国家の破綻をどう克服するか―大学講義のあいまに(4)

教職哲学のコメントに次のように応答しておきました。
問 ヘーゲルの国家論に関連してですが、国家が調整しても、貧困が増大しているという問題がありますが、これはどうとらえればいいのでしょうか?

答 20世紀後半は福祉国家がかなり実現しつつあったのですが、最近財政が期待通りには機能しなくなって、財政赤字ばかりが増大し、福祉は後退してきていますね。

それは国内的には少子高齢化で、高齢者福祉を賄う財源が枯渇しつつあるということがまず第一です。そして巨大に膨れ上がった官僚機構の維持に税金が使われるので重税国家になっているということですね。

そしてグローバル化してきた経済で日本の国際競争力が低下してきているので、相対的に豊かな国ではなくなってきているということです。つまり国内産業が空洞化してきているので、国内総生産が伸びないということですね。

これらを解決するには、大胆な労働開国が必要です。若い労働力を海外から大量に入れて、年齢構成の若返りを図ることです。

これには治安悪化の懸念や、失業増加の懸念もありますが、居住空間の整備や、ある程度計画的な組織化された導入をして、国内市場拡大や空洞化対策とも連動するようにすれば、むしろ景気回復による雇用増加になるかもしれません。

そして大胆な行財政改革で、効率的な行政を行う事、その際余剰の公務員がでますが、これが失業者の増加となったら困ります。そこで余剰公務員が共同で事業を起こす資金を退職金の代わりに提供するのです。もちろん事業計画を審査した上で、日本経済を牽引すると見込めるものに限りますが、そして一定期間内に完全民営化することにします。

ともかく日本の国際競争力の低下を挽回するために、国民総動員で、役所・企業・学校・地域の総点検をすることですね。なんといっても学力低下が著しいようじゃお先真っ暗です。

記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion0812 :120319〕