データ隠しがパニックを呼び込む原因だ!

6/5のドイツ紙『Die Zeit』のOnlineに次のような記事が紹介されていた。記事の見出しは、「福島で最高の放射能数値を記録」というものだ。

「福島原発では高い放射線が外部に漏れ出ている。1号機の容器内で、これまでで最高の数値が測定された。それは誰もそこで作業できないほどの高さだ。東電が土曜日に伝えたところでは、1号機の原子炉容器の中で、1時間に4000ミリベクレルの放射線量が測定されている。それはこの破壊した原発内の空中で測定された最高の放射能である。この高い放射線は、建屋の南東角でロボットが記録したと、共同通信が言及している。」原因として推測されるのは、「地上に開かれた個所から蒸気が漏れだしている。」ことにあるようだ。配管は「開口部から建屋を横切って配管されていて、配管自体は無傷である」という。「蒸気は冷却水をためるべきはずの圧力ボイラーから出ているらしい。」当然のことながら、「東電はさらに厳密に調査するつもり」とのこと。

原発事故をめぐる問題は依然として何一つ解決していない。この間のテレビや新聞などの報道姿勢からは、何だかこの事故はいつの間にか沈静化の方向に向かっているかの錯覚にとらわれるのであるが。そしてあたかも、残された問題はこの夏の電力不足をどうするかだけのように見えるのであるが。「データを公表しないことがパニックの原因になる」という意味のことを小出裕章さんが指摘していたが、今こそこのことをかみしめたい。