放射能汚染水の海洋放出強行を許さない!

23年度はタンク30基分ほどを放出強行の見込み

  • 24~9.11 7800トン 19日間 (1日当たり汚染水約460トンを海水約700倍以上と混ぜる)
  • 5から2回目放出へ 7800トン 17日間
  • 本年度は汚染水3万1200トン(1000基超のタンク汚染水約134万トンの約2.3%)を4回に分けて放出の計画

問題点

  •  海洋放出に当たって必ず測定・確認する核種はトリチウムを含む30種のみで、トリチウム以外の29種の告示濃度比総和が1未満であることとされている(これがすでに「運用方針」「運用目標」に違反)。

国・東電側によっても存在するとされている、それすら限られた数しか挙げられてはいない放射性核種の内からも約200種が、必ず測定・確認するべき核種から除外されている。例えばその理由として言っているのは、告示濃度限度に比べて1/100未満の濃度しかないから―と言うもの。

しかし例えば、K40 100/100=1(即ち1/100では1Bq/L)

よって総量は、132.5万トン=13億L つまり13億Bq[β、γ]

少なくとも200種についてこうした各核種が、総量も分からないまま排出されるのだ。

さらに言えば、今回は700倍に薄めているが、今後ますますその希釈水そのものが汚染水でもあることに加え、1以上であっても薄めて捨てるから構わない、と進めるに違いないのだ。

  •  トリチウム以外の62核種の告示濃度比総和が1以上だった約70%超のタンク汚染水は、アルプスで2次処理して1未満にしてから放出するというが(しかし確実に測定・確認するのは29核種という―結局今そう言っているだけ)、2次処理しても、H3、C14は全く取り除けない(トリチウムは全タンクで「運用方針」「運用目標」を大きくオーバー)。

I129、Co60、Sr90、Cs137などのβ核種も相当量残存する。それ以外もただ「検出限界未満」とされているもので、つまりその検出下限値より下の量は(どれほどかも知れないまま)残存している。その中には、半減期が超長期のα線核種UやPuが残存している。

  •  生体濃縮とその食物連鎖による影響の深刻化、長期化が考慮されていない。この濃縮の度合いの大きいものとして、IAEAでも(海水中の魚について)Cs、Ra、Co、Fe、Mn、Ni、Zn、Sc、Sb、Am、Cm、Pu、Thなどを指摘している。ほかの研究では、Cd、I、Sn、Sr、U、Zr等も指摘している。なおC14は水底堆積物に2000、魚類・軟体動物に5000の度合いで濃縮されるともされる。

H3、C14(全く取り除けない)らは、生体に不可欠の構成部分であるO、H、C、Nの一部として細胞に結合し、そこから長期に放射線を出し続けるのみか、その崩壊に伴って、細胞の結合そのものを壊すことによっても細胞を破壊する、危険な放射性核種である。

汚染水残存放射線量

汚染水残存放射線量放射能汚染水の海洋放出(表修正)

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