七ヶ国外相広島宣言に「人類的禍毒」を

今朝の『朝日新聞』(4月13日)第4面によれば主要七ヶ国外相広島宣言における英文human sufferings as a consequence of the atomic bombings の外務省訳「非人間的苦難」に対して関係する諸方面から疑問が出されている。

記者からコメントを求められた国際的通訳・翻訳プロ赤谷女史は、外務省訳を「ぎりぎり許される意訳」としながらも、自身は「人的苦痛」を呈示する。

さて、私=岩田は、「人類的禍毒」とする。人類全滅力を有する武器が人類史上始めて人類の一部分に使用されたからだ。humanはhumankind(人類)である。「非人間的」では情緒的含意が出すぎる。「人的」では中性的で弱い。今から千年前、東日本大地震に匹敵する貞観大地震における民衆の災厄を見て発せられた清和天皇の詔に「百姓何辜。罹斯禍毒。」とある。まさしく、清和天皇が広島・長崎を知られたならば、全く同一の表現を用いられたにちがいない。「苦難」や「苦痛」では余りに弱々しい。「禍毒」である。

 

平静28年4月13日

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