグッズ 大垣特産 木曽檜枡 原発、困りマス~」がつくられている。一個300円(+カンパ)。これは「さよなら原発…岐阜」が作ったものである。敦賀半島の原子力施設が事故を起こせば、大垣は放射能汚染にさらされることが分かった。それで故郷を守る願いを込めて作ったグッズであるが。その売上から収益が出たということでテントにカンパを頂いた。「原発ゼロノミクス 原発、困りマス―」と印字された檜枡で頂けば冷酒もおいしいと思う。申し込みはメールでk-yuriko@octh.jp 近藤さんへ。
もう一つは反原発をテーマにした記事を連載している「ローリングストーン」誌の申し込み。これまで福島菊次郎や田中康夫などのインタビユーを載せてきたが、今回は「もんじゅくん」のインタビユーでその撮影をテント前で行いたいというものだ。「人生いろいろ」と歌っていた島倉千代子さんもなくなったが、脱原発の運動も人目に触れにくいところで色々展開されている。その裾野の広さが脱原発の運動を力強いものにしている。ひとつ一つの運動はいつの場合も孤立しているようにみえる。その内部にいる諸個人の心性はそんなものだ。けれども、孤立の向こうに通じ合っている人がいるわけで連帯もしている。「孤立の中に連帯あり」、むかし、どこかで聞いたセリフだが、寒い風に吹きさらされるテントが支えられているのも同じある。
テントひろば応援団などで尽力をいただいている「鎌田慧さんを励ます会」が開かれた。テントひろばの関係者も多く参加していたが愉しいひと時だった。鎌田さんは長く脱原発の運動を支えられ、「さよなら原発1000万人アクション」の中心になっている。多くの人の話から鎌田さんの人柄が自然と伝わってくるとてもいい会だった。(M/O)
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年末に向かうスケジュールから
■ 第一のステージの山場を迎える裁判。是非参加を。11月29日(金)
「脱原発テント裁判第4回口頭弁論」 14時から
日時:11月29日 午後2時から 午後1時東京地裁前抗議集会 午後2時開廷 地裁103号法廷 午後4時から裁判報告集会
■ 11月23日(土)11・23全国スラップ訴訟止めよう!シンポジュウム
場所:早稲田大学早稲田キャンパス15号館201教室 入場無料
時間:午後1時(12時30分開場)
主催:経産省前テントひろば/上関原発阻止被告団/高江ヘリパットいらない住民の会