今日(5月4日)の朝日新聞。小林節慶大教授の主張(「96条改正は『裏口入学』。憲法の破壊だ」)は胸がすくような話だ。彼は、自らが改憲論者であることを認めた上で、96条を改正しようとする動きを切って捨てる。
彼はこう言う。
権力者の側が「不自由だから」と憲法を変えようという発想自体が間違いだ。立憲主義や「法の支配」を知らなすぎる。地道に正攻法で論じるべきだ。「96条から改正」というのは、改憲への「裏口入学」で、邪道だ。
私は、その通りだと思う。苦しいときにストレートで勝負する投手は一流だが、変化球に頼るのは、所詮そこまでの投手であることと同じである。安倍晋三しかり。
さて、原発問題に関して、自らを「被害地元」と規定して、安全協定の有無を理由に、稼働を容認するのか反対するのか、よくわからない態度をとり続けている知事がいる。これも同じことではないか。
あからさまに原発稼働反対だと言うと、自民党や産業界から反発が出る。しかし「安全協定」を持ち出せば、原発に近い県北部の市町の賛成も得られやすいから、それを取り込んで原発稼働に反対しようということだろう。自民党が、維新やみんなに期待するのと全く同じ構図である。
ならば、私も小林教授に倣って、こう述べることにしよう。
権力者の側が「不安だから」と原発稼働に反対しようという発想自体が間違いだ。民主主義や「福島の教訓」を知らなすぎる。地道に正攻法で論じるべきだ。「安全協定がないから反対」というのは、原発容認への「裏口入学」で、邪道だ。
初出:Fbページ「闘う社会学者(早川洋行)」
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
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