テント日誌6月20日…原発事故後4年半を過ぎて

経産省前テントひろば1376日商業用原発停止642日

 何も変わっていないということ―原発事故後4年半を過ぎて

6・19東京高裁控訴審傍聴レポート

テント裁判控訴審第1回公判が小雨の中6月19日東京高裁102号法廷で行われた。傍聴希望者約160名のうち80名ほどが傍聴券を入手したが、共同控訴人16人ほどの特別傍聴席は別に設けられた。

1審判決の不当性については既に「テントひろばニュース」などで繰り返し主張されているので省略するが、1番の問題は、「なぜテント広場が設営されたのか」ということを全く問題にせず、結果現象としてある「土地の占有」に対して数千万円の土地使用料を支払えという<スラップ訴訟>になっているということである。

<テント設営の原因はいまだ続いている>

19日の公判は、原告の国側が拒否している「テント設営の原因と正当化する事情」を、2011年3月11日東日本大震災都それに続く福島第1原発事故、原発近くの双葉町に居た亀屋さんと、放射線量の高い郡山に居住している黒田さんの2人の弁護側証人尋問として行われた。それぞれ90分ほどの証言で13時30分から16時45分まで長時間開廷された。

亀屋さんは福島原発から至近距離に居住していたこともあり、家族や親族で転々と避難し、娘さんの放射線が原因と思われる原因不明の病気なども重なり、地獄のような苦しみを味わったことが証言された。国や県、そして東京電力の誠意ある対応はなく、不安な日々は事故後4年半を過ぎても何も変わらず続いている現状が訴えられた。そうした中で経産省前テント広場は、気持ちの休まる場であると同時に様々な人との交流や情報の受信・発信の場でもあることが具体的に報告された。更に何も変わっていないのに「原発再稼働」という動きに対して厳しき抗議して証言は終わった。

黒田さんは、震災、福島原発事故当時の郡山の状況を報告し、保育士という仕事の関係もあり、何とかしなければならないと仲間と話し合う中で「原発は要らない・フクシマの女たちの会」発足に至る経緯を陳述した。こうしたグループのネットワークで、経産省前テントの存在と祝島原発反対経産省前座り込みを知り、2011年10月27・28・29日福島から90人ほどの女性が上京し連日行動が行われたこと、そうした中で1000名ほどの女性の賛同者があり、経産省前第2テント設営の原動力になったことが報告された。原発廃炉,子供たちを守れ、命を守れという自発的、自主的な抗議の場としてのテント設営であり、福島の現実を直視して頂きたいということを強く訴えられた。

<テント設営と異議申し立ては当然の権利である。>

お二人が共通して訴えたことは、福島原発事故は何ら解決していないし、住民の苦しみは何ら変わらず続いているということ、そしてテント設営とテントでの原発反対の行動は自主的、自立的であり、なおかつ表現の自由として当然の権利であるということである。テント設営の理由である原発が無くなれば、テントに固執するものではないことは当然である。

国側代理人の反対尋問は,予定調和的に被告人、淵上、正清がテントの指導者で、その指導の下に不法占拠しているということを証言させようしたが,全く相手になるものではなかった。

現在安倍政権によって憲法違反であり、参戦容認の安保法制が国会通過されようとしている。存立危機事態の理由として「幸福追求権の侵害」が言われているが、幸福追求権を最も侵害しているには安倍政権に他ならない。人々の幸福を追求するために保障されているのが表現・言論の自由であり、公共空間の占拠と宿営の権利であることは香港、ウォール街などの運動を見るまでもない。日本の自由民権運動を見れば、「自由」とは政治に参加する自由であり、「民権」とは民衆の権力を樹立することである。経産省前テント広場の空間はこうしたことを実現しつつある空間であることを再確認していきたい。 (加藤)

裁判関連の報告は添付(テントニュース54号)にもあります。

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来週の行動予定から

特に、水曜昼の規制委前行動は経産省前テントひろばが担当します。
ご協力をよろしくお願いします

〇【案内】原発に関する経産省院内交
6月23日(火)15時~17時、参議院議員会館B108、 経産省前テントひろば
質問項目:
1「エネルギーミックス」における原発依存度の議論について
2「民意」と「国際公約」との関係について
3再稼働の決定「政府の責任」について
4「核のゴミ」について
5東京電力について

〇【案内】川内原発・高浜原発の再稼働をやめろ! 水曜昼休み規制委抗議行動
6月24日(水)12時~13時
原子力規制委員会ビル(六本木ファーストビル)前
主催:再稼働阻止全国ネットワーク(今週の担当は経産省前テントひろば)

〇【案内】「戦争法案」を「廃案」にしよう!
6月24日(水)18時半~20時、国会議事堂周辺
安倍政権がこの通常国会で強行採決をねらう戦争法案=「国際戦争支援法」(恒久法)案と「戦争法制整備法」(一括法)案をみんなの力で廃案に。憲法9条を守れ!
総がかり行動実行委員会

〇【案内】関電東京支社包囲行動
高浜原発再稼働阻止 老朽原発1,2号機の20年延長を許すな!
6月25日株主総会の日、関西の行動に連帯し、 関電東京支社包囲行動を行う。
6月25日(木)18時~19時30分
千代田区内幸町交差点角 富国生命ビル前
共催:再稼働阻止全国ネットワーク

〇【案内】川内異議申立記者会見
「川内原発1号機の工事の計画の認可処分」に対する異議申立と意見陳述(意見陳述会は非公開)
6月26日(金)17時半~18時半
原子力規制委員会記者控室(5階)
山崎久隆、後藤政志、広瀬隆、北岡逸人、鳥原良子他
問合せ:木村雅英(080-5062-4196)
(記者のみ入室可能)(K・M)