ドイツ紙 Frankfurter Allgemeineから 歴史の曲解: 日本が米国の教科書を訂正せよと要請


歴史の曲解: 日本が米国の教科書を訂正せよと要請

2014年11月18日

著者: 東京在住Carsten Germis記者

(和訳:グローガー理恵)

 

日本における「歴史書き変え」は、一つの新たな段階に至った:外務大臣が、アメリカの教科書内容を訂正させたいと願っているのだ。教科書は、ただ単に歴史研究の結果を呈示しているだけである。

 

 

日本は、外国の教科書に描写された第二次世界大戦における日本の残虐行為の歴史を隠蔽し取り繕るために、初めて、はっきりとした圧力をかけている。火曜日に、東京で岸田文雄外務大臣が述べたように、日本政府は、歴史家、Jerry BentleyとHerbert Ziegler著のアメリカの歴史書に批判を突きつけている。すなわち、この中で二人の歴史家は、日本軍が東南アジアで20万の女性を従軍慰安婦として野戦売春宿へ連行し強制売春させたことを記述しているのである。

 

この教科書は、独立した歴史研究による知見を、ただ単に描写しているだけなのだが、このために、安部晋三首相の就任以来、優位を持つ日本国家主義者と歴史修正主義者からの批判を呼び起こすことになった。外務省は、この歴史書が日本政府の公式な立場に同意するものではないと表明した。岸田外務大臣は、何が具体的に彼の気に入らないのか、述べることはしなかった。

現在、日本が外国の学者までにも圧力をかけているということは、日本政府の歴史修正主義のひとつの新たな特徴である。アメリカの McGraw-Hill出版社は、歴史書の著者と日本大使館員との間での会談を仲介することに合意した。

 

公式には、日本も、戦時中に女性が売春を強いられたことを認めている。しかし、このことは内政上、安部首相の勢力範囲においては猛烈に否定されている。

 

以上

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