日時 2017年12月11日月曜日 18時開場 18時半開始
会場 専修大学神田校舎7号館6階763教室
講師 佐原徹哉(明治大学教授)
テーマ クルディスタン住民投票のゆくえと中東および世界情勢
概要
イラク・イラン・トルコに跨って、3000万人に及ぶとされるクルド人が居住している。「クルド人」には長い独立運動の歴史があるが、先行して独立した諸国は、こぞってクルド独立に反対してきた。これだけ多くの人口を擁する民族が国家を作れないというほかの事例を寡聞にして知らない。9月には、イラク東北部のクルディスタン地区のクルド人自治政府が、独立の意思を表明する住民投票を行い、圧倒的多数が賛成票を投じた。しかし、イラクはもとより、近隣諸国は強く住民投票そのものに反対し、国連やアメリカも住民投票に拠らない解決を求めた。11月20日、イラク最高裁は住民投票を無効とする判決を下した。他方、イスラエルは独立に賛意を表している。この錯綜する関係構造と、その歴史を残念ながらわれわれは詳らかにしない。そこで、バルカン近現代史を専攻し、バルカンと隣接する中東の歴史・社会状況に詳しい、佐原徹哉氏に、クルド人とは何か、「クルド人問題」とは何か、国際関係のなかで、それはどういう意味を持つのか、について、お話しいただくことにした。