朝日新聞<安保の行方 武器輸出を問う>にインタビュー記事が掲載されました

著者: 杉原浩司 すぎはらこうじ : 武器取引反対ネットワーク:NAJAT/STOP大軍拡アクション
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1月6日の朝日新聞4面に私のインタビュー記事が掲載されました。昨年12月22日
の殺傷武器輸出解禁の閣議決定前ならベストでしたが、市民運動の声が反映され
た意義は大きいと思います。今後も閣議決定の撤回と密室協議を続ける実務者チ
ームの解散を求めていきます。ぜひ、紙面でお読み下さい。

◆こちらに紙面版とデジタル版をまとめています。
https://kojiskojis.hatenablog.com/entry/2024/01/06/233119

<安保の行方 武器輸出を問う>

【紙面版】

殺傷現実なら 国の形変わる
市民団体「武器取引反対ネットワーク」代表 杉原浩司氏

https://digital.asahi.com/articles/DA3S15832207.html

殺傷能力のある武器輸出の解禁によって、日本製の武器で他国の人々が殺傷さ
れる事態が現実になりかねない。それは日本が平和国家として、侵略戦争の反省
を踏まえ、加害者にならないとしてきた国の形を変える大転換だ。
武器がなければ大量虐殺は成立しない。パレスチナ自治区ガザ地区の惨状を見
て、改めてそう思う。米国などが輸出した武器が、イスラエルによるガザでの住
民虐殺を支えている。
他国の企業の許可を得て日本企業が国内で製造する「ライセンス生産品」の輸
出が、今回の改定で全面的に解禁された。ライセンス元8カ国には、イスラエル
に武器輸出する米国やドイツが含まれる。ライセンス元の国の備蓄を補うことで、
イスラエルなど紛争加害国への輸出が促進されかねない。
過去には英伊などが共同開発した戦闘機「ユーロファイター」がサウジアラビ
アにわたったことで、イエメン内戦で空爆に使われ、多数の民間人を殺傷した。
年内の結論は先送りされたが、日英伊が共同開発する次期戦闘機の第三国への輸
出が今後解禁されれば、同様の惨状をもたらす可能性が高い。共同開発自体を中
止すべきだ。
日本は憲法前文で、世界の人々の平和的生存権を守ると宣言し、9条で武力に
よる紛争解決を否定している。世界のどこで侵略や虐殺が起きても、できる限り
の支援を行うべきだが、日本は「良心的軍事拒否国家」として、非軍事的な支援
に徹すべきだ。
1981年には、武器輸出禁止について「厳正かつ慎重な態度をもって対処すると
ともに、実効ある措置を講ずべきだ」と徹底を求める決議が衆参両院の全会一致
で可決された。これを覆すなら、両院の全会一致の決議で変更すべきだろう。わ
ずかな数の与党議員による密室協議ではなく、国会での熟議が必要だ。
(聞き手・高橋杏璃)

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座  https://chikyuza.net/
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