<パラリンピック会場での学校観戦は中止すべき!>
東京パラリンピックについて、政府、東京都、大会組織委員会、国際パラリンピック委員会(IPC)4者の代表者協議が8月16日に開催され、すべての会場で一般客を入れないことを決めるとともに、小中高生らを対象にした「学校連携観戦プログラム」による競技場での学校観戦は、都県をまたがない範囲で自治体や学校設置者が希望すれば受け入れると決めた。
しかし感染爆発が起きている首都圏でオリンピック同様、パラリンピックの開催は中止すべきであるというそもそもの問題があるし、開催する場合は無観客は当然としても、この感染爆発が起きている中で、競技場での学校観戦を実施すること自体が大変危険なことであるし、間違っている。
身体に障がいを抱えたアスリートたちが活躍する姿を児童・生徒に見せること自体は意義があるが、この感染状況の中で、児童・生徒を危険にさらすことは許されない。政府などは五輪開催時に、テレビで観戦をと呼びかけながら、パラリンピックでは、児童・生徒の競技場での観戦を認めることは矛盾しているし、この観戦を契機とした学校感染クラスターの発生すら危惧される。
さすがに競技場での学校観戦の中止を決定する自治体も多いようだが、都内では競技場を抱える渋谷区や江東区などがこの学校観戦を実施する方針とのことだが、中止すべきである。
東京都では、「学校連携観戦プログラム」を活用したパラリンピック会場での学校観戦を実施する予定の自治体は、渋谷区、江東区など8自治体から約13万人の児童・生徒、都立学校から約2000人、合計約13万2000人の児童・生徒が観戦予定とのこと。
8月18日に開催された東京都教育委員会の臨時会では、出席した4人の教育委員全員が感染状況の悪化を理由に学校観戦に反対したにも関わらず、事務方が押し切ったとのこと。
新型コロナウィルス感染症対策委員会の尾身茂会長も8月19日に開催された参議院内閣委員会の閉会中審査において「(感染)状況はかなり悪い。観客を入れないことはどういうことかを考えていただければ、当然の結論になる」と学校観戦に否定的な見解を示した。
現在、感染が拡大しているデルタ株は、従来の新型コロナに比して、児童もかかりやすいといわれており、しかも11歳以下の児童は新型コロナワクチンの接種対象外でもある。実際、10代の感染が急拡大している。都内の10代の新規感染者は、夏休み期間であるにも関わらず、7月以降、全世代の感染者の十数パーセントを占め、8月19日時点では856人。学校観戦の強行による、集団感染も危惧される。そのような事態になれば、さらなる医療崩壊も深刻化する。
パラリンピック会場での学校観戦は中止すべきである。