反原発運動近況報告2つ(柳原弁護士=ふくしま集団疎開裁判・元弁護団長)

著者: 柳原敏夫 やなぎはらとしお : 弁護士
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◆1つ目は、先週土曜日21日に、千葉で初めてのチェルノブイリ法日本版の学習会を開催しました。以下のその報告です。

 

かつて2009年9月、国にその必要性を認識させ、法の整備を促すため、全国初の公契約条例を制定した野田市で行ないました。

https://chernobyl-law-injapan.blogspot.jp/2018/04/blog-post_8.html

 

当日参加した人の半数近くが「育てる会」に会員申込をする(^_^)という熱烈な学習会になりました。

 

その様子は、翌日の東京新聞でも取り上げられました。

「野田からチェルノブイリ法」 避難基準など示す条例化へ準備会

http://www.tokyo-np.co.jp/article/chiba/list/201804/CK2018042202000119.html

 

以下、その報告(動画も)とプレゼン資料です。

【報告】4月21日学習会「野田市民発、チェルノブイリ法野田版を制定しようー放射能災害から命 健康 暮らしを守る為に-」:もうひとつの市民立法の発見。それは都公害防止条例

https://chernobyl-law-injapan.blogspot.jp/2018/04/blog-post_23.html

 

プレゼン資料【3.18-19結成集会を体験し、 チェルノブイリ法日本版 その可能性の中心、それは 「公害」を再定義すること、 「戒能通孝」の再定義の中にある。】

http://1am.sakura.ne.jp/Chernobyl/180421presenNoda.pdf

 

その新聞記事を読み、慶応大学の濱岡豊さんから、「育てる会」に賛同メッセージが寄せられましたので、これもアップしました。

育てる会結成に寄せられたメッセージ(2018.4.22)

http://chernobyl-law-injapan.blogspot.jp/2018/04/blog-post_1.html

 

少し前に、脱被ばく実現ネットの阿部さんが、メッセージを寄せてくれ、そこにこう書かれていました。

 

私たち市民の生活の中で、何が良いのか悪いのか、きほんのルールを決めるのが法律だと思います。きほんのルールなしでは、安全で幸せに暮らせないと思いますし、それから、きほんのルールは特に最も傷つきやすい子ども達に対してフェアでなくてはいけないと思います。

 

その通りだと思います。先週土曜日の千葉の学習会に参加した、流山市の参加者の方もこれと全く同じことを述べていました。

自分たちの今、切実に思っていることをカタチにする、それが法律で、チェルノブイリ法日本版という市民立法だということを実感し、賛同する人たちが日々、増えていることを実感しています。

 

◆2つ目は、一昨日25日に、福島地裁で、子ども脱被ばく裁判の弁論があり、4月に裁判長が交替したため、これまで裁判で主張した全体像の概要を、口頭で陳述するプレゼンの場となりました。

原告は5人の代理人が計45分、被告は国の代理人が15分口頭陳述しました。

そしたら、国の、理路整然とし、相手に付け入る隙を与えないことだけに工夫と頭を凝らし、「国敗れても、責任なし」の無責任、無関心、無気力で、空疎、空虚な陳述に、次第、傍聴席からブーイングが起こり、「こんちくしょう!」という声すら起こりました。

驚きと怒りをもたらした国の陳述のあとに登場したのが原告本人の意見陳述で、福島原発事故の渦中にほおり込まれた中で命を求めて必死に生きた経験をこれほどまでにリアルに再現した意見陳述はなかったのではないかと思えるほどの迫力に、すぐ前の国の口頭陳述がいかに空疎、空虚があるかありありと伝わってきました‥‥

陳述を終えたあとに起きたのは、傍聴席から「そうだ!」と言わんばかりの拍手、拍手でした。

その上、人間なら誰もが納得してしまうこの自然な展開に、新しい裁判長も思わず制止することを忘れてしまいました。

 

山あり、谷ありの展開で、最後は、法廷に、おごそかで、かつ歓喜につつまれた上気した気持ちがみなぎりました。

 

今の裁判の弁論は、形式的な書面のやり取りが殆どですが、一昨日みたいに、思い切りなまの声で、主張や体験を伝えるというのは本当に貴重でした。

 

以下、その序破急(正反合)の報告です。

 

【報告1】「国敗れて、記憶あり」の山下発言・経過観察問題の口頭陳述(2018.4.25裁判長交替による弁論更新)

https://darkagejapan.blogspot.jp/2018/04/blog-post_27.html

 

【報告2】「国敗れても、責任なし」を貫いた被告国の口頭陳述(2018.4.25裁判長交替による弁論更新)

https://darkagejapan.blogspot.jp/2018/04/blog-post_69.html

 

【報告3】「国敗れて、命あり」を貫いた原告本人の意見陳述(2018.4.25子ども脱被ばく裁判)

https://darkagejapan.blogspot.jp/2018/04/blog-post_72.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔opinion7594:180428〕