少し遅れましたが、3月9日に行った東京・名古屋での同時行動のご報告です。
こうした取り組みがもっともっと拡がってほしいと思います。
皆さんも「死の商社」に声を届けてください。こうした時だからこそ、一人ひとりにできるアクションを!
◆「憲法違反の武器輸入から手を引いて!」の声を届けてください!
【伊藤忠アビエーション】
<東京本社>
TEL 03-6435-5100
FAX 03-6435-5190
メール https://www.iaj.co.jp/inquiry/edit/ (お問い合わせフォーム)
〒107-0052 東京都港区赤坂2-9-11 オリックス赤坂2丁目ビル4階
<名古屋支社>
TEL 052-583-8200
FAX 052-583-8071
〒450-0002 名古屋市中村区名駅4-5-28 桜通豊田ビル11階
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【報告】
伊藤忠アビエーションは憲法違反の長距離巡航ミサイルJSMの輸入をやめろ!
3.9本社前抗議
https://kosugihara.exblog.jp/240173639/
3月9日正午過ぎ、武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の呼びかけで、
溜池山王駅そばのビルに入る伊藤忠アビエーション株式会社に対する抗議
行動を行いました。13人の市民が参加。横断幕やプラカードなどを掲げて、
チラシを配布。マイクでオフィス街を歩く人々に訴えました。
13時からは同社内の応接室で代表4人が、小島経営企画部長、冨田同部
情報・総務チーム長と約50分間面談し、NAJATの要請書と名古屋の「不戦
へのネットワーク」「東海民衆センター」からの要請書を提出。さらに、
NAJATが用意した公開質問状も手渡し、後日の文書回答を求めました。
しかし、同社側は「当社の規定により」として公開質問状への文書回答
を拒否。拒否するか否かの基準も示せないとしました。結局、こちらの粘
りに「文書回答できるかどうかを3月16日までに連絡する」と返答。
さらに、「JSMが憲法9条に基づく『専守防衛』原則を逸脱する武器であ
ることをどう認識しているか」との問いには、「防衛省・自衛隊からの要
望に基づいて国内法で輸入が認められたものに限って業務を行っている」
「民間企業として法的解釈を説明する立場にない」と繰り返しました。
「JSMはやがてF35に搭載される。それが近隣国への攻撃に使用され、民間
人が殺傷される戦争犯罪が引き起こされる可能性がある。企業としての責
任をどう考えるか」との問いには、「個別の装備品の運用方法についての
判断は一企業としてはできない」と思考停止。要するに、「売った武器が
どう使われようが知ったことではない」との態度を貫きました。
一方で「全体のポリシーは国民の生命・財産を守ること」と主張。これ
には市民が「他国の人々の命が奪われても構わないのか」「国内法を守る
というが、国際人道法は無視するのか」と反論。また、「市民がJSMを憲
法違反だと裁判に訴え、違憲判決が出る可能性もある」「CO2排出企業や
核兵器製造企業への融資を行わない動きが広がっており、憲法違反や戦争
犯罪に関わる企業にも波及する可能性もある。そうしたリスクを背負う覚
悟があるのか」とも追及。伊藤忠側は「ご指摘は真摯に受け止める」と返
答しました。
全体を通して、国策に追随し、自立した判断を放棄した姿勢が際立って
いました。ちなみに、最後に尋ねた笠川信之取締役社長のホームページで
の社長メッセージ「攻撃は最善の防御なり」については、2016年のホーム
ページ公開以来掲載しているとして、「営業の際に自ら出向いてアグレッ
シブにやるべき」との趣旨だと弁明していました。
今回の長距離巡航ミサイルの導入という問題は、メディアの報道も少な
く、その重大性がほとんど伝わっていません。JSMの実際の配備は2021年
度以降とされており、時間はまだあります。伊藤忠アビエーションは「死
の商社」になるべきではありません。この日の取り組みをステップに、し
ぶとく反対の声をあげていきたいと思います。
※その後、3月12日午後に小島経営企画部長から電話で、「文書回答を求
める要望について社内で検討したが、社内規定に従い回答できないと判断
した」との連絡がありました。
この日、名古屋支社前でも同時刻に抗議行動が取り組まれ、10人の市民が
参加。マイクアピールやチラシ配布が行われました。名古屋支社が受け取
りを拒否したため、名古屋の「不戦へのネットワーク」「東海民衆センタ
ー」からの要請書は、東京の本社にNAJATの要請書と一緒に提出しました。
<写真などはこちら>
【名古屋からの要請書】JSMの輸入を中止するよう求める申し入れ
https://kosugihara.exblog.jp/240173536/
以下は、提出した武器取引反対ネットワーク(NAJAT)の要請書と名古屋
からの要請書です。ご一読ください。
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【要請書】
伊藤忠アビエーション株式会社
笠川信之 取締役社長様
憲法違反の長距離巡航ミサイル「JSM」の輸入からただちに手を引いてください
現在、衆議院を通過し参議院で審議中の2020年度防衛予算案に、ノルウ
ェー・コングスベルク社製の長距離巡航ミサイル「JSM」(射程500km)の
購入費136億円が計上されています。2018年度、2019年度に続き今回が最
後の予算計上となり、計237億円もの血税が投入されます。
JSMは、2016年の「国際航空宇宙展」で展示されていました。安倍政権
は、2017年12月に突如として、JSMと、同じく長距離巡航ミサイルである
米ロッキード・マーチン社製の「JASSM-ER」「LRASM」(射程約900km)の
導入を決めました。政府は「敵の射程外から攻撃するため」の「スタンド
オフミサイル」だとして保有を正当化していますが、事実上の敵基地攻撃
兵器に他なりません。長距離巡航ミサイルは「離島奪還」などの上陸作戦
にはそもそも向いておらず、「島しょ防衛での対地攻撃用」との口実は真
っ赤なウソです。
JSMは、政府が105機もの大量購入を決めたF35Aステルス戦闘機に搭載さ
れ、対地攻撃を担うことになります。それが、憲法9条の理念に基づく
「専守防衛」原則を真っ向から踏みにじることは明らかです。その意味で
JSMは憲法違反の武器なのです。
だからこそ、そのJSMの輸入代理店となっている伊藤忠アビエーション
の責任が厳しく問われています。驚いたのは貴社のホームページにおいて、
笠川信之取締役社長がなんと「攻撃は最善の防御なり。」とのメッセージ
を発していることです。もはや「専守防衛」を原則とする国の武器貿易商
社としての自制は投げ棄てられています。これは2018年2月14日の衆議院
予算委員会において安倍首相が表明した「先に攻撃した方が圧倒的に有利
になっている」との暴言とも符合します。安倍政権による憲法の蹂躙に追
随し、憲法違反の武器輸入で公然と儲けようとする貴社には、「死の商社」
との称号がふさわしいのではないでしょうか。
「専守防衛」を担保してきたのは能力を制限することでした。その歯止
めが失われてしまえば、軍拡を抑える機能は失われ、時の政権の意志しだ
いで、容易に先制攻撃すら可能となるでしょう。そして、日本が先制攻撃
能力を持つことは、東アジアの軍拡競争をさらに加速させ、地域に暮らす
人々の安全をむしろ脅かすことにつながります。
政府が過ちを犯そうとするとき、市民や企業こそが倫理の力によってブ
レーキをかけるべきです。貴社の姿勢はそれに逆行し、自社のブランドイ
メージをも毀損する最悪の選択です。
幸い、長距離巡航ミサイルの導入はまだ始まったばかりです。JSMの配
備は2021年度以降になると言われています。まだ間に合います。私たちは
貴社が憲法違反のJSMの輸入からただちに手を引くことを求めます。その
ことは、ほとんど知られていない敵基地攻撃兵器の導入問題を広く知らし
めるとともに、安倍政権による9条壊憲先取りの動きへの大きなブレーキ
となるでしょう。憲法違反と戦争加担の道からひき返すことを強く要求し
ます。
2020年3月9日 武器取引反対ネットワーク(NAJAT)
東京都新宿区下宮比町3-12 明成ビル302 3.11市民プラザ気付
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【名古屋からの要請書】
JSMの輸入を中止するよう求める申し入れ
伊藤忠アビエーション株式会社社長 笠川信之様
2020年3月9日
私たちは戦争や紛争のない平和な社会を作ることを目指す市民団体です。
貴社に対して以下のように申し入れをします。ご検討をよろしくお願いし
ます。
2020年度防衛予算にノルウェー・コングスベルク社製の長距離巡航ミサ
イル「JSM」購入費136億円が組み込まれており、その輸入代理店は貴社・
伊藤忠アビエーションであると報道されています。私たちはこのJSMの輸
入をやめるよう貴社に求めます。JSMは射程500㎞とされています。政府は
「敵の射程外から攻撃するため」と保有を正当化していますが、私たちは、
敵基地攻撃兵器に他ならないと考えています。従来の政府見解に基づく専
守防衛とは他国から攻撃されて初めて、自衛のための防衛力を行使する、
というものでした。そのため航空母艦などは保有できないとされていまし
た。今予算では護衛艦を事実上の空母化しようとしています。それとあい
まっての長距離ミサイルの保有です。この間、安倍政権は既成事実の積み
重ねにより安保政策の基本をゆがめようとしてきました。JSMの保有は憲
法違反と言わざるを得ないと考えます。
世界で戦争、紛争が絶えないなか、世界の市民社会は今、軍事企業に厳
しい目をむけています。地雷やクラスター爆弾の製造を禁止し、核兵器製
造に関わる企業には銀行が融資しないなどを決定しています。紛争国や
「国際的な人道法違反」を侵している国への武器輸出を禁止しようとの動
きもあります。そして、核兵器禁止条約にみられるように、抑止力という
考え方も改めようという動きになっています。「武力による威嚇または武
力行使」は憲法9条でも禁止されています。その意味では、社長の言われ
る「攻撃は最善の防御なり」は軍事に限れば憲法違反です。JSMの導入は
憲法違反です。
伊藤忠商事グループのCSRの考え方は「企業も社会の一員であり、良き
企業市民として社会と共生し、事業活動を通じて社会の期待に応えていか
なければ、その持続可能性を保つことができない」とうたわれています。
私たちはこのような貴社のお考えに賛同いたします。それに従えば、憲法
違反と指摘されているJSMの輸入にたいしては、政府のみならず、貴社の
社会にたいする説明責任も発生します。社会保障費が削減され続けている
のに、防衛費は増え続け、5兆円を超えています。異常です。また、コロ
ナウィルス感染拡大の背景として感染症などの研究経費などが毎年削減さ
れていることなどが指摘されています。国の予算のこととはいえ、「防衛
企業」としての貴社にたいするまなざしは厳しいものになります。企業利
益だけではなく、平和な社会の実現のための事業活動を展開してください。
戦争、紛争をなくするという世界そして日本の市民社会の努力に応えてく
ださい。
以下、申し入れします。
1、JSMの輸入を中止してください。
不戦へのネットワーク
東海民衆センター
連絡先 〒450-0001 名古屋市中村区那古野1-44-17嶋田ビル203
husen@jca.apc/org
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion9557:200319〕