―12月14日時点における
被占領パレスチナ民衆解放闘争報告-
藤 田 進 2025年 12・14 講 演 会
トランプの『ガザ停戦』計画後のパレスチナ
―12月14日時点における
被占領パレスチナ民衆解放闘争報告-
12月14日(日)13時半開場;14時 講演会開始
途中に休憩をはさんで、参加者との質疑応答を行います。
17時 終了予定
会場:萌え木ホール B会議室
武蔵小金井駅南口徒歩8分 電話:042-385-5116
住所:小金井市 前原町 3-33-25
参加費:500円
講 師 藤田進さんのプロフィール
東京外国語大学名誉教授。 82年イスラエルのレバノン侵攻、そして91年湾岸戦争の際にパレスチナ難民支援運動に取り組む。
著書に『蘇るパレスチナ 語りはじめた難民たちの証言』(東京大学出版会–1989)、編書に『世界史の中の「ガザ戦争」』(大月書店 -2025.8)、パレスチナ人の怒りを新聞の1コマ漫画の形で発表した風刺漫画家ナージー・アル・アリーによる『パレスチナに生まれて』(原題A child in Palestine、訳:露木美奈子、いそっぷ社 ー2010.6)の監修など。
現在、アハリー・アラブ病院を支援する会の共同代表として活動を続けている。
主 催: 小金井平和ネット 連絡先:大賀英二(tel 090-5800-6384)
ガザにとっての「これから」とは? What ‘Day After’ for Gaza?
ガザ再建計画にとって最も影響力のあるもの、それはパレスチナ人には自分たちの将来を決定する権利がないという前提から始まるのだ。

2025年10月25日:サラ・ロイ
10月10日の金曜日、イスラエルとハマスがガザでの停戦に合意したとき、私(サラ・ロイ)はこの地区にいるパレスチナ人の友人から話を聞き出した。このニュースが報じられて以来、ガザ地区ではお祝いが続いていたが、決して悲しみが去ったわけではない。友人は「私たちの感情は複雑です」といいながら、以下のように続ける。
私たちは、この先に何が起こるのか不確かですが、それでも大量虐殺が止まったことに安堵しています…私が思い出すのは、子供たちが今も瓦礫の下に埋もれている家族のこと、彼らはいまも息子がどこにいるのかわからない母親であり、まだ子供たちの遺体を見ることすらできていない父親たちなのです。私たちにとって、こうした語られざる物語を語るには長い時間がかかるでしょう。
そうした状況は、「人間の想像を超える」ところまで悪化していたと、ガザに住む私の別の友人が6月末近くに私に語った通りになのだ。爆撃が数か月間、ほとんど収まらなかった。食料が尽きたきり、あるいはとんでもなく手が届かないまで高騰し、交通機関の料金も高騰した。ガザ地区の多くのパレスチナ人は、アメリカが支援するガザ人道財団の援助物資、それが悪名高い配送センターから届けられる際に、それを確保するために命を危険にさらしていた。10月初旬のガザ保健省による報告では、イスラエル軍がわずか4カ月余りで2,500人以上の援助希望者を殺害し、19,000人近くを負傷させた。この夏、私の友人は手紙で、「彼らは今日援助があると私たちに言うのですが、そこに(実際に人々が)到着すると彼らは撃たれます」と書いてきた。この友人は「そして毎日、虐殺に次ぐ虐殺…もし彼らが私たちから空気を奪うことができれば、彼らはそうするでしょう」と続けている。
保健省によると、イスラエルの壊滅的な作戦が始まって以来、このガザ地区では6万8000人以上の男性、女性、子供が死亡し、17万人以上が負傷した。2025年5月現在、この死者数には、ガザの市民登録簿から抹消され、完全に全滅した2,180家族以上が含まれている。登録された市民5,070 人のうちで、生き残ったメンバーは 1 人だけ。これらは公式統計であり、病院や遺体安置所によってまとめられ、イスラエルの軍事行動によって引き起こされた死亡者のみが報告されている。
これらの数値に間違いはなく、しかもかなりの過小評価がなされているのである。というのも、1万人から1万5000人が破壊された家屋の瓦礫に埋もれているだろうと思われるが、戦時の現状ではデータ収集が妨げられていることと、非常に多くの家族が全員殺害されたことで、誰も報告できないから、劇的なほどに過小な評価だと推定されている。国連人道問題調整事務所のオルガ・チェレフコ報道官が9月に行ったブリーフィングでは、「紛れもない死の匂いがいたるところに漂っている。通りに並ぶ廃墟には母親、父親、子供たちの遺体が隠されているという恐ろしい思いをさせる…彼らの命は戦争の殺人機械によって短く、多くは二度と見つからないでしょう」と語った。法律の専門家たちは、私たち自身の目撃証言では言うまでもないことだが、これは大量虐殺としか言えないと語っている。
The New York Review of Booksより転載













