東京の中国大使館で、映画『南京照相館』の特別上映会開催!央视新闻(CCTV)報道の日本語訳

Film Dead To Rights screening was held at the Chinese Embassy in Tokyo

会場で参加者が撮影。

(9月19日追記。乗松聡子のビデオメッセージの原稿を、下方に貼り付けました。ネタバレになる内容ではないです) 

9月17日、東京の中国大使館で、中国中央広播電視総台主催で、映画『南京照相館』の特別上映会がありました。私は招待をいただきましたがカナダにいて行けなかったのでビデオメッセージで参加させていただきました。央视新闻(CCTV)による中国語の報道をここで日本語に勝手に訳して紹介します。(自分が「ベテランジャーナリスト」と呼ばれており大変恥ずかしく、本物のベテランジャーナリストの皆さんに申し訳ないですが、翻訳なのでお許しくださいm(__)m)(★AI訳で、私は翻訳の正確さを確認する能力をもたないので、翻訳がおかしいと思われる場合は原文を参照ください。 翻訳はアップ後修正することがあります。 )

いま全世界で上映中で高い評価を得ているこの映画、日本での上映をするべきと思います。 

《南京照相馆》在日本专场放映 日本观众呼吁正视历史深刻反思

https://baijiahao.baidu.com/s?id=1843574830676312393&wfr=spider&for=pc

(以下翻訳)

《南京照相館》が日本で特別上映 日本の観客が歴史を正視し深く反省するよう呼びかけ

17日、中央广播电视总台(中国中央広播電視総台)の主催、中国駐日本大使館の協力による映画《南京照相館》日本特別上映イベントが東京で行われた。日本国際貿易促進協会、日中労働者交流協会、東京都日中友好協会、ならびに日本の高校・研究機関、メディア・出版機関の代表、そして在日華僑華人など150人余りが鑑賞した。上映終了後、日本の観客はその場で深い議論を交わし、口々に作品は真実で衝撃的であると述べ、日本社会に対し歴史を正視し、平和を大切にするよう呼びかけた。

《南京照相館》日本特別上映イベント

中国駐日本大使の吴江浩氏はイベント会場でのあいさつの中で、真実の歴史は映画よりもさらに残酷であり、今回の上映イベントを開催するのは歴史を記憶し、平和を守るためであって、憎しみを引き継ぐためではないと指摘した。

大使は強調した――
「私たちは日本各界の有識者とともに、歴史を鑑として未来に向かい、共に歴史の真相と人類の良知・正義を守り、歴史の悲劇を二度と繰り返させてはならない。両国の人々が世世代代にわたって友好であり続けるようにしたい。」

△中国駐日本大使・吴江浩氏によるあいさつ

日本NHKテレビ番組の常任ゲストであり、著名な翻訳家の神崎多実子氏は、《南京照相館》が強調しているのは平和を呼びかけることであり、同作品をめぐって日本で現れている中傷の声はまさに日本社会における歴史認識の深刻な問題を反映していると述べた。

彼女は率直に語った――
もし日本が加害の事実をひたすら回避し、被害の物語だけを一方的に強調し続けるならば、日本は危険な状況に陥り、また日中両国関係の健全な発展も実現できないだろう。

日本の著名な翻訳家・神崎多実子氏による発言

日本の軍事問題評論家・小西誠氏は、《南京照相館》は南京大虐殺の痛ましい歴史を明らかにしただけでなく、今日の日本社会に依然として存在する歴史否認の現象をも映し出していると指摘した。

彼は述べた――
中国政府と人民は常に寛大な胸懐と平和への願いを示してきた。この映画は重要な教育的意義を持ち、より多くの日本国民が見るべきである。

△日本の軍事問題評論家・小西誠氏による発言

日本青年代表であり、東京都日中友好協会副理事長の井上正順氏は、今回のイベントは両国の青年層および異なる世代の間で歴史の記憶をめぐる健全な対話を展開するための重要な契機となったと述べた。

彼は強調した――
日本が歴史を正視し、「二度と戦争を起こさない」という約束を着実に実践してこそ、日中両国関係を友好協力の方向へ健全に発展させることができる。

東京都日中友好協会副理事長・井上正順氏による発言

カナダ在住の日本のベテランジャーナリスト・乗松聡子氏はビデオ通話を通じて、映画は歴史の痛みを強く感じさせるものであり、日本が映像作品を利用して「被害の物語」を強調する一方で、《南京照相館》に「反日」というレッテルを貼るのはきわめて不合理であると述べた。

彼女は指摘した――
かつての加害者である日本人は、この映画を真剣に鑑賞し、深く反省すべきである。

△日本のベテランジャーナリスト・乗松聡子氏による現場でのビデオ発言

複数の観客は総台(中国中央広播電視総台)の記者の取材に応じ、第二次世界大戦からすでに80年が経過し、日本の多くの若者は歴史への認識がますます曖昧になり、正しい歴史観を形成することすら難しくなっていると述べた。

戦争の歴史に全面的かつ客観的に向き合い、反省することは、両国関係を健全に発展させる鍵であり、双方の理解と相互信頼を深める重要な基盤でもある。こうした上映活動は非常に必要であり、日本の右翼勢力が本作を悪意をもって中傷する状況の中で、鑑賞の機会を得られることはきわめて貴重であり、この映画はより多くの人々が見るべきだ、と語った。

(翻訳以上)

原文の中国語報道はここです。

ほか、このような報道があります。

驻日本大使吴江浩出席《南京照相馆》放映会https://mp.weixin.qq.com/s/xxmbnYzuQ32ejo0l2-ENzg 

《南京照相馆》东京放映 中日人士共呼以史为鉴https://h.xinhuaxmt.com/vh512/share/12738441?docid=12738441&newstype=1001&d=1350126&channel=weixin

以下、乗松聡子のビデオメッセージです。

25年9月17日 東京の中国大使館での映画「南京照相館」特別上映会へのメッセージ

みなさんこんにちは。乗松聡子と申します。このたび、中国大使館での映画「南京照相館」の上映会にお招きいただき、ありがとうございます。

私はいまカナダ・バンクーバーにおり、直接伺うことができないため、このようにビデオメッセージで参加させていただくことをお許しください。

南京大虐殺をテーマにした映画はいままで、「映画 Nanking」、「アイリス・チャン」、「ジョン・ラーベ」「南京!南京!」など観たことがありますが、「南京照相館」は、私にとって、いままでにない特別な体験になりました

私は封切りの8月15日の前日の夜、先行上映していた、隣町のリッチモンドという、チャイニーズ系の住民が多い町の映画館で観ました。

劇場は満席でした。若い人たちが目立っていました。映画の終盤、劇場のあちこちからすすり泣きが聞こえてきました。私も泣きました。終わった後も、座席に残って号泣している人がいました。圧倒される体験でした。

1) 映画で歴史に埋没した

とにかく、主人公のみなさんに、感情移入しました。

郵便局員が、にわかに写真館の技師となったアータイ(阿泰)、生き延びるために日本軍に従ったグアンハイ(広海 Guǎnghǎi)、駆け出し女優のユィシウ(毓秀 Yùxiù)、写真館店主のラオジン(老金lǎojīn)、妻のイーファン(宜芳 Yífāng)と、子どもたち。祖国のために戦ったソン(宋)警官。(注:名前は、映画の中で主に呼ばれていた名前または愛称)

地下室で、みながなけなしの食べ物を持ち寄り、支え合いました。

過去に観た南京大虐殺の映画では、私はあくまで日本人として、日本の加害に向き合うために観ていたと思います。

でもこの映画では、我を忘れ、登場人物になりきってしまいました。

特にユィシウに同化しました。彼女が泣くときは一緒に泣きました。

映画の中で、歴史の中に生きる一人の人間として埋没したのです。それによって今までよりさらに、被害者の身になってこの歴史を観られるようになったような気がします。

2) 日本軍が破壊したものを目の当たりにした

私が一番心を揺さぶられたシーンは、家族が別れ別れになる前夜、ラオジンが、中国の数々の風光明媚な景色が描かれているバックスクリーンを、見せる場面でした。

紫禁城、万里の長城、杭州の西湖、・・・天津や武漢の風景もあったと記憶しています。

生き延びてこの美しい祖国を守りたい。もう二度と侵略を許さないという、この映画の強いメッセージを受け取りました。

これを見て思い出したのが2007年、はじめて南京を訪れたときです。友人の家族にホームステイさせてもらいました。

そこの家の人たちに、孫文の墓である中山陵、紫禁山、夫子廟、玄武湖公園などに連れていってもらい、地元の食事をご馳走になりました。

私は虐殺の歴史を学びに行ったつもりだったのですが、虐殺関係の施設よりも、かえって、このように、南京の歴史、文化、地元の人たちの生活を目の当たりにすることで、日本軍が破壊したものが何だったのかが、より明確に浮かび上がってきたのです。

映画のこのシーンも、そのような効果があるような気がします。

南京の友人に聞きましたが、ラオジンを演じた役者、ワン・シャオさんは完璧な南京ことばを話していたそうです。

南京出身の彼にとっては演技以上の意味がある映画ではなかったかと想像します。

3) 日本の人にこそ見てほしい。平和を共に作るために

この映画が世界中で公開されているのに日本の人だけが見られないのはおかしいです。

虐殺当時も、日本の人たちは何が起こっているかも知らず、全国で提灯行列や旗行列をやっていました。

それを繰り返してはいけません。この映画は捕虜の処刑、無差別殺りく、女性への暴力などを描いていますが、あまりにも残酷なところは見る人の想像に託している部分もあります。

子どもでも見られるような配慮がしてあると思いました。

それなのに日本では、「反日」とレッテルを貼られています。

日本の人は、広島や長崎の原爆の体験や、空襲などの被害の記憶を、体験者の話を聞いて、映画もつくり、語り継いでいます。

それなのに、中国の人たちが、日本軍の残虐行為を語り継ぐことを「反日」と言うのは、矛盾していませんか。

ほんとうは、加害側の日本人こそが進んで学び、語り継ぐことです。

最後に、伊藤秀夫中尉を演じた原島大地さんは97年生まれ、父が日本人、母が中国人の俳優のようです。

南京大虐殺の日本軍人の役を演じることは容易なことではなかったと思います。

彼のような存在が、日中の若者が、過去の痛みを忘れず、ともにこれから平和をつくる、象徴となれると思います。

この映画に参加した日本の人たちの勇気に敬意を表し、見習いたいと思います。

ありがとうございました。

初出:「ピース・フィロソフィー」2025.9.18より許可を得て転載

https://peacephilosophy.blogspot.com/2025/09/film-dead-to-rights-screening-was-held.html

〈記事出典コード〉サイトちきゅう座 https://chikyuza.net/
〔opinion14439:250921〕