孫崎享氏のTwitterより“警察の裏金と報道/有力学者 中国指導部の対米感を発表/エジプトの米国離れ/核サミット 野田首相は三列目”など

4月4日
日本のエスタブリッシュメントの一員になるには・・・
空気:日本のエスタブリッシュメントの一員になるには、「原発推進」「TPP賛成」「増税支持」「辺野古移転推進」しなくてはいけないという空気があるのです。多くの「エスタブリッシュメント」、「エスタブリッシュメント予備軍」はこの空気の外に行けない。いけば「はい。さよなら」  

高田昌幸著『真実』―警察の裏金と報道
高田昌幸著『真実』:高田氏から頂戴。印象を書くが、その前に何故私が警察の裏金報道に関心を持つかを述べる方がよいだろう。私の『日米同盟の正体』からの抜粋。―高知新聞は警察の捜査費問題を二〇〇三年七月に報道します。警察の裏金問題というのは大変なエネルギーが必要です。担当の記者は書くか書かないかで究極の選択を迫られた。警察の幹部から『書いたらおまえは敵になる』『尾行する』『携帯の履歴を調べる』と言われ、『書かなかったら一生おまえにネタをやる』といわれます。そこで彼は悩む。書いたらガサ入れに高知新聞だけ知らないと言うことがあるかもしれない。書かなかったら、おそらく本当に一生ネタをくれるだろう。彼が迫られたのは新聞記者なのか、新聞社員なのかということだろうと思います。 社員として出世するなら会社が嫌がる原稿は、取り下げるの選択はあったと思います。社員として出世しようと思えば警察と取引する方法もあった抜かれないため、組織の中で何とか生き残っていくための仕事をやって、それだけで手一杯。しかし、自己保身のために忠実な会社員の道を選んだら、つまり新聞記者を捨てたら、新聞記者になった意味はありません」(依光隆明高知新聞編集部次長、)―(筆者注:「記者」はあらゆる分野での任務に該当する)。つまり、『新聞記者』になるか『新聞社員』になるかの問は『外交官』になるか『外務省員』になるかの問でもあったのです。さて新聞記者を選択したらどうなるか。どんな運命が待っていたか、それを高田昌幸著『真実』が書いています(続)。

「イランとの衝突は延期された」
イラン:軍事対立は少し遠のいたか。4日イエルサレム・ポスト「イスラエル軍高官〈複数)はイランとの(軍事)衝突は2013年に延期されたと述べている」。基本オバマ政権が軍事攻撃支持をしてないこと。選挙年の方がイスラエル・ロビー圧力強。米ユダヤ人の62%オバマ再選望む(PRR世論調査)

元検事総長と原発
元検事総長が原発に発言していけない訳はない。彼が原発推進に回ると「やはり」と納得する不思議さ。28日産経「元検事総長・但木敬一 原発再稼働、まず説得力」「原子力発電の道を閉ざしてはいけない。エネルギー源多様性確保は、わが国にとり死活問題」。元検事総長もこの程度

米海兵隊16年までに豪州へ2500名 
米海兵隊:基地は最早沖縄だけでなくなった。3日星条旗新聞「4日第一弾250名が豪州ダーウィンに到着予定。2016年までに2500名に。」

4月3日
ストレスの新しい研究
健康:2日USNEWS:「ストレスの新しい研究(三〇〇人対象)。高い、長期のストレスは対内に炎症を起こし、心臓病、喘息、自律免疫システムの失調に導く」

脱原発 推進派の巻き返し
脱原発:危険を顧みず再稼働に突き進む敦賀市長、金以外に何?2日福井新聞「再稼働で、政府が理解を求めるべき”地元”の範囲が焦点。経産相、京都、滋賀両府県知事の理解が前提との認識表明。敦賀市長は「立地自治体が『地元』」と範囲拡大の動きを牽制。範囲拡大は再稼働に時間、立地市町反発の声」
住民の力。3日朝日「野田政権は定期点検停止中の関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)を再稼働させる政治判断を先送りする方針を固めた。福井県に隣接する京都府や滋賀県などの反発が強く、慎重に見極める。政権がめざす4月中の再稼働も厳しい情勢になった」
推進派の巻き返し。3日読売「大飯再稼働、地元の理解と同意は別…官房長官」「経産相が再稼働の際に、滋賀県、京都府の両知事の理解を求める考えを示したことについて官房長官は『再稼働の前提となる地元自治体の”同意”とは一線を画する』との認識を示した」
巻き返しの凄さ。一体何が起こっているのだ。3日産経ニュース「枝野経産相、前日の再稼働反対答弁を修正」「経産相は3日、関電大飯原発電3、4号機の再稼働について再稼働に反対とした2日の参院予算委員会での答弁を軌道修正し四大臣で今後協議とした」

原発依存=米国依存
原発・ジャパン・ハンドラー日本の原発維持を説く。何故軍事専門家が日本の原発推進論を説くのか。何となく解る。原発依存=米国依存。3日産経「日本指導者は、原子力エネルギーにどの程度依存しなくてもよいと望むのか、と日本国民に問うより、商業用原子力への前向きな見通しを奨励する方が賢明だ」

鳥インフルエンザ 作られたウイルスは簡単にferretに感染
鳥インフルエンザ:AP:米政府の資金でウシコンシン大学等2研究チームがアジア発生の鳥インフルエンザ研究。これまで人への感染は難しかったが、研究室で作られたウイルスは簡単にferretに感染し、人への拡大が起こることを示している。

有力学者、中国指導部の対米感を発表
米中関係:2日NYT:「中国有力学者王缉思が、中国指導部の対米感を発表(Addressing U.S.-China Strategic Distrust),これは稀。彼の見解『中国指導部は米中覇権をめぐる競争をゼロサムゲームー一方が勝てば一方が負けるーと見ている、米国は今や凋落する勢力で究極的には中国が勝つと見ている、中国指導部は鄧小平の説く中国の低姿勢の時代は終わったと見ている。軍事も近代化。しかし中国指導部は米国は中国の経済力、軍事力を覆すために闘いを挑んでくるとみている。共著のLieberthalは双方共軍事力拡大、他国にどちら側につくかの選択を強要する。軍事的紛争に発展しかねないとの見解』。王缉思(中国当代一流国际政治学家、北京大学国际关系学院院长)、このNYT論評は私の『不愉快な現実』と同じ基調。本の中でも王缉思は中国指導部と深い関係を持ち、かつ率直な発言者として注目。

4月2日
保安院、まだ浜岡原発の稼働を考えているのか
脱原発・浜岡:保安院、まだ浜岡原発の稼働を考えているのか。事故は津波だけではない。地震で大事故が充分想定される。中部電力、浜岡は無理なんです。防潮堤という無駄な投資をしないで、早く方向転換すべきです。2日朝日「浜岡原発、津波21m想定の影響検討を 中部電に保安院」

米国 学生ローンの残額が8700億ドル
米国社会:2日wp「学生ローンの残額が8700億ドル。この内60歳以上が背負うシェアーは4.8%。個人破産をしても学生ローンは残るシステム。墓場までローン」

木内孝胤議員が離党届
木内孝胤議員(昔ロンドンで一緒、本フォロアーの一人と了解)殿:「こんな民主党と一緒になれるか」は今、多くの国民の感覚と思います。今後の更なるご活躍を祈念します。2日読売「木内孝胤議員が離党届」

増税 「首相は熱病かかったよう」
森裕子参院議員殿:貴議員の力のこもった正論を、文部科学副大臣時代は、あまり聞かれず淋しい状況でしたが、再度のご発言待っています。2日読売「首相は熱病かかったように(増税の)法案を通そうとしている。森裕子参院議員」

何故再稼働なの
脱原発。当面の焦点は大飯原発再稼働。2日毎日(世論調査)「再稼働に”賛成”は33%”反対”は62%。反対は近畿では63%、甲信越・北陸では54%」。世論無視の野田首相、再稼働を狙っている。原発停止の中、電力は動いている。何故再稼働なのだろう。誰か説明して。

「規制関与の機構と電力業界も金銭面でつながってた」
原発:金で政策・規制買う2日朝日「規制関与の機構と電力業界も金銭面でつながってた」「電力業界、原子力機構に多額寄付 原発事故後も継続」「原発の安全審査機関に委員を多く送り込んでいる日本原子力研究開発機構に長年寄付」「電力会社等安全審査機関でメンバーを務める大学研究者に多額の寄付」

エジプトの米国離れ
エジプトはイスラム社会の盟主的存在。ここに顕著な米国離れの気運.1日イエルサレム紙「最近米国のギャラップエジプトで世論調査実施。82%が米国からの経済援助に反対(2011年4月には反対は52%)、2011年の米国のエジプト支援は17億ドル。内13億ドルが軍事
この変化はエジプトの騒擾を盛り上げるために、米国NGOが活動していたことが暴露され、訴追されたことと関連。56%のエジプト人は米国との緊密な関係はエジプトに害と判断。エジプト人が緊密な関係を望む率は米国―約25%、トルコー60%、イランー41%。

4月1日
脱原発 まともな感覚持つ政治家なら当然
脱原発:この分野高く評価。まともな感覚持つ政治家なら当然。1日時事「全原発廃止、定款に追加=関電への株主提案で-大阪府・市。”エネルギー戦略会議”で定款に”可及的速やかに全ての原子力発電所を廃止する」との条文を追加が柱”。今月中旬、知事が本部長の府市統合本部で最終決定」

原発と広告
47ニュース③「新聞テレビに浸透」「電力10社の有価証券報告書で、マスコミ広告費+原発PR施設運営費等経費加えた普及開発関係費は、10年度だけで計約866億円。電事連の広告宣伝費は、過去5年平均で年約20億円。原子力の広報は単なるPR費ではなく原発建設費の一部」
西原元早稲田総長「東日本震災は我々の生き方を問う」
東アジア共同体学会:締めくくりに西原元早稲田総長:東日本震災は我々の生き方を問う。宗教改革以来、西側は資本主義、技術改革、民主主義を金科玉条に信じてきたが、この原則で本当に良かったか。全ての根源は命の大切さ、それを守る社会。今日の諸制度がそれに合致したものであるか考え直す時。

3月30日
脱原発・住民パワーは無力ではない。
30日読売「枝野経産相は山田京都府知事と嘉田滋賀県知事が、関電大飯原発3、4号機の再稼働にへの反対表明について、”地域の住民の皆さんを代表する立場としての発言であり、大変重たいものだと思っている”と発言」

朝鮮半島 “紛争を避けることが当事国の利益になる”
29日星条旗新聞「サーマン在韓米軍司令官は議会に対して、朝鮮半島情勢を”危険な不確実な時代”、”予期せぬ出来事が起こり、相手の動きを誤って予測する危険性を孕んでいる””北朝鮮の不安定さが最大の危険要因。大量破壊兵器の使用にまでエスカレートする危険性すら存在”と報告。」
情勢が緊迫すればするほど、当事国双方に煽る勢力が勢いを増す。紛争回避が実は互いに利益になると言う戦略感が必要。私の『日本人のための戦略的思考入門』:シェリングは2005年、「ゲームの理論的分析を通じて紛争と協調への理解を深めた」功績でノーベル経済学賞を受賞した。
「紛争をごく自然なものととらえ、紛争当事者が“勝利を追求しあうことをイメージするからと言って、戦略の理論は当事者の利益が常に対立しているとみなすわけではない。紛争当事者の利益には共通性も存在するからである。実際、この分野(戦略)の学問的豊かさは、対立と相互依存が国際関係において依存しているという事実から生み出される。当事者双方の利益が完全に対立し合う純粋な紛争など滅多にあるものでない。戦争でさえ、完全な根絶を目的とする以外、純粋な紛争はない。”勝利“という概念は、敵対する者との関係ではなく、自分自身がもつ価値体系との関係で意味を持つ。このような”勝利“は、交渉や相互譲歩、さらにはお互いに不利益となる行動を回避することによって実現出来る。相互に被害を被る戦争を回避する可能性、被害の程度を最小化する形で戦争を遂行する可能性、そして戦争するのでなく、戦争をするという脅しによって相手の行動をコントロールする可能性、こうしたものがわずかでも存在するならば、紛争の要素とともに相互譲歩の可能性が重要で劇的な役割を演じることになる」。“紛争を避けることが当事国の利益になる”、この単純な公理が緊張時に忘れられ、エスカレートする。今朝鮮半島その危険内蔵

米議会報告「イスラエルの攻撃は実質的に失敗する」
イラン;イスラエルの攻撃ありやが論点。この中イスラエルのハーレツ紙は28日「イランの核施設分散。米・イスラエル共施設の配置を正確に掌握出来ず、攻撃しても6ヶ月で設備の復旧可能。従ってイスラエルの攻撃は実質的に失敗する」とする米国議会報告を報道。
北電新社長「泊原発1、2号機の再稼働見通しつけたい 」
原発;公共事業の電力会社が公共の意志(住民の大多数の論)を無視して経営方針を出せるのはどうも解せない。29日産経「北電社長に川合氏昇格”北電社長に川合氏昇格。泊原発1、2号機の再稼働見通しつけたい” 」

3月29日
市長、「善人」のレッテル欲しかったら、脱原発に邁進して
原発・29日福井新聞「敦賀市長、”交付金受けると『悪人』扱い”。 策定会議で不満訴え」うーん。「悪人」は嫌ですか。「拝金亡者」も駄目だし「我利我利亡者」も駄目だし。しかし「我利我利」は何となく正解に近い気がするし。敦賀市長「善人」のレッテル欲しかったら、脱原発に邁進して下さい。

東洋経済(元)編集長は、不起訴処分で釈放とのこと
原発:東洋経済編集長が痴漢で逮捕された事件は、同誌が脱原発論を展開し、東電に対し厳しい報道を続けていた時期と重なっただけに、事件に疑惑がもたれたが、ある人の連絡によれば、「(元)編集長は、不起訴処分で釈放されたとのこと」。今後東洋経済が脱原発、東電責任をどう報じていくか注視したい

核サミット 野田首相は三列目
(MHK/BSで述べた趣旨):野田首相の外交への無能力、日本外交の弱体露呈。今次会合は核サミットの会議と、北朝鮮・イランをめぐる各国交渉の二面。オバマの北朝鮮呼びかけ、胡錦濤が北朝鮮にミサイル発射呼びかけなど事態は流動的。オバマ韓国に三日滞在し活発な外交展開。
一方日本はどうか。野田首相わずか一八時間。野田外交の低迷は会議終了時の写真撮影で明確化。オバマ、韓国大統領、胡錦濤など当然最前列。見本は朝鮮半島の隣。韓国の隣国。核問題に深い関心あるべし。では野田首相はどこに置かれたか。一列目ではない。二列目ではない。三列目。
三列目の各国首脳の誰が誰か言える人は誰もいない。野田首相の国際的位置はそんなもの。日本は自らの政策を持ち、その実現を働きかけるという外交を放棄。日本外交とは対米追随。だから誰も日本なんか相手にしない。隣の韓国ですら、日本に配慮しなくても平気と思う状況。

孫崎享氏のツイットhttp://twitter.com/magosaki_ukeru
を許可を得て転載。孫崎享氏は元外交官・元防衛大学校

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔eye1897:1200405〕