対ポーランドが始まった。
忘れないでいて欲しい。多くの人間が死んでいったことを。
このポーランドの地で、今から70数年前にいま日本中の耳目を集めているポーランドの
幾多の人々の命が奪われていったことを。
そこはアウシュビッツ、ビルケナウでのことだ。
人々は、このナチスの蛮行を承知しているであろうが、そこはポーランドの地であったごとを
認識していることを。
わたくしが、この地を訪れたのは十年ほど前のことであったが、そこで行われた人間とも言えぬ
権力による行いに、ただ呆然としてしまった。そんな地の代表と日本チームがサッカ-で対戦しようとしている。
TVに映し出される映像は、まさに平和でなければ描き出し得ないものである。
試合の結果、どちらが勝つにせよ握手をして別れ再開を約束できるものだ。
しかし、過去の出来ごとは再開などあり得ないものであった。
ビルケナウという地名はあまり聞きなれない名前であろうが、そこはアウシュビッツに隣接する地、数十倍の虐殺の地である。
犠牲となったのはユダヤ人ばかりでなく、ロマ、少数民族などあらゆる人々を恐怖に陥れた地であった。
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