原子力規制委員会が再稼働第一号に指定した鹿児島県の川内原発。その再
稼働に向けたスケジュールの輪郭が見えてきています。報道により、ニュ
アンスの微妙な違いはあるものの、大枠以下のような流れのようです。
<九電が補正申請書を4月末までに提出→規制委が審査書案を作成→1ヶ月
のパブコメを経て5月末以降に審査書完成→最終審査を経て合格→立地自
治体の同意や現場検査→8月以降に再稼働>との見通し。
ただ、あくまで現段階における見通しであり、予断を許しません。
川内原発「合格」6月以降に 審査ずれ込む(4月10日、日経)
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS10030_Q4A410C1EE8000/
川内原発再稼働 8月以降に 6月末にも審査合格(4月10日、産経)
http://sankei.jp.msn.com/science/news/140410/scn14041021330009-n1.htm
川内原発の書類提出、4月末に 九電、夏の再稼働は微妙(4月10日、朝日)
http://www.asahi.com/articles/ASG4B4D3ZG4BULBJ005.html
◆ご報告が遅れましたが、先日4月3日、規制委員会による川内原発現地調
査に対する抗議行動の際に、九電に提出された要請書を3通ご紹介します。
「川内再稼働お墨付き許されぬ」反原発団体、規制委調査に抗議
(4月4日、西日本新聞)
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/kagoshima/article/79996
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2014年4月3日
原子力規制委員会
委員長代理 島崎邦彦様
申入書
反原発・かごしまネット
代表 向原祥隆
〒892-0873 鹿児島市下田町292-1
TEL 099-248-5455 FAX 099-248-5457
http://www.synapse.ne.jp/peace/minami-index.htm
原子力規制委員会は3月13日、九州電力川内原発1、2号機を優先的に
審査することを決めました。
しかしながら、私たちが指摘してきた多くのことが、積み残しのままに
なっているのではないでしょうか。一たび川内原発が爆発事故を起こせば、
鹿児島県全域が壊滅しかねません。規制委員会には、下記の事項について、
きちんとした結論を出し、公開するよう申し入れます。
(1)原発周辺の活断層の存在をすべて解明すること
1 地震調査研究推進本部地震調査委員会が示した以外の活断層を明示すること
理由:2013年2月発表の長期評価は、いわば中間報告であることが議事録
を見ればよく分かる。地震調査委員会の議事録には「委員:断層図を見る
限り、今回指摘された個所以外にも、多数の断層変異が認められる」
(2012.7.26)「委員:今回のように生データを見ると『活断層が存在す
るのは明らか』」(同)「委員:電力会社の資料を見る限り、市来断層の
延長部の海域には、少なくとも何条かの活断層がある。それは膨大な作業
量となるだろう」「主査:それらは原子力保安院の会議で行う作業である」
(2012.6.25)という文言が並ぶ。
保安院なき今、地震調査委員会が示した以外の活断層を評価するのは、規
制委員会の責務である。
2 FA(甑断層)の東端を明示すること
理由:地震調査委員会の議事録に「委員:FA断層の東端はどこか等の読
み直しが必要となる」(2012.6.25)との文言がある。東に延びれば、川
内原発に一層近づく。
3 FC(甑海峡中央断層)の北端を明示すること
理由:「委員:FC断層がさらに北に延びる可能性についてはどうするか」、
「主査:FC断層がFA断層を止めているということか」、「委員:その
ように見えるということである」「事務局:その可能性があるということ
である」(2012.6.25)との文言がある。北に延びれば、川内原発に一層
近づく。
4 川内川河口推定断層の存否を明示すること
理由:川内原発1kmの川内川河口推定断層は橋本他論文(1972)によっ
て広く知られる。事実、川内川河口の両岸に20~30mのMIS5e(12.5万年
前の海成段丘面)があり、下山論文(1999)には河口-36.1mにMIS5eが
ある。河口が50~60m陥没構造にあることを示す。九電はこの事実を無視
している。
5 炉心から800mの距離にある断層が活断層でないことを明示すること
理由:炉心からおよそ800mにある林道露頭に幅20cmないし30cmの破砕帯
を伴う断層がある。その中心部分には軟らかく、指でこねることのできる
断層粘土が存在する。こういう性状を持った断層は少なくとも3本、近接
して観察される。断層粘土の軟らかさから、12~13万年前以降に動いた活
断層の可能性が極めて高い。
(2)火山災害に対する安全性の根拠を明らかにすること
1 桜島の考えられる最大規模の噴火を明示すること
理由:文明、安永、大正等の噴火が知られるが、これ以上の噴火はあり得
ないのか、最大級の噴火はどの程度になるのか。
2 大規模火砕流の到達しない根拠を明示すること
理由:川内原発直近3kmには、2万7千年前の姶良カルデラによる入戸火
砕流、10万5千年前の阿多カルデラからの阿多火砕流の露頭があり、到達
したことは明らかである。九電は火砕流の可能性は極めて小さいとするが、
何の根拠もない。
以上
PDFはこちら
http://www.synapse.ne.jp/peace/20140403kiseiiinkaimoushiire.pdf
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2014年4月3日
原子力規制委員会
委員長 田中俊一様
委員長代理 島崎邦彦様
優先審査についての申し入れ
新規制基準への適合性審査に10原発17基が申請されている中、3月13日、
貴委員会は、川内1・2号機を優先的に審査することを決定されました。
その理由が基準地震動を九州電力が柔軟に見直した数値が「妥当」との
評価が決め手になったというものでした。九州電力の基準地震動の策定に
ついては、専門家によると過小評価であると指摘があり、基準地震動の策
定見直しの必要があります。九州電力の基準地震動の数字と取り組み姿勢
だけで審査優先されたとあっては、私たちは納得できません。それでは、
規制委員会は、再稼働ありきで、ことを進めているとしか受け取れません。
また、本日は、敷地内断層の観察となっていますが、原発の安全性は敷
地外の断層も徹底的に調査して初めて得られものです。
原子力規制委員会が、かつての原子力安全・保安院と体質が異なる委員
会になったことを証明するためにも、原発に批判的な専門家の意見も踏ま
えた、原発立地住民に信頼される審査をされるよう求め、下記のとおり申
入れます。
記
1.活断層については敷地内だけでなく敷地外のものも徹底的に調査する
こと
2.基準地震動策定を見直し、過小評価でごまかさないこと
3.火山、火砕流、火山灰についても徹底的に調査し検討すること
4.審査に、原発事故避難計画とそのシミュレーションをいれること
5.審査書案をまとめた後に開催される公聴会は、自治体ごとに開催し、
原発に批判的な専門家も招へいすること
川内原発建設反対連絡協議会
川内つゆくさ会
<鳥原良子>
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2014年4月3日
原子力規制委員会
委員長代理 島崎邦彦様
川内原発敷地に近接する断層の現地調査を求めます(申し入れ)
川内原発活断層研究会
代表 北畠清仁
本日の現地調査で、炉心より北東800m近くに発見された断層の現地調査
をおこなうように強く求めます。
昨年9月17日付で規制委員会委員長宛て「川内原子力発電所周辺の活断
層について(公開質問状)」を提出し、今年3月3日付で「川内原発に近接
する断層の厳密な調査を求めます」とする文書を提出しています。
その中で、今回発見された断層は、炉心から約800メートルと極めて近
い位置にあること、断層粘土の軟らかさから将来も活動する可能性がある
こと、空中写真から見られる敷地内のリニアメントとの関連性の調査をさ
れたいことなどを訴えています。
また3月31日にも同様の趣旨で文書と資料(断層粘土を含む)を島崎邦
彦様宛てにお届けしていますが、それに対する回答はいまだにありません。
本日は、きびしいご日程とは思いますが、あたらしく発見された断層に
ついての現地での調査を重ねて求めるものです。
以上
関連資料等はこちら
http://saikadososhinet.sakura.ne.jp/ss/archives/5021