[休憩室]田中正司先生の新著が刊行された―記念研究会の案内とともに

ちきゅう座の初代運営委員長だった田中正司先生が新著を出された。

この新著には、わが国を代表するアダム・スミスとジョン・ロックの研究者である田中正司先生が更なる研鑽の上に、認識論レベルでの新しい問題意識を導出し、これまでの研究成果の上になお、アダム・スミス研究の新しい領域を切り開こうとなさった成果が結実しています。

ここではアダム・スミスの初期『哲学論文集』の再検討を手がかりに、有名な「唯名論と実在論の論争」から説き起こされ、ジョン・ロック、バークリ、ヒュームなどのイギリス経験論(しかも、京大の富田恭彦、慶応大学の坂本達哉などの最近の研究成果にまで目配り言及されつつ)に通底する諸課題を取り扱い、更には、イギリス経験論に触発されたカントやヘーゲルの哲学にまで通ずる問題領域をも意欲的に包括した広大な視座を持つ研究が展開されています。

先生の強靭な思考力と感性の若さには心底敬服させられますとともに、この成果を広く共有すべく以下のような研究会を開催し、そのご教示を仰ぎ、また参加者全員で大いに議論を戦わせたいと思い、企画いたしました。是非皆様方のご参加と、積極的な意見交換をお願いしたいと思います。

276回現代史研究会

日時:6月15日(土)1:00~5:00

場所:明治大学駿河台校舎・研究棟2階第9会議室

テーマ:「アダム・スミスの認識論をめぐって―アダム・スミス研究の新たな展開」

講師:田中正司(横浜市立大学名誉教授)

コメンテーター:内田 弘(専修大学名誉教授)

野沢敏治(千葉大学名誉教授)

参加費:500円

参考文献:『アダム・スミスの認識論管見』(社会評論社2013) 2700円+税

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔study580:130512〕