経産省前テントひろば1205日商業用原発停止468日
本当にいつの間にか年の暮れになってしまった。忘年会もほぼ終わりになってごく親しい人と杯を傾けるというのが残っているだけだ。正月明けまで海外だ、いや田舎だという人も少なくはないのだろう。いつものように地下鉄をあがってきてテントの前にでるのだが、この光景も随分と体になじんできたのだと思う。もしかしたらテントは無くなっているのではという思いというか、緊張が一瞬こころをよぎってのだが、幾分かは変わってきたのであろうか。思えば、長い時間の中でテントの存在は日常化し、こころむきも微妙に変わってきたのである。この官庁の住人たちにテントはどんな風に映り、また、変わってきたのか。あるいはこの周辺の住民たちにとってはどうなのであろうか。毎年、今年が最後かもしれないという思いでテントでの年越しをしてきたのであるが、さて、来年はどうなるのか(?)それこそ来年のことをいうと鬼が笑うということが真実で、鬼になって闘うほかない場面がやってくるのか。
選挙も終わって政治的には奇妙な静けさの中にあるように思えるのだが、このところ目立ってきているのは官僚というか、権力側の再稼働のための動きである。僕らは福島第一原発事故直後から官僚筋は原発再稼働→原発保持の構想を持っていることを察知していた。当時の民主党政権が動揺している中でもかなりはっきりした構想を持っていたように思える。これは電力業界についてもいえることだ。これに対して当時の民主党政権から自民党政権まで政党や政府側は明瞭な態度を持ちきれないできたといえる。国民の意識や動きを見極めていたということもあるが、政治家たちに原発存続についての判断(認識や構想)が持てていなかったことによる。民主党の野田首相は大飯原発の再稼働に踏み切ったがこれは腰の定まらない動きだった。僕らはこの動きの中に様々のことをみてきたのであるが、あらためて確認してきたのは官僚専制的な政治、あるいは権力の構造である。経産省は戦後の日本では旧大蔵省と並んで強い官僚だったのであるが、安倍政権はそれを防衛や警察などの統治系の官僚の強化に広げている。テントを経産省前に立てての闘いは原発マフィアも含めて原発推進官僚との闘いだったのだが、テント裁判は彼らの姿と実態を明瞭にしている。
原発再稼働に向けてその戦略展開をしているのは官僚である。彼らと独占体(エネルギ―事業独占体)を組む電力業界を含めてのことだが、現在、稼働停止している原発の稼働、原発以外のエネルギ―産業の拡大の阻止、メディア対策などの裏工作である。彼らはこれを国民の意志(意向)とは触れない形で秘密裏に進めているのであり、そのやり方は伝統的な「お上」政治である。批判するものを暴力(力)で封じこめるということはやっていないが、国民の意志を無視し、別のところで国家意志としてことを進めるやり方は専制政治と同じである。裁判で彼らは原発問題には何も答えない。僕らの要求することに何ら答えない。答えないだけではない。彼らはそれを無視し、別のところで再稼働→原発保持の政策を進めている。福島第一原発事故について責任のある行動をとらない、しかし、原発推進は進める。こうした欺瞞というか、やり方は伝統的な専制政治であり、権力の在り方なのだ。形のうえでは彼らは国民の公僕であり、それを媒介しているのは法(憲法)である。それにそってことを進める存在である。彼らは僕らの法的要求に対して、「土地の管理権」でもってそれに対応するだけで排除する。
法的な内容に答えるのではなく、関係のない法規で答える(排除する)。この判断、つまり法的解釈はこれまた上級者(権力者)と結びついている。法は専制権力時代のありようと変わってはいない。装いが近代的であってもその解釈(判断)というところでは権力者の存在と結びついているということが露呈される。
何故に、経産省や国側は裁判において原発政策について答えないのか。論戦を避けるのか。「土地の管理権」というこの問題と無縁の法規で対応するのか。僕らはここに日本の政治権力の実態を、あるいは「法治国家」の実際を見ている。この形式的な民主国家における実態的な専制という戦後日本の政治をみており、それを掘り崩すことの困難性を痛感している。それに立ち向かうことの難しさを寒風に晒されて、心身が寒くなる思いでかみしめている。多分、僕らが抱く希望に根拠があるとすれば、この日本的な政治権力はある意味で見かけより強いが、また弱いということなのだ。経産省前の一角にあるテントが堂々としており、彼らに対峙しえているのは彼らが進める政治的構想の確信力が弱いということであり。国民の意向に立てていないということだ。沖縄の問題はそれを象徴しているが、原発問題も同じなのだ。沖縄で外務官僚や防衛官僚の進めてきた基地政策が持っている問題と経産省や文科省が原発推進で進めてきた問題は同じ質なのである。
今年は九州の久見崎海岸にもう一つのテントもできた。来年の楽しみが一つ増えたことだが、年末年始をテントの周辺で過ごすのを野暮とは思ないで顔でも出して欲しい。歳の瀬に挨拶できる喜びをテントで交わしたい。(三上治)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1、年末年始企画(総責任:乱鬼龍)
12・28(日) テントを守れ川柳句会(14時―) 席題2題 乱鬼龍選
12.30(火) 脱原発ナイトシアター(CD選:藤原&乱鬼龍)忘年会(一品持ち寄り) テント内・19時より
12・31(水) 21時―『世界から原発をなくそう!反原発紅白歌合戦、エピソードⅣ“民主主義の逆襲”』(経産省前、関電前、川内原発前テントを繋いで)
◆カウントダウン
01・01(木) こら!(筑紫)哲也!何ばしちょっとか?!『異論!反論!Objection!(0時30分―)
01・02(金) 経産省包囲走!テント新春マラソン(10時30― 12時30まで)終了後に表彰。甘酒も用意します。参加者・スタッフ募集中(連絡先:090‐7217‐4812)
01・02(金) 新春テント講談会 出演:香織倶楽部 (13時―16時) 後に番組
01・03(土) 第72回「after311―霞が関の中心から愛を叫ぶ!!!」(14時― )トーキング・ワールド・ウォーⅢブルース お正月スペシャル11 特別出演 野瀬正彦さん(チェリスト・元プファルツ州立歌劇場主席チェリストとして活躍)。
01・04(日) 新春川柳句会 席題2題 乱鬼龍選(14時― )
01・05)月)
新春もちつき・官庁ご挨拶廻り(10時―12時)
再稼働許さん!経産省前集会(12時―12時半)
だまし討ち結審許さん!地裁前集会(12時40分―13時10分
テント新春記者会見(13時半―14時半)
2、2月屋内大集会(責任:高瀬)
(趣旨)福島・再稼働を闘う人々の総結集! 再稼働阻止!テント裁判結審許すな!大集会 参加目標 500名
集会名称(仮) テント撤去・再稼働を許さない大集会
日時・場所 2月7日(土)18時開場 18時半開会 日本教育会館
内容 テントに心を寄せる各界・各層・分野からの発言を頂き、撤去を許さない大正論を形成し闘う意志統一行う。テント闘争を支える専門家(小児科医、高松医師の講演<福島小児線ガンは異常多発>ミニ講演
主催 経産省前テントひろば及びテント応援団共催
◆ 緊急カンパのお願い
郵便振替口座 00160-3-267170
他銀行からの振込み 郵貯銀行 00八普通5289163
口座名は共に 経産省前テントひろば