一昨年の9月19日に安保法制が強行的に成立させられたことから、毎月19日に国会前で集会がある。27回目の12月19日も2500人もの人が集まって寒空に安倍政権の退陣を訴えるコールの声を響かせた。発言は、社民党の福島みずほ副党首から、参議院沖縄の風の伊波洋一議員、立憲民主党の福山哲郎幹事長、共産党の小池晃書記局長と続いた。
井波さんはその日の朝のイージス・アショア導入閣議決定に対し、配備が5年後になるということは、それまでにますます日本が戦争体制の構築に向けて突き進んでいくものにほかならないと指摘していた。その通りで、確か防衛省は北朝鮮の弾道ミサイルなどの脅威に対処するため、2004年頃から弾道ミサイル防衛の整備をすすめてきたのではなかったか。とにかくひたすら戦争をあおっているとしか考えられない。
福山さんは、沖縄普天間市での米軍ヘリの部品落下事件はあってはならないこととして安保委員会の開催を要求したが、政府や与党が拒否したとしてその無責任ぶりを弾劾した。
小池さんは、市民と野党の共闘が日本の政治を動かしてきた。沖縄が植民地化されたような状況は許されない。オール沖縄と力を合わせてアベ政治との闘いをすすめていこうと訴えた。
続いて、総がかり行動委員会の高田健さんのあいさつの後、板橋区や八王子市での市民の活動報告に移り、板橋の人は、憲法9条に自衛隊を明記する事には若者ほど高い支持率となっていることへの危機感を訴え、若い人の理解を得られるように行動することが大事だ。地域の成人式や高校の卒業式で自衛隊を明記する改憲の企みを伝えるパンフを渡そうと言っていた。
八王子の方の話はとても具体的かつ大胆で積極的で感動的だった。以下はそのほんの一部だが、「・・・・A3大のポスターをカートやバッグにつけて買い物に行く時でも、電車に乗る時でも持ち歩いている。すると面識の無い人から声をかけらた。・・・バスの運転手から『安倍政治を許さない』のもちこみはやめてほしいといわれたが、表現の自由があるので弁護士たちもさげています、これをやめたら北朝鮮といって無視した。後日別のバスの運転手からは、信念持ってますね、がんばってくださいといわれた。一回言われたくらいではやめないことです。・・・・チラシには10歳の子供でも分かる言葉で、短く書くこと・・・駅頭活動では特大の紙芝居やハンドベルも使っている・・」などなどヒントに富む話を聞けた。
最後に日本体育大学教授の清水雅彦さんが、今年は国連の核兵器禁止条約の採択がされ、昨年は「平和への権利宣言」も採択されていることをあげ、世界には平和への声をうけとめようという流れができているが、安倍政権は憲法に平和的生存権の規定があるにもかかわらず反対し、全く逆の改憲案を出そうとしている。これを許さず市民と野党が共闘して早期退陣と政権交代を実現していこうと呼びかけた。
もりかけ問題に加え、詩織さんの問題、スパコン疑惑なども出てきて腐敗した政権の危険性にようやく気付き始めた人も少しは増えたかもしれないがまだまだだろう。とにかくあきらめず声をあげていかなければならない。
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