ルネ研2月6日 定例研究会『自由について考える』(伊吹浩一)

<2014年定例研究会のご案内>

~21世紀を読み解く─例外状態・生政治・近代化~

●2月研究会 『自由について考える』

:報告者 伊吹浩一(専修大学非常勤講師)

◇日時  : 26日(木)1830(開場18:00)

◇会場   : 専修大学神田キャンパス7号館7階 782教室

◇資料費  : 500円

新自由主義は言う——人間は自由である。あなたも私も自由である。それは自明なことである。しかし問題はこの自由をどのように生かすかだ。生活を向上させるために努力するかしないかはあなたの自由である。今あるこの状態は自由を前提とした努力の結果である。裕福である者は才能を磨き努力してきたからだ。貧しい者は怠けてきたからだ。貧困から抜け出たいなら努力せよ。われわれは自由なのだ。努力しろ、働け。われわれは自由なのだから。

これが欺瞞であることは、誰の目から見ても明らかだ。新自由主義というイデオロギーが、人口の圧倒的多数を貧困へと追いやり、この格差社会を出現させたことも十分知られている。にもかかわらず新自由主義は現在の支配的イデオロギーであり続けている。なぜなのか? われわれは新自由主義を拒否しても、自分が自由であることは否定できない。われわれはみな自由主義者なのだ。しかし、そもそもわれわれは本当に自由なのか? 自由とはそんなによいものなのか? こうしたことをラカンの精神分析理論とアルチュセールのイデオロギー論を通して検討していきたい。

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●3月研究会 『〈アイヌモシリ/ヤポネシア〉─本源的蓄積の二重構造と表現』

:報告者 友常勉(東京外国語大学教員)& 師玉真理(神奈川工科大学教員)

◇日時  : 36日(木)1830(開場18:00)

◇会場   : 専修大学神田キャンパス1号館8階 8B会議室

◇資料費  : 500円

友常勉「〈本源的蓄積〉の二重意識――場所請負制とクナシリ・メナシの戦い・再考」 ポール・ギルロイ(『ブラック・アトランティック』)の「近代の二重意識」をもじっていえば、マルクス「本源的蓄積」にも「二重意識」がある。マルクスのジョン・ロック評価はそれをよく示していた(『資本論草稿』)。本源的蓄積という収奪過程は、身体の労働/所有あるいは大地/自然の支配の二重性を常に刻印する。本報告ではこの二重性の観点から18世紀アイヌ民族のクナシリ・メナシの戦いを再考する。それは知里幸恵・知里真志保の日本語との闘いにおいても継続する抗争である(友常)。

師玉真理「表現形態としての〈本源的蓄積〉論――島尾敏雄〈ヤポネシア〉論・再考」 島尾敏雄は、「琉球弧」を経巡るなかで「琉球以前の古琉球」を歴史の古層としてみいだし、日本全体を群島とみなして「本土」の歴史を相対化する〈ヤポネシア〉という発想にいたった。この視線は、一見「古層」という概念を媒介にして特殊(「南島」)から普遍化された視線を獲得する作業にみえるが、見落としてならないのは、その発想の拠点が、奄美といういずこにも帰属しえない場所(〈異和〉)の反転として存することである。そしてそれは概念的主題に還元されうるところのものではなく、〈異和〉=「反日本」を映現せしめる〈表現〉において「感受」されうるものとしてある。本報告では、島尾敏雄における〈ヤポネシア〉なる直観の位相を、表現形態から視た〈本源的蓄積〉論(マルクス)を参照点として、表現論的視点から捉え返してみたい(師玉)。

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4月、5月は下記の予定です。

●4月3日(木) 報告者:中村勝己 18:30開始 (開場18:00)会場未定

●5月1日(木)(予定) 報告者:太田昌国 18:30開始 (開場18:00)会場未定

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*連絡先 : 松田健二(090-4592-2845)

*これまでの研究会は下記ライブをご覧ください。

http://www.ustream.tv/recorded/30863163