年末年始に(を狙って?)使用済み核燃料再処理と小売電力自由化に関する以下の2
つの重要なパブリックコメント(パブコメ)が募集されています
ひとつは「新たな環境下における使用済燃料の再処理等について(案)」で、これま
では、電力会社の地域独占により「総括原価方式」で消費者から費用を回収すること
を前提としていた使用済燃料の再処理事業を、電力システム改革に伴ってこれまでの
費用回収方法が成り立たなくなる前に、再処理のあらたな「延命」のしくみとして、
電力会社からの拠出金により新たに認可法人を設立し、そこが再処理の責任を担わせ
ようという再処理事業の延命策であり、この姑息な延命策に反対の声を届けましょ
う!こちらは1月5日の締め切りです。
もうひとつは来年2016年4月から実施される電力小売の全面自由化に当たっての「電
力小売営業に関する指針(案)」で、私たち電力消費者が電力小売会社を選ぶ際の重
要な判断基準になる電源構成(再生可能エネルギーや化石燃料や原発など何によって
発電された電気であるかの構成比率)の開示・表示の問題が重要な論点です。指針
(案)はドイツなどでは義務化されている、電源構成の開示が義務ではなく努力目標
にされてしまいましたが、義務化すべきとの声を届けましょう!こちらは1月8日締め
切りです。
以下、パワーシフト・キャンペーン運営委員会からの案内より転載させていただきま
す。(順番は締切日順に入れ替え)
<転送・転載歓迎>
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【パブコメ書こう!】使用済み核燃料再処理の新体制=延命!? (1月5日まで)
http://power-shift.org/pabukome_160105/
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使用済み燃料の再処理の新体制について政府がパブリック・コメントを募集していま
す。再処理については、放射能汚染ややっかいで危険なプルトニウムをわざわざつく
りだしてしまうという問題に加え、経済的にもすでに破綻は明らかです。これまで
は、電力会社の地域独占により「総括原価方式」で消費者から費用を回収することを
前提としていましたが、電力システム改革に伴ってこれまでの費用回収方法が成り立
たなくなる前に、再処理のあらたな「延命」のしくみとして、電力会社からの拠出金
により新たに認可法人を設立し、そこが再処理の責任を担うとい う案が提示されて
います。
つまり、電力自由化による競争の激化によって再処理が継続できないため、それを無
理やり延命させようという案なのです。しかし、そもそも、危険かつ現実的には破綻
している再処理の継続・延命を前提に議論してよいのでしょうか。電力小売全面自由
化にも関わるこのパブコメ、一言でも意見を出しましょう。
■資料と提出窓口はこちら
「新たな環境下における使用済燃料の再処理等について(案)」
■ポイント
【1.再処理の破綻はあきらかなのに、継続を前提としている】
2ページ「はじめに」3ページ「安定的な資金確保の手当て」ほか全般で、再処理がす
でに成り立たないことが明らかにされている。六ヶ所の再処理工場はトラブルが続出
し計画が大幅に遅延する一方、コストは当初言われていた10倍以上に跳ね上がってい
る。もんじゅに至っては、20年以上も前に造られたのに、稼働期間はわずか250日で
ある。核燃料サイクルの破綻はすでに明らかである。再処理自体について「継続を前
提」とするのではなく、「再処理のあり方」についてまずは議論すべき。
【2.まったく実現のめどがたたない再処理第二工場や、 MOX 燃料加工工場の費用
まで出すことになっている】
8ページの説明および図において、まったく実現のめどがたたない再処理第二工場や
MOX燃料加工工場の費用まで対象とすることになっており、非現実的な上、これらの
施設の計画ありきの内容となっている。
【3.将来にわたっても、費用負担は原子力事業者であることを明記すべき】
9ページ「留意事項」として、「将来的に、著しい事業環境の変化など現時点では想
定されていない事態が生じる可能性も否定できない。今般のスキームに関して
も、・・・・必要に応じて一定の追加的な措置を講ずることも含め検討する必要があ
る」と書かれており、将来的に、託送料金などを通じて、原子力事業者以外の事業者
も、負担する という方向性が提案される可能性も否定できない。しかし、核燃料を
発生させた主体である原子力事業者が、あくまでその処理の費用負担を行うべきであ
る。将来にわたっても、原子力事業者が責任主体であることを明記すべき。
■参考
※12月21日開催の「パブコメワークショップ」の映像、資料はこちら
http://www.foejapan.org/energy/evt/151221.html
※再処理は永遠に不滅です──再処理実施主体としての認可法人設立案|核情報
http://kakujoho.net/npp/repro4ever.html
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【パブコメ書こう!】電源構成開示・表示について(1月8日まで)
http://power-shift.org/pabukome_160108/
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電力小売営業に関する指針(案)がパブリックコメントかかっています。
(12月4日~1月8日)
パワーシフト・キャンペーンでも、消費者が電源や環境負荷を見て比較して選択でき
るよう、電源構成などの開示・表示を求めてきましたが、この指針、開示は「望まし
い行為」と位置づけられるにとどまりました。また、その内容にも不十分な点があり
ます。1月8日まで、ぜひ多くの声を届けましょう!
■指針案とパブコメ提出はこちらから http://goo.gl/XtDS3K
■ポイント
【1.電源構成の開示は義務化すること (P.10)】
【2.CO2排出量に加え、放射性廃棄物排出量についても開示すること(P.11)】
EU指令やドイツエネルギー事業法でも、放射性廃棄物排出量も含めて開示義務とされ
ている。
【3.「ゼロエミッション電源」という表示は誤解を与えやすいため、消費者への説
明として注意が必要である。(P.15)】
使う場合には、「発電時の」二酸化炭素排出はゼロであっても、環境汚染物質などの
排出はゼロではないことを、わかりやすく説明べき。特に、原発については、放射性
廃棄物の排出量についての表示もあわせて義務付けるべき。
【4.電源構成や、CO2排出量 、放射性廃棄物について、「開示」だけでなく、請求
書など消費者の目に触れやすい形で表示・通知すること(P.10)】
■参考
パワーシフト:電源構成の開示・表示に関する要望書
(EU、ドイツの指針についても紹介しています)