通信NO751号をお送りする。今月82才になった。奇しくも先日発表された日本人男性の平均年齢と同じである。人は必ず死ぬという真理を前にして、私は十分に生きていないという自覚がある。だから「余生」という言葉に実感がもてない。愚直に死ぬまで生きるつもりでいる。
<心の熱中症>
パレスチナとウクライナの戦争に心を痛める毎日。「つまらないから やめろ」(雨ニモマケズより」と叫んでみるが届かない。医療不足、水不足、食料不足に喘ぐ人で溢れる地球。心が折れ、熱中症になりそうだ。
<アメリカの大統領選>
共和党のトランプ候補と民主党ハリス副大統領の対決に世界中の関心が集まっている。誰が大統領になるよりもアメリカの言いなりの日米関係が気になる。アメリカからの独立。「独立宣言」。両候補にアメリカの言いなりにならないと伝えたい。彼らも日本の独立に異存はないはず。大統領選を日本が変わるきっかけにしたい。一緒に大統領候補に手紙を書く仲間を募集中です。
<ポスト岸田>
9月の総裁選候補に、石破茂、上川陽子、河野太郎、小泉進次郎らが挙がっている。選挙に勝てる総裁選びというのが今回の総裁選の特徴である。彼らにその資格と能力があるかどうか。看板を変えて選挙に勝とうという虫のいい話である。
党内で支持の少ない石破が有力視されるのは選挙に勝つため。女性だから…上川、人気者だから…河野、若者だから…小泉というのも選挙対策。浅き猿知恵。子ども騙しの総裁選に呆れるばかりだ。
総裁選で活路を見出したい自民党に異常な関心を示すマスコミ。裏金問題から総裁選へ話題を変えて塩を送っているように見える。岸田が退陣して誰が総裁になっても何も変わらないと心に銘じておきたい。
総裁に誰がふさわしいかという愚問には答える気もしない。
<秘密保護法が脚光を浴びて>
防衛省が発表した218人の大量処分に唖然とした。「特定秘密の情報の取り扱い違反」「潜水手当の不当支給」「不正飲食」「幹部職員のパワハラ」。防衛大臣が頭を下げただけで全容はいまだに闇の中だ。ノーパンしゃぶしゃぶ事件に匹敵する国家公務員による前代未聞のスキャンダルである。
岸田首相は外遊先で記者の質問に「国民の信頼回復に全力であたってもらわなければならない」と他人事のように答えたが、裏金疑惑の首相に信頼回復を語る資格はない。徹底した真相解明が必要だ。
この処分問題で一番気になったのは特定秘密の取り扱いをめぐる処分が表面化したことだ。
2013年に安倍政権によって強行採決された秘密保護法の目的は、特定秘密の漏洩を厳格に防止するとともに、情報に対する取材と報道の制限にあった。国民の知る権利を奪う憲法違反の悪法である。今回の処分で、あらためて秘密保護法の存在を国民と報道に印象づけることになった。制定時に秘密保護法による「報道の死」が憂慮されたが、今回の事件で秘密保護法の危険性を指摘する報道は皆無だった。寅子の「はて?」という疑問さえ上がらなかった。
ひょっとして、報道はすでに戦時統制下に入っているのかも知れない。
初出:「リベラル21」2024.08.01より許可を得て転載
http://lib21.blog96.fc2.com/blog-entry-6519.html#trackback
〈記事出典コード〉サイトちきゅう座http://www.chikyuza.net/
〔eye5310:240805〕