地震と原発事故情報  その(10)

 首都圏に大量の放射能物質がばらまかれた。広瀬隆さんの「想定すべき人災」。

「東電の対応遅れ後手」を福島県南相馬市長批判。

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(1)3月15日(火)2号機の放射性物質を閉じ込める「最後の砦」である原

子炉格納容器が損傷して、放射能がもれ、首都圏に大量の放射能が空気中にまき

ちらされた。外出の時は、花粉マスク、帽子、ビニールレインコートなどで防護

しよう。鼻や口から吸わない、ヒフに放射能を付着させないことが大事です。小

学生たちを外で遊ばせるのはすぐにやめさせて屋内へ入れよう。

(2)毎日新聞3月16日夕刊で広瀬隆さんが「想定すべき人災」と題した1文

を載せている。「想定外」をくり返す、原発推進派のウソをあばいている。その

要旨を紹介します。

 …… これは人災だ考えています。その責任の所在は東京電力だけでなく、管

直人政権、経済産業省の原子力安全・保安院、原発を推進してきた大学や大学院

教授らにもあると言えますよ。津波発生は日本の宿命で、1896(明治29)

年の明治三陸沖地震」では高さ38メートル以上の津波が起こっている。だから

「想定外」という表現は当たらない。想定すべきだったんです。(中略)メディ

アはなぜ、東電や政府の発表を垂れ流すのでしょうか。放射能が漏れていても

「直ちに人体に影響を与えない」と繰り返しています。しかし、発表されている

のは1時間当たりの数値。365日×24時間で計算してみなさい。想像力もな

く、レントゲン並みとか自然界の何分の1と報道している印象です。漏れるとい

う「異常」に対する驚きも怒りも薄れている。福島から排出された放射線は宮城

県の女川原発付近でも検出されましたし、風向きによって関東地方にも達してい

ます。仮に最悪の事態に至ったならば、放射能汚染は1週間ぐらいかけてじわじ

わ列島を包んでいく。逃げる場所は全くありません。これが原発の震災、人災な

んです。

(3)東電の対応の遅れが原因―桜井勝延南相馬市長怒る

 東日本大地震で津波に襲われた福島県南相馬市長は津波につづく原発事故で東

電の対応に怒っている。以下その要旨。

 地震翌日の十二日、福島第一原発1号機が爆発。事故の一報を聞き「なぜだ」

と思ったという。地震が起きても津波がきても、冷却装置は大丈夫だと東京電力

が力説していたからだ。その後も3号機の爆発、2号機の核燃料全露出、4号機

の火災… 桜井市長は「爆発しては海水を入れて冷却する。同じことを繰り返し、

対応は後手後手。対応の遅れは東電が廃炉をちゅうちょしたからだ」と指摘。

「海水を入れると廃炉になる。1号機の事故の後、ほかの炉にも海水を入れて、

冷却するべきだった。1号機以降の事故は人災だ」と話す。「住民は、みんな燃

料の大半が溶けるメルトダウン(全炉心溶融)寸前なのにと、恐怖におののいて

いる。逃げ出したいが移動手段がないし、行く場所もない」という。原発事故が

連続する事態に職員も、住民を市外に避難させなくて良いのかという疑問に日々、

悩んでいるという。原発で仕事をする住民が「本当にここにとどまった方が良い

と思っているのか。原発はもう駄目だ」と怒鳴り込んできたこともあった。(以

下略)(東京新聞3月16日夕刊より)

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