この日は、14時からフクロウの会(福島老朽原発を考える会)とFoEJapanが放送しているUST中継FFTVの特番「原発防災指針&新安全基準みんなのパブコメかきかき@全国津々浦々7時間スペシャル」があったので、それまでは自宅でツイッターを使って番組の告知をしながら、パブコメ(パブリックコメント)を書くことにした。この放送は、原子力規制委員会が検討してきて、現在原子力規制庁がパブコメを募集している「原子力災害対策指針(以下、防災指針)」と「発電用軽水型原子炉等に係る新安全基準(以下、新安全基準)」の骨子案に関して、多くの人に問題点を知らせ、パブコメを書いてもらう事を目的に放送するもので、14時~21時まで7時間の生放送を予定していた。
原子力規制委員会は、国会事故調・政府事故調・民間事故調による福一の事故の検証報告を受け、昨年9月に原子力の「利用」と「規制」を目的に設立されたが、電力会社から研究費名目で寄付を受け取っていた所謂利益相反関係にある人が委員の中の過半数を占めており、原子力規制委員会設置法第7条三項三号で禁じられている原子力事業者出身者が委員に含まれており、原発の再稼働に関する重要な決定を行う機関にも関わらず、とても目的に合った組織と言う事が出来ない状況である。今回パブコメにかけられている「防災指針」は、原発の地元・周辺自治体が、万が一原発で事故が起きた時に住民の安全を守るための防災計画をつくる際のガイドラインを示すもの、「新安全基準」は、原発で事故が起きないように安全を保つための対策をする際の基準となるもので、原発の再稼働を左右し、我々の命に関わる非常に重要な内容である。テントのスタッフをしながら、原子力規制委員会の傍聴、原子力規制庁との政府交渉、毎週金曜日に原子力規制庁前で行っている「原子力規制を監視する市民の会」に参加し、防災指針・新安全基準に関する審議を見てきたが、とても十分な審議が行われたとは言えず、パブコメに関しても行政手続き法上では、原則30日以上の募集期間を設定する事とされているにも関わらず、防災指針は2週間、新安全基準は、3週間の期間しか設定されていない。とても国民から広く意見を聞こうという態度とは思えない。このまま行くと、7月以降、再稼働を前提とした新安全基準を元に原発が再稼働され、福島と同じような地震と津波が来れば、また同じような事故が起き、福島の実態を反映していない防災指針を元に作られた防災計画によって、多くの人が無用の被曝を強いられる可能性がある。時間がありませんが、まだパブコメを提出していない方は、是非、パブコメを書いて提出して下さい。パブコメ詳細・事例 は、こちらから
http://hinan-kenri.cocolog-nifty.com/blog/2013/02/212228-1567.html
パブコメを書き終わって、20時過ぎに飯田橋で行われていたUST中継に参加し、21時にテントに着くと、第二テントの中では、この日行われていた「しねまdeテント番外編~しねまde福島」「福島のみなさん~収束の日まで」の参加者の方達が談笑されていた。二本松に住んでいらした参加者のIさんは、最も被害にあったにも関わらず、放射能の事に鈍感になって来ている福島の状況を嘆かれていた。原発事故も福島もまだ終わっていない。事実を事実としてきちんと認識し、それに基づいてどうすべきかを議論し、決めていく。これが民主主義の基本だと思う。福島事故を矮小化し、原発を再稼働しようとしている原子力ムラは強大だが、諦めず声を上げ続けていきたいと思う。原発を再稼働させないために!皆でパブコメを出しましょう! (Toku-san)