トルコ東部の地震で隣国アルメニアにあるメツァモール原発に被害が出た。トルコ原子力庁によると、「基準値以上の放射能が漏れた」という。トルコの新聞ザマン紙の報道を国営イラン・ラジオ(日本語版)が伝えた。
被害の詳細はまだ不明である。欧州はかねてからメツァモール発電所の閉鎖を求めている。事故が起きた際の影響が大きいからだ。
今回被害にあったとされるメツァモール原発第2号機は、1980年に稼働したソ連型PWR(加圧水型原子炉)原発でVVER440と呼ばれるタイプ。出力約40.8万キロワット。アルメニア唯一の原発。アルメニアの主要な電力源である。
だが、メツァモール原発は老朽化しているうえ、地震帯、活断層の上にあることから、「世界1危険な原発」とソ連時代から指摘されていた。
1977年に稼働したメツァモール原発1号機は、1989年に起きたアルメニア地震の影響で、シャットダウンされた。第2号機はソ連崩壊後の1995年にアルメニアの電力不足により、運転が再開された。しかし、その地震に対する安全性は払しょくされていない。チェルブイリ原発(黒鉛型原子炉)とタイプは異なり、一応格納容器を備えているが、格納容器自体の脆弱性が指摘されている。同原発の安全性に対する懸念から、米国などの支援で建て替えが検討されていた。
トルコ地震で隣国アルメニアの原発に被害 国営イラン・ラジオ
http://japanese.irib.ir/index.php?option=com_content&view=article&id=22102:2011-10-25-11-37-35&catid=17:2010-09-21-04-36-53&Itemid=116
世界でもっとも危険なアルメニア原発 慶応義塾大学・廣瀬陽子氏
http://synodos.livedoor.biz/archives/1759243.html
同型のVVER440 断面図
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02010103/08.gif