テント日誌6月15日…今年もまた「立ち返る水無月の15日」 

経産省前テントひろば1807日後

 原発推進通りで抗すること 6月12日(月)

7日の梅雨入り後に都心では雨がなく、咲き出した紫陽花も元気がない。座り込みや集会・デモなど雨は避けたいので昨夜のような時間帯に降ると助かる。今日は曇り空から青空の午後になるが暑さも湿度も低くて助かる。この3週間、月曜は警察官が一人無言で様子見して通り過ぎ、しばらくして引き返すパターン、それでいいのです。

連日共謀罪法反対に参加している人も多いが先週は忙しかった。6日は日帰り高浜原発ゲート前抗議でテントのぼりを掲げ、7日夕方は関電東京支社抗議の申し入れに同行し再稼働に強く抗議、9日はテント院内ヒアリング、10日は国会大包囲前のビラ撒きとなった。

高浜3号機再稼働のスイッチが入る6日の午前に発生した原研(旧動燃)大洗プルトニウム被ばく事故は、院内ヒアリングで山崎久隆氏が追及した。今日になり原研と放医研は4回の検診でプルトニウムは検出されなかったと発表したが疑問が大きく残る。山崎氏は金属製の容器21個に封入された粉末状プルトニウムは「なぜ、どこから持ち込まれたのか出所不明、正確に把握し国民に知らせる義務がある」とした。大洗研究所の高速実験炉「常陽」は廃炉する「もんじゅ」に代わり再稼働を規制委に申請したが、出力を低くして避難計画エリア30kmを5kmに画策して審査を保留された経過もある。

原研の東京事務所は関電東京支社の入る富国生命19階にある。東電から国会に至る国会通りは経産省をど真ん中にまさに原発推進通り。6/9の日経電子版で経産省のエネルギー基本計画の見直し着手が報道された。お決まりの有識者会議を月内にも立ち上げ、素案を作成、年度内に閣議決定をめざす。今度は「原発廃炉に関わる技術や人材の確保を行うにも再稼働、原発新増設は必要」との前提を立てた。

丸6年9ヵ月を経過したテントひろばの「すべての原発廃炉」まで、運営委でも話が出た新たな活動の検討が必要になってきた。本日の座り込みは引継ぎ時まで9名。(I・M)

呪殺祈祷僧侶団の月例祈祷会が開かれた 6月13日(火)

昼の経産省前は雨が降ったり止んだりの天気、二人で椅子や横断幕のセットが済んだころには、いつものメンバーが揃って座り込む。しばらくジッとして座っていると、少しだけ寒さを感じる。
2時近くなって、知人2名が本日3時からの「月例祈祷会」の準備にやってきた。配布された「呪殺祈祷僧団四十七士」のちらしには、「鎮魂・死者が裁く」と題して、祈祷会の趣旨が以下のように記載されていた。
3.11東日本大震災以後において私たちは無念の犠牲者の方々を深く悼むとともに、地震と津波と原発事故によって明らかにされた無謀な原子力行政を反省もなく繰り返そうとしている政財界の愚かさを、死者と共に正していかねばなりません。3時近くになって雨脚が強くなり、祈祷団の打ち鳴らす太鼓の音を背中に聞きながら、全くその通りとは思いつつ経産省前をあとにした。今日、テントニュース113号が発行された。(O・E)

共謀罪法案の緊迫続く国会 6月14日(水)

共謀罪の攻防で、国会は緊迫していた。Wさんはまず議員会館前での抗議行動に参加して、それから当番に入った。それで座り込みのセッティングはBとTでやった。少し手間かかった。お天気は、朝はどんよりとしていたが、昼過ぎからはギラギラに近い天気になった。久しぶりにOさんが傘のアピール文を替えて来られた。そこに自転車の男性二人が登場。いつも土曜日に座り込みに参加している方だそうで、今日はつくばの方にサイクリングに行く計画だったが天気が悪いのでやめて、この辺に来たということで、しばらく座り込みの場で交流していかれた。
瓦せんべいを持ってきてくださるKさんが今日も大量の瓦せんべい持ってきてくださった。すぐ、みんなで食べさせていただいた。Kさんはそのあと、裁判の傍聴に行かれた。議員会館前での共謀罪の抗議行動に参加した人が寄られて、今日の国会の審議が、予想されていたより、もっと卑劣な、ペテン的なやり方で、今日中に「メド」がつけられるかもしれないという情報をもたらしてくれた。

Oさんはいつも「元気で座り込みができることはありがたいわ」と言って、日常生活の中で感じる疑問や憤り、楽しいことなどを想像力豊かに話される。斎藤美智子さんも登場。

警察官は一人で経産省寄りを歩くが、こっちを見ないようにして、声も出さずに歩く。Bさんは相手が何か言ったら「応えよう」と構えているのに警官がそんなふうで残念がる。遅番のTさんが来られる。火曜日まで山口県の上関原発「予定地」を訪ねてこられた。そのうち聞かせてもらおう。(T)

国会が騒がしい。国会審議に行動する人が立ち寄って下さる。

「テント撤去後こちらに来移ったんですね」と訪れる人もある。道を尋ねる人にテントニュースを渡す。座り込みのみんなが自分の知っているルートを口々に伝えるのがおかしい。尋ねた人は判っただろうか?

雀が私の手のひらからビスケットのかけらを何回も啄んで行く。先週も来てくれたのだが今日は鳩に邪魔されないように椅子の下で手のひらに載せる。人間が餌を与える事は控えて居るのだが、可愛い仕草で近寄って来るので、つい毒かもしれない人間の食べ物を与えてしまう。
夕方機動隊が一人私たちの所までやって来た。いつもは離れた所で眺めて帰るのだが「私たちを守りに来て下さったのですか?」と声かけすると苦笑いしながら行ってしまった。

5時半過ぎ農水省前の「権兵衛」のおにぎりを買いに行った。窓口でお久しぶり!と言われた。テントが撤去されるまでは当番の都度買いに行っていたので覚えていて下さっていたらしい。彼女には原発反対のテントの座り込みをしていることを話していたが経産省正門前で変わらず座り込みしていることを話してなかったかもしれない。次回に話してみよう。(T)

追)この日の夜から、翌日の朝までのうちに、「共謀罪法」は新設されてしまった。本当に恐ろしい安倍政権だ。戦争の時代だ。

共謀罪法案採決のニュースを聞いて  6月15日(木)

早朝に強行採決された、「共謀罪」法のニュースを聞き怒りに震えながら経産省前座り込みのセッティングを行う。

政府与党が「憲法違反」の法律を、事もあろうに法務委員会の採決をすっ飛ばして、本会議で数の暴力をもっての強行採決である。

野党も採決に入れば、絶対少数なのだからこの悪法が通ってしまうことは解っているはず。だったら議員バッチなど外す覚悟で、身体を張って国民のために、この歴史上の国民弾圧法を阻止して欲しかった、何とも空しい。

安倍政権は、ヒットラーもビックリの独裁政権なのだから、通常の方法では阻止は無理。こんな事では、いつまでたっても、安倍政権打倒なんて出来ないぞ!

心ある国会議員は、全員が街頭に立ち、この「安倍独裁政権」の醜さを国民に訴えるべきである。

今日は、60年安保闘争時に、国家権力に虐殺された、樺 美智子さんの58回忌の日でもあり、国会南通用門の集会に参加された方々が、帰りに寄って下さりました。本日のテント日誌は、トーンがチョット上がり過ぎかも。(Y・R)

今年もまた「立ち返る水無月の15日」   6月15日(木)

共謀罪法案の行方が気になったのか、いつもより早く目が覚めた。テレビにかじりついていたが、7時過ぎには与党の奇策によって共謀罪法案は強行採決されてしまった。採決ありきだからなんでもありということなのだろう。思い起こせば強行採決が常態化して行く、皮切りになったのは58年前の1960年5月20日未明の安保条約批准のための強行採決だった。時の首相は岸信介だった。安倍首相の祖父だ。清瀬一郎衆院議長がマイクを握って何か叫んでいるだけの光景が昨日のことのように思い浮かぶ。この岸信介の暴挙は安保闘争を民主主義の闘争に変えたと言われたのだが、この暴挙に対する反対行動は空前の盛り上がりをみせた。その頂点にあったのが、全学連の学生たちによる6月15日の国会構内占拠だった。そしてこの闘いの中で樺美智子さんはなくなった。何か因縁めくなという思いが頭をよぎった。

6月15日は午後1時から「樺さんの追悼の会」(偲ぶ会)を国会南門で予定していた。よりによって今日、共謀罪法案の強行採決かと思った。因縁めいたことだと思うのは僕の思い込みが強いのかもしれないが、そうとばかりは言えないと思えてならなかった。安倍が1960年安保闘争から60周年にあたる2020年には憲法の改正を実現したいと具体的な政治日程まで含めて動き出している今、これは深く関係するように思えてならない。1960年に安保改定を推進した岸信介は憲法改正の構想を持っていた。彼にとって日本の国家主権の回復とは戦争ができる國に日本をすることであり、それは最終的には日本国憲法(戦後憲法)の9条の改定だった。彼は1958年に憲法調査会を発足させ、憲法改正の準備をもしていたのだ。この彼の野望は学生たちの闘いで頓挫した。学生たちの安保改定阻止は敗北したけれども、背後の岸の野望は葬ったのである。そして、この学生たちの闘いは1960年代後半のベトナム戦への日本軍隊(自衛隊)の派兵という岸の弟である佐藤栄作の野望を打ち砕いた。学生たちの反戦―全共闘運動がなければ佐藤首相は自衛隊をベトナム戦争に出していたであろう。強いアメリカの参戦要求を拒まなければならなかったのは学生たちの闘いがあったからだ。安保闘争時に学生たちに自衛隊を差し向けようとした岸・佐藤の兄弟はベトナム参戦など当たり前のことと思っていたのだ。

あれから時はめぐって岸も佐藤もなくなり、岸の孫である安倍晋三が岸兄弟の政治的野望を受け継ごうとしている。それは憲法の改正である。彼は何故、憲法の改正をめざすのか。それは憲法9条と前文の戦争についての国家主権を制限する考えを否定したいからである。国家(政府)の勝手の行為としての戦争を否定し、国民主権をうたい上げた前文と、憲法9条はこれまでの歴史にはなかった国家主権の制限であり、これを彼等は許しがたいものだと考えるからだ。戦争ができる、それは国家主権に属することであり、戦争を否定する国民の意志が、国家主権(旧来の意味)を制限することが許せないのだ。また、国民の自由や人権と言った考えを国家優位の思想において制限したいのだ。戦後の刑事司法の転換を含む共謀罪法案の制定はそのことを物語る。1958年に安保に向けて、警職法の改正を目論んだ岸の事を思い出す。この法案の改正は権力強化の野望として国民の反対で葬られた。

安倍は国家主義的な国家思想として岸信介のこの考えを引き継いでいるのだ。

岸は戦争の反省もなく、戦前の国家主義政治の復活を公然と打ち出した政治家だが、それは安倍に引き継がれている、安倍は憲法、憲法に体現されている戦争、あるいは戦争と国家の考えを変えるべき実質改憲をやってきた。特定秘密保護法の制定、集団的自衛権行使容認の憲法解釈の変更、戦争法の制定、共謀罪法案などである。これは憲法の精神(憲法に込められた人々の意識、例えば戦争についての意識―考え方、個人の尊厳(基本的人権)や自由)を踏みにじる(反する)法案を作ることである。

憲法にそってやる政治に反するのが安倍政治であり、かつての岸の政治だった。憲法に反する法案を創り出しながら、憲法の改定をも目論むのである。それが岸の政治を受け継いだ安倍の政治だ。僕は朝に共謀罪法案の強行採決をみながら、何とも言えない気持ちで樺さんの追悼の会にきた。いつもの追悼の会とは違うものが僕のこころを走る。1960年安保闘争から60年後に憲法改正が目ざされていることを意識せざるをえなかったのだ。緊張がやってくる。闘いはこれからだな、というつぶやきが反響した。

樺さんに語り掛けているのは、必ずしも前進とばかりにはいかないものだ、できたら目を背けたいような数々のことを想起しながら、闘いの道はいう問いかけ自然にやっている。樺さん、あなたの志を受け継いでといいたいのだけれど、僕のこころには言いよどむものがある。そこに留まり、言葉ならざる言葉を持って樺さんの微笑みに向かわざるをえない。でもその中に僕らの歴史があり、そこは避けられない。そこに踏みとどまり多くの自問を発しながら、そっとやはり見守っていてくださいと、つぶやく。

革命運動に対する革命的批判を持ってというのは僕らが、目も背けたい思いに駆られることに対した時の僕らの態度だった。絶えず、反省することを忘れない、革命的なものにあるものにも批判の芽を向け続けることだった。古い左翼だけではなく、新しい左翼たらんとした僕たち自身にも批判(反省)の目を向けることだった。だが、今、そうした思いだけでは超えられない壁を僕は自覚している。60年に近い歳月の中で何が、どのような思想(考えが)が残ったのか。それを不断の自問するとき、そう思う。僕はそれを樺さんにさしだせるか。彼女と語り合いたい。でも、何が残ったのか、は自分の中にあるが、まだ、言葉にはならない、でも原点のように僕の中に残ったそれをどのようにさしだせるのか…。でもあなたに差し出したいという思いがある限り、僕はあなたにあいにくるのだろう。それが水無月の15日である。

何年か後に、この南門のあたりで僕はあなたに語る言葉を持ち合わせているのだろうか。そうであったらいいなというのは僕の偽らざる願いだ。祈りなのかもしれない。それが(三上治)

:::::

6月23日(金)東京電力株主総会の日 9時~10時 アピール行動

会場:国立代々木競技場―体育館 原宿駅3分

6月23日(金)5時~6時経産省前抗議行動 官邸前抗議行動は6時30分~

6月28日(水)大間原発NO!スタンディングデモ 9時~10時

電源開発株主総会 東京プリンスホテル前 地下鉄御成門駅徒歩4分

東京プリンス前にて大間原発の危険性と建設計画停止を訴える

原発告訴団からのお知らせ

初公判決定!630
福島原発告訴団が2012年6月に告訴してから5年。
とうとう東電元会長ら幹部の刑事責任を問う裁判が始まります!
原発事故の責任をうやむやにはさせない新たなたたかいの一歩です!
6月30日(金)
タイムスケジュール
 9:00 東京地裁前 福島バス到着予定

【傍聴者】
10:00開廷~17:00閉廷(開廷より前に抽選あり)
*裁判は傍聴希望者が殺到し、高倍率の抽選となることが予想されます。抽選で外れた方は、参議院議員会館での集会にご参加ください

【傍聴しない方(抽選で外れた方)】
院内集会(参議院議員会館  講堂に移動)
11:00~12:00 第1部  リレートーク等
13:00~16:40 第2部 「東電テレビ会議49時間の記録」上映(途中休憩有)
17:45~18:35 第3部  弁護士による裁判報告会

19:00 参議院議員会館前  バス出発

■福島発バスのご案内(帰りの出発を19時発に変更しました)
行  4:00 福島駅西口発 ~5:00 郡山教組会館発
帰  19:00  参議院議員会館前発
料金1,500円

*福島から来られる方で、浜通り方面等バスをご利用になれない方は、高速バス代相当の交通費補助をいたします

お問い合わせ:福島原発刑事訴訟支援団
電話:080-5739-7279  メール:info@shien-dan.org
福島県田村市船引町芦沢字小倉140-1(支援団・告訴団事務局)