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よりの続きです。
【 2の3 第三の幸運! 】
以上の2つの偶然の他に、更に第三の幸運もあった!
東電が昨年2011年12月2日に公表した
「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」の添付資料によれば、
福島第一原発4号機の「使用済み核燃料プール」の水温が、
3月14日あたりから摂氏90度という、ほぼ、沸騰状態の高温に達した。
http://nucleus.asablo.jp/blog/2012/03/10/6369818
施設原子力情報室掲載の「図2 4号機SFPの評価結果」参照
そのため、3月15日には「使用済み核燃料プール」の水が大きく減り続け、
同日深夜頃に、プールゲートの「仕切り板下部」が、
「原子炉ウェル」側からの水圧に抗し切れずに壊れて、
「原子炉ウェル」側から、「使用済み核燃料プール」側へと水が流入した。
これによって、「使用済み核燃料プール」の水位が、
満水時の水位から図って、マイナス4メートルだったのが、
マイナル3メートルくらいにまで、水位低下のスピードが落ちたことは、
前回までの報告で解った。
しかし、「象の鼻」やポンプ車などを駆使した外部からの、
懸命の冷却水注入にもかかわらず、
その後も「使用済み核燃料プール」の水位の低下はジワジワ続いたことが、
上記URLの東電発表の水位変化の時系列グラフからも確認できる。
そして、ついに4月21日には、
使用済み核燃料の頭頂部から僅か1・5メートルの高さにまで、
「使用済み核燃料プール」の水位が下がる状態となった。
ところが、その後で、これも、またまた、全くの「第三の偶然」の出来事によって、
4月22日に、注水によって高くなった「使用済み核燃料プール」側の水圧のせいであろうか?
プールゲート部の「仕切り板」が、
偶然、また閉まる!という「第3の幸運」な出来事(現象)が起こったのです!
この4月22日に起こった「仕切り板の再閉鎖」現象が、なぜ起こったのか?
また、この閉鎖は果たして完全に閉まったのか?
それとも、不完全な閉鎖なのか・・?
プールから外部への漏冷却水漏れの止まった原因が、
「仕切り板自体の破損」によるものではなく、
プールの他の箇所で発生していた損傷・亀裂箇所が、
なんらかの原因で「偶発的に閉じた」ことが原因だったのか・・・?
などなど・・
これらを全て確認するためには、
使用済み核燃料をプールから
全て除去して現場検証するしかない。
にもかかわらず、「原子炉は安定的冷温停止状態に達した」などと
東電をはじめ、政府や原子力安全・保安院、原子力安全委員会の発表が、
いかに国民を欺く無責任な安全宣言であるかが、解るであろう!
政府が発表した、「安定的停止状態に達した」の安全宣言が、
戦時中の「大本営発表」であることは、
この4号機「使用済み核燃料プール」の
「全くの偶然の出来事(現象)」であったことからも、明白であろう!!
ともあれ、この「第三の幸運な偶然の出来事」が発生したことで、
「象の鼻」や緊急ポンプを駆使して外部から注水された冷却水の水位は、
「使用済み核燃料プール」の水位も再び上昇をし始め、
一応、安定状態に戻るに至った。
以上が、東電の昨年12月2日の
「福島原子力事故調査報告書(中間報告書)」の資料から解る。
4号機の「使用済み核燃料プール」が、
最悪の状態に至らなかったのは、
以上、「3つの全く幸運な偶然」が重なったためであった。
この「三つの幸運」を整理すると、
(1)原子炉ウェルに水が、たまたま、あったこと(これも想定外)
(2)プールゲート部の「仕切り板」の底部が、ウェル側からの水圧で破損したこと(これも想定外)
(3)プールゲート部の「仕切り板底部」が、プール側の水圧で、偶然にも、再び閉まったこと(これも想定外)
この「三つの偶然」のうち、どれか一つでも生じなかったら、
圧力容器も格納容器も無い、プルトニウムを大量に含む、
剥き出しの使用済み核燃料の再臨界やメルトダウンが発生し、
首都圏はおろか、名古屋や関西地域の西日本一帯も含めた、
日本列島全域に及ぶ、空前絶後の大汚染、大惨事となっていた!・・であろうことは
前回も既に述べた通り!
科学技術の確かさ、高度化、精密さは、
事故の防止や回避とは全く別の事柄である、ということが、
この四号機の「使用済み核燃料プール」の
「偶然な出来事」を通じて確認できます!
*****転送/転載/拡散歓迎*****