戦争も核兵器もない世界の実現を目指す
生活協同組合の全国組織、日本生活協同組合連合会(組合員数3080万人)は6月13日、東京で開いた第75会通常総会で、総会の特別アピールとして「2025年 わたしたちの平和宣言」を採択した。日本生協連の総会が、こうした平和宣言を採択したのは初めてのことだが、ウクライナやパレスチナで戦争が続いており、核兵器の使用も予想されるところから、生協としても,こうした情勢に危機感を募らせ、戦争も核兵器もない世界を実現するために行動することを内外に宣言したものだ。
「2025年 わたしたちの平和宣言」の全文は次の通り。
「あたたかいご飯(はん)が食べられること、安心して眠(ねむ)れること、健康(けんこう)にすごせること、大好(す)きなものを『好き』と言えること、誰(だれ)かといっしょに笑(わら)いあえること。わたしたち生協(せいきょう)はこのようなくらしを大切にするために、人と人とがつながり助けあえる社会をめざしてきました。
過去(かこ)の戦争(せんそう)では、国内外で多くの命が失(うしな)われました。そして、日常(にちじょう)のくらしがなくなり、自分らしく生きられない人たちもたくさんいました。平和こそ、日々のくらしを支(ささ)える原点(げんてん)ということを、あらためて確認(かくにん)します。
世界には今も戦争(せんそう)によって命に危険(きけん)がせまり、安心してくらせない人々がたくさんいます。さらに核兵器(かくへいき)が使われるかもしれないという不安が広がっています。
戦争をなくすこと、二度と核兵器が使用されない世界をつくること。これは、被爆者(ひばくしや)のねがいでもあり、彼(かれ)らの悲しくつらい体験を聞き、学びあいを積(つ)つみ重ねてきたわたしたちのねがいでもあります。唯一(ゆいつ)の戦争被爆国で生きるわたしたちの責任(せきにん)として、彼らの思いを受け継(つ)ぎ、次の世代にたしかに渡(わた)していきます。
わたしたちは、一人ひとりが考え、みんなで話しあい、意見の違(ちが)いを受け入れ、たがいを尊重(そんちょう)しあえる場づくりを大切にしていきます。そして、つながることで、平和へのねがいを大きな力に変(か)え、戦争も核兵器もない世界を実現(じつげん)していきます」
日本生協連によると、執行部が総会にこの平和宣言を提案するにあたり、土屋敏夫・代表理事会長が、「平和宣言」は平和な社会への思いを込めたものと述べたという。さらに、「厳しい緊張状態が続く世界の情勢により、核使用の可能性も否定できない状況が生まれている中、人道危機への抗議と、国際的な協調を求めて、声を上げる広範な人々とともに、世界の平和と、核兵器廃絶への願いを広げ、草の根から、粘り強く進めていくことが大切である」と述べたという。
なお、同総会では役員改選があり、土屋敏夫・代表理事会長が退任、これまで代表理事副会長だった新井ちとせさんが代表理事会長に昇任した。日本生協連の代表理事会長に女性が選ばれたのは初めてである。
初出:「リベラル21」2025.6.17より許可を得て転載
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〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
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