宝の島と平和を未来へ!~「馬毛島基地」着工から2年 1.12新宿アクションへ

昨年12月の「与那国島を奪わないための新宿アクション」に続く、奪わないため
のアクションです。寒さ対策を万全にしてご参加ください。

<すぐそばの新宿駅南口では以下もあります↓>
街ゆく人に知らせよう 日本の年金、死の年金
1月12日(日)18時~20時
新宿駅南口
呼びかけ:イスラエルからの投資撤退を求める市民の会 他
https://x.com/akibaforever/status/1876622956270698596

———————————————

宝の島と平和を未来へ!
~「馬毛島基地」着工から2年 1.12新宿アクション
https://shimajimastanding.blogspot.com/2025/01/112.html

2025年1月12日(日)
17時30分~18時30分
JR新宿駅東南口

〈呼びかけ〉
島じまスタンディング ishiisugito@gmail.com (石井)
STOP大軍拡アクション 090-6185-4407(杉原)

種子島の西に浮かぶ馬毛島。弥生時代から、人が住んだり、住まなかったりで、
最後に無人島になったのは、1980年のことだった。どちらにしてもずっと、種子
島の人たちにとっては「心のふるさと」であり、「はらからの島(きょうだいじ
ま)」だ。漁師たちにとっては最高の漁場で、「宝の島」と呼ばれてきた。かつ
てはトビウオ(トッピー)漁のために集団で季節移住するという、独特の漁労文
化が発達した。馬毛島の海岸のほとんどは自然海岸として残され、浅瀬に広がる
藻場は、様々な魚介類の産卵場であり、稚魚達のゆりかごになっている。西海岸
の砂浜はウミガメの産卵場だ。また、この海域は熱帯性サンゴの北限域であり、
美しいサンゴの海はダイバーたちの隠れた名所でもある。種子島の漁民たちは、
この海を育む馬毛島の森林を「魚付森」と呼び、代々大切に守ってきた。馬毛島
は、高い山がないのに真水が流れる不思議な島だ。湿地や河川が数多くあり、多
様な水生動植物が生息する。巨大なガジュマルが連なる緑のトンネルは、馬毛島
体験学習で子どもたちに人気の場所だ。ソテツの自生群落と海岸のあいだでは、
オカヤドカリたちが行き来している。岳の腰のまわりに広がる大草原に、馬毛島
だけに自生するホソバノアリノトウグサが風に揺れている。照葉樹林、湿地、草
原、海岸に、様々な野鳥や蝶が訪れる。マゲシカはおよそ1300年にわたって、こ
の島の独特の自然の中で「種の保存」を受け継いできた。馬毛島は、いきものた
ちの楽園だ。

1月12日、自衛隊「馬毛島基地(仮称)」本体工事着工から2年。

木々がなぎ倒され、緑が剥ぎ取られた。岳之腰は削られ、むき出しになった地表
では砂嵐が起こっている。馬毛島の森林が育んできた藻場やサンゴの上に、馬毛
島の土砂が降り積もっている。馬毛島の東海岸は漁業制限区域とされ、自然海岸
であった場所に3本の仮設桟橋が造られた。ヨコセ、オオカワジり、竹浦、モハ
ミセ、ヒトゼ…と名付けられた、モハミ(ブダイ)やアサヒガニやナガラメ(ト
コブシ)の最高の漁場であった浦々は漁業権消滅区域となり、潰され、軍港化さ
れる計画だ。ヨコセのあたりでは、係留施設の工事が始まっている。マゲシカは
飢え、やせ細っている。工事車両に轢かれることも多いという。防衛省は千頭以
上いると言うが、いったい何十頭のマゲシカが生き延びているのだろうか。いき
ものたちは、どうしているのだろうか。

馬毛島基地建設工事の労働環境は劣悪だという。工事関連の事故も、これまでに
約10件が報告されている。昨年10月には、スリランカ国籍の男性が油圧ショベル
機ごと穴に転落し死亡するという、痛ましい事故が起こってしまった。馬毛島か
ら10Km、対岸の種子島・西之表港は、工事の台船で埋め尽くされた。西之表市内
にはコンテナハウスが立ち並んでいる。工事関係者の数は、昨年9月で4千人を超
えた。そのうち約2千人が種子島に宿泊している。家賃の高騰、宿泊施設の不足
や料金の値上げ、事件事故の多発、生活に必要なインフラの圧迫、第一次産業を
はじめ様々な業種における深刻な人手不足など、馬毛島基地建設工事によって種
子島の経済や暮らしが破壊されている。種子島で獲れた魚を種子島の人びとが食
べる、そういう暮らしが、失われつつある。

馬毛島基地建設のために、これまで8821億円(契約ベース)が使われた。これに
2024年度補正予算に計上された945億円と2025年度予算案の473億円を加えると、
1兆239億円になる。今後どこまでふくれあがることになるのか、たぶん誰も知ら
ない。工期は3年延長された。基地の完成は2030年3月で、滑走路は2027年に先行
して完成させ2028年1月以降にFCLP(米空母艦載機離着陸訓練)開始の見込みだ
という、いまのところは。

次の世代に、何を手渡すつもりなのか。いまの馬毛島の姿が、私たちに問いかけ
る。造られようとしているのは、昼夜を問わず爆音をまき散らす米軍機と自衛隊
機のFCLPのほか島嶼戦争のためのあらゆる訓練が行われる陸海空自衛隊と米軍の
演習場であり、「安保3文書」が掲げる「継戦(持久戦)能力」を支える、滑走
路と軍港と弾薬庫を備えた事前集積・物資の輸送・部隊の機動展開の拠点となる
巨大軍事要塞だ。私たちは、与那国島、奄美大島、宮古島、石垣島への自衛隊基
地建設を許し、沖縄島を含む島じまへの地対艦ミサイル配備を許し、琉球弧全域
の日米共同軍事訓練場化を許してきた。そして、馬毛島を殺し、琉球弧の島じま
を「戦域」と設定し奪い取ることを許し、軍事緊張(抑止)と戦争(対処)を基
調とする東アジアを、次の世代に引き渡すのだろうか。

馬毛島を切り捨てた上で、私たちは平和を構想することができるだろうか。島じ
まが、宝の島じまであり続けること。それこそが、私たちの平和のための条件で
はないだろうか。もうずいぶん壊されてしまった馬毛島を、元の姿に戻すことは
できないだろう。それでも、この残酷な工事をやめさせて、長い時間をかけて、
少しずつ豊かな馬毛島を取り戻していく。馬毛島再生へのビジョンを、共生と平
和へのビジョンとして、未来へつなげること。昨年12月の「与那国島を奪わない
ための新宿アクション」に続く、奪わないためのアクションになります。ぜひご
参加ください。

グラウンドルールはこちらの後半をご覧ください↓
https://shimajimastanding.blogspot.com/2025/01/112.html

【こちらもご参照を】
〈種子・馬毛・鹿児島報告①〉馬毛島と平和を未来へ
https://shimajimastanding.blogspot.com/2024/12/blog-post_31.html