有名な銀行、証券会社とは付き合わない。東京郊外資産家 生き残りの知恵

著者: 浅川 修史 あさかわしゅうし : 在野研究者
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 あなたがもし資産家で、ゴールドマンサックスやスイスのプライベートバンクなどが近寄ってきたら、すぐに退散ねがうことだ。「スイスのプライベートバンクと取引できるほど、資産家として認められた」と感激したら、ハゲタカの餌食になることは間違いない。

 あなたがもし小金もちで、日本の都市銀行や証券会社が寄ってきたら、ハゲタカほど獰猛ではないが、カラスであることはほぼ確実なので、これも退散願うことだ。

 最近の金融情勢の変化で、投資信託、外貨建て預金、株式、仕組債、デリバティブ、投資用マンションなどを都市銀行や証券会社などに勧められて購入した人は大きな損失を被っている。

「ゲンダイ」WEBから。投資の失敗。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2287

 下記のような自分を納得させる思考回路は極めて危険である。

 「これからブラジルの時代だ。日本経済新聞にも書いてある。レアル建ての外貨預金や投資信託を買えば儲かること間違いない」

 特に成分(中身)が分からない仕組債やデリバティブは最悪の商品である。日本人に毎月分配型の投資信託に人気があるが、これもリスクが高い。
 仕組債では地方自治体、大学が「だまされ」?巨額の損失を出した。
兵庫県朝来市 仕組債で12億円損失、ADR申請へ
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20110713/ecn1107130921000-n1.htm

 これまでは利回りは低いが、預金保険で保護された円建て銀行預金や日本国債が元本のいちばん安全性が高かった。しばらくこの状況が続くだろう。

 筆者は貧乏人であるが、東京郊外の地主や資産家(除くドイツ車に乗る派手好き商工会議所系の方)を遠くから見聞してきた。おどろくほど資産運用には慎重である。有名な都市銀行や証券会社がしきりに勧誘しても相手にしない。

 スイスのあるプライベートバンクが日本の資産家の名簿をつくることを目的にあの手この手の努力をしている。その一つが都内のオペラ鑑賞会とその後のパーティだった。
 銀行担当者いわく、「日本で世界最大の個人金融資産を持つ国。黄金の国ジパングだ。だが、どこに資産家がいるのか。皆目わからない」
 筆者は東京郊外で3000坪の畑(当時の時価15億円?)プラス賃貸物件、預金を持ちながら、軽トラにしか乗らないという、つましい生活を続け、畑でとれた人参を一袋100円で売っている資産家の姿を脳裏に浮かべた。

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 http://www.chikyuza.net/
〔opinion0648:111016〕