「昨年10月に中国共産党の第20回全国代表大会が開催されました。開幕式では習近平総書記が報告し党規約の改正案を採択。李克強首相ほかの幹部が退任となりました。閉幕式の途中で胡錦涛前総書記が退席したことが様々な憶測を呼んだのは記憶に新しいところです。中国共産党規約の改正案については「新時代の中国の特色ある社会主義思想の新たな発展」、「闘争精神の発揚・闘争能力の増強」、「共同富裕の実現」のほか、党の全面的領導を堅持し強化するといった内容を新たに加えるとしました。国防や外交に関しては、人民解放軍を世界でも一流の軍隊とすることや、「一つの国家、二つの制度」という方針の貫徹、「台湾独立」反対などを盛り込んでいます。今回もルネサンス研究所は、ATTAC・JAPAN(アタック、Association pour la Taxation des Transactions pour l’Aide aux Citoyens「市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション」)その他で活動をされており、中国問題に詳しい稲垣豊さん(ATTAC首都圏)を招いてお話を伺います。今後の習近平体制はどこに向かうのか? ウクライナ戦争を承けて不安定化する世界情勢の下で米中対立はどうなるのか? 台湾情勢はどうなるのか? 議論したいテーマがたくさんあります」
日 時:2月14日(火)18:30開始(3時間弱)
報告者:稲垣豊(ATTAC首都圏・中国情勢ウオッチャー)
「これまで中国国内の草の根労働運動や香港の民主化運動などをウォッチしてきました。「中国共産党の新方針と東アジア情勢の行方——これからの反戦運動のために」という大きなテーマを話すことは苦手なのですが、これからの東アジアにおける民衆の連帯を考えるうえで、中国社会のこの間の動きを知ることは、急激にきな臭くなっている東アジアにおける国境を越えた反戦運動や社会運動を構想するうえでも、ひとつのヒントになるのではないかと思います。中国では厳しいゼロコロナ政策を「人民戦争」になぞらえて3年近くにわたって実施してきました。そして「ゼロコロナ政策の断固たる継続」を表明した習近平体制の3選を決めた中国共産党大会からわずか2か月もたたないうちに、中国全土に広がった「ゼロコロナ解除」の訴えが広がったことでゼロコロナ政策はあっけなく終了しました。それは、厳しいロックダウン政策の犠牲になった住民を追悼するロウソク集会、それに対する弾圧に抗議して学園や街頭でA4の白紙を掲げた「白紙革命」、厳しいロックダウン政策に対する各地の住民らの大規模な抵抗、厳しいコロナ禍でも止まらない工場ラインのスピードにあわせた過酷労働や賃金不払いに抗議する農民工らの抵抗、そして共産党大会の直前の戒厳下の北京で「労働者と学生のストライキで独裁国賊習近平を罷免せよ」、「PCRではなく食事を、ロックダウンではなく自由を、指導者ではなく選挙権を」という横断幕を掲げた異論派の決起など、まさに「人民戦争」によって強権的なゼロコロナ政策に人民は勝利したといえます。今回の研究会では、中国共産党大会前後に起きたこれらの事件を中心にして、中国社会の動きを考えたいと思います。内政の延長としての外交、政治の延長としての戦争という分析は依然として有効ではないでしょうか。日本社会を考えるうえで私たちは日本人民のたたかいをベースに考えるのと同じように、中国や台湾の社会的たたかいをベースに考えることが必要だと思います(稲垣豊)」。
会 場:オンライン研究会(後述の方法で参加予約を頂いた方に招待メールを送ります)
資料代:500円
今回もオンライン研究会です。
以下のメールアドレスに参加予約を頂いた方に招待メールを送ります。
renaissanceinstitutetokyo@yahoo.co.jp 「参加希望」のメールをお送りください。
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