経産省前テントひろば1669日
花も嵐も季節のつきものだけれど…
日曜日には昨年の暮れに亡くなられた廣澤さんを「偲ぶ会」が開かれた。そしてそのあとにはテントの花見があった。「偲ぶ会」と花見の組み合わせに不思議な感じがしたのだが、偲ぶ会は感慨深いものがあった。僕は廣澤さんとは学生時代(例の全共闘の時代―1968年頃)からの知り合いで思えば随分と長い付き合いだった。付き合いといっても運動の関係をとうしてのことだった。運動のなかではその言動の凄さで注目される人、理論的な展開で影響力を持つ人など様々のタイプがあるが、彼はそれらには属さずに黙って人のことを見守り、受け入れて行く数少ないタイプに属していた。人に思いやりを持つこと、人の感情(気持ち)を理解しようとすること、という人間の最も大切なことを体現しているような人だった。運動や運動上の組織ではこういう人間は稀なのだが、廣澤さんはそんな一人だった。多くを語らずとも信頼できる人だった。これが彼の生来の資質だったのか、何かを通して得たことなのかは分からなかったが、誰しもが認めるところのものだった。僕には彼との間で多くの人には話したことのないエピソード(1969年のはじめの全共闘運動の頃―東大安田講堂の攻防戦のころこと)もあるが、いつか公にすることもあろうか。いずれにしても、懐かしい秘めたる思い出である。僕は彼のことを何かにつけて思い出すのだろうが、それにしても惜しい人を亡くしたものだ。
廣澤さんを偲ぶ会のあと、日比谷公園で恒例の花見だった。日曜の夜ということで人出は少なかったが花見は楽しかった。第二テントのHさんのこころ尽くしの料理が美味しかった。帰ってから家で食事をと思っていたのだが、予定を変更していただいた。花は咲けども、何かもう一つ花見気分になれない天候が続くが、これには明るい話題の少ない社会や政治の動きも背景にある。いつの間にか、日本の核武装が本格化しそうな雰囲気になってきた。アメリカ大統領選における候補指名でのトランプの発言もあるが、大きくは戦争の見方の変化がある。そういう雰囲気を醸し出しているのは安倍政権ではあるが、顧みれば戦後の早い段階で安保改定を推進した岸信介(安倍の祖父)がそれを公言していたことを思い出す。岸は核武装が憲法違反ではないと公言していた。これは日本人の非戦―反戦意識の解除を狙ったものであった。核武装反対は戦後の非戦―反戦意識の象徴でもあったからだ。戦争法案などの国民に疑惑を招く法案などのことはなるべく後景において、幾分でもアベノミクスの幻影が残っている間に選挙(衆参同時選挙)というのが彼らの狙いだろうが、それもいくらかはボロが出てきている。彼らの内心の焦りは相当のものだと推察するが、それにしても彼らのやることははっきりしている。
結局のところ高度成長経済が行き詰った後のアメリカ経済社会(金融経済と軍事経済―産軍複合経済)の模倣を強めているだけである。アメリカは経済社会の衰退の中で、それを維持するという矛盾の中にあり、「反テロ戦争」をそのなかで挟んで、さらに矛盾を深めている。結局のところ、日本はこの構造の転換ではなく、より本格的に模倣に走っている。集団的自衛権行使容認でアメリカの戦争に追随し、軍需産業で景気の維持(武器輸出の含めて)ということになっている。「戦争のできる国」への基盤はこうしたとことにある。
生活に必要な生産(消費も含めて)への産業構造の転換、つまりは高度成長経済後の産業構造の転換の構想もビジョンも彼らにはないのだ。子供の保育のことが問題になっているが、これは社会の転換を含めた構想やビジョンの中でしか。解決を展望できないことだ。それがないから、選挙向けのつけ刃的な策しか打ちだせない。脱原発と子育ての社会環境を作りだすことを同時的な構造として構想するということすら出来ていないのである。脱原発は高度成長社会の転換のかなめをなすものであり、子育ての環境構築もそれと関連して構想できるのである。戦争と金融以外に社会の次を構想できない安倍政権は退陣をさせた方がいいのだ。
花見がぐずついた雰囲気の中でしかできないことは理由のあることだが、選挙も展望して僕らのやれることをやることしか道はない。やがて葉桜や若葉の季節だ。散り行く桜を惜しみながら、テントを維持して行こうという決意の醸し出された花見だった。(三上治)
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【案内】院内ヒアリング集会「原発の電気はいやだ!東電の電気はいやだ!どうやって選べばいいの?~電源構成を明らかにせよ~」
日時:2016年4月13日(水) 13時半~16時半
場所:参議院議員会館B105会議室
対象:経産省・資源エネルギー庁(14時~16時、予定)
主催:経産省前テントひろば
経産省前テントひろば〒100-0013東京都千代田区霞が関1ー3ー1
電話070-6473-1947 メールtentohiroba@gmail.com ブログhttp://tentohiroba.tumblr.com/
紹介:参議院議員 福島みずほ事務所
3.11東電福島第一原子力発電所事故が起こって既に5年経ったが、福島には未だに10万人以上の方が避難生活をし、多数が仮設住宅に住み自死する人も出ている。除染は移染にすぎず、多くの人びとがふるさとも生活も仕事も奪われてしまった。一方、イチエフには100万トンを超える放射能汚染水が貯まり海洋汚染を続ける中で太平洋への大々的放出が目論まれ、コントロールもブロックもできていない。そればかりか1号機~3号機の核燃料の状態は掴めず廃炉への道も全く見えない。住民の健康被害も心配で、既に166人の小児甲状腺がんも発覚している。
このイチエフ事故の責任を誰がとったでしょうか?
東電も経産省も自民党政権も事故の責任をとっていない。そればかりか、東電は柏崎刈羽原発の再稼動を目論み規制委が審査中、安倍政権・経産省・資源エネルギ―庁は2014年4月に原発をベースロード電源とする「エネルギ―基本計画」を閣議決定し、日本学術会議の提言(「核のゴミ」対策を明確にしてから再稼働を論ずるべき)をも全く無視して、原発の再稼働と原発の輸出を推進している。原発が「安全である、安い、無いと電力が足りない」が歴代政権と経産省と資源エネルギ―庁による大嘘であることが明らかになった。日本列島の全ての営業用原発が2年近く止まっても、私たちは何不自由のない生活を過ごしたのだから。
2011年9月に経産省の敷地のポケットパークに設立した「経産省前テントひろば」は、福島の被害者たち、脱原発を訴える全国の人達、また世界の人々に支えられて4年半の間、日夜脱原発・再稼働反対を訴えてきた。
残念ながら、安倍政権は私たちの訴えを退けようとテント立ち退き訴訟を淵上、正清の二人に起こした。立ち退きと使用料を請求する正にスラップ訴訟だ。私たちは裁判で経産省・安倍政権の不当性とテントひろばの正当性を訴え、数十名が我こそ被告だと名乗り出た。にもかかわらず、非常に残念なことに、東京地裁(2016年3月)も東京高裁(2016年10月)も不当にも立ち退きと高額の使用料支払いを命じる不当判決を言い渡した。私たちは今、最高裁に上告し、脱原発テントの正当性を訴え続けている。
そんな中で私たちは毎日同じ敷地内にいる経産省・資源エネルギ―庁を国会議員会館に呼び、5年間の彼らの不当な行政を追及する。既に2つの抗議・質問書(A、B)を提出している。これらの質問の回答を得るととともに、電力自由化と電源構成、「エネルギー基本計画」と「40年ルール」、核のゴミ問題などに焦点を当てて、ヒアリングする。多くの方々とともに、経産省を責めたい。是非ご参加を!
4月8日(金)午後5時から:経産省前抗議行動(毎週金曜日)
主催:経産省前テントひろば
官邸前抗議行動(6時30分から)もあります
福島原発告訴団からのお知らせ
◆4.9 福島原発刑事訴訟支援団 福島集会!◆
ひろげよう!福島原発刑事訴訟支援団 福島集会
~ようやく原発事故の責任が問われる~
日時:4月9日(土) 14:00~16:00
場所:郡山市 郡山ユラックス熱海 2階第1~第3会議室
▼ 『戦争法発動させない!戦争する国許さない!安倍内閣は退を!「4・19議員会館前行動』
4月19日18時半~(衆議院第2議員会館前~国会図書館前)
呼びかけ:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会 http://sogakari.com/?p=1705