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東京電力元職員による、原子力発電所での
生々しい証言が、昨夜、2012[H24]年4月3日(火) pm21:54からの
「報道ステーション」(関西地方(061CH)朝日放送TV:放映)
で報道されました!
見逃した方のために、以下に全文転記しました。
ご参考までに・・
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元東電社員 木村俊雄さん(47歳)に聞く
「原発再稼働 私はこう思う」
2012[H24]年4月3日(火) pm21:54
「報道ステーション」(関西地方(061CH)朝日放送TV:放映)
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【キャスター】:
木村俊雄さんは東電元社員で、社員時代には福島第一原発の原子炉の運転などを担当され、今は高知県で自給自足の生活を送られています。
【木村俊雄氏】:
「(停止中の原発は)まだ運転できる段階にはないと思います。(福島第一原発は)ほとんどの重要機器が格納容器の中に入っているわけだから、その中がまだ近づけない状況において、その故障原因も、どれがどれくらい壊れたのかさえも、まだ洗い出していないのに、格納容器の蓋さえも開いていない状況で、『安全だ、妥当だ』って、(東電や原子力安全・保安院や政府は)よく言えるもんだよね」
【キャスター】:
福島第一原発の原子炉の運転や、制御棒などの管理をしていた木村さん。当時から、原発を規制する政府側に対し、様々なごまかしを行っていた、と証言する。
【木村俊雄氏】:
発電所の運転管理する上では、例えば、運転日誌を書き換えたりとか‥‥そういうことは、やっていた。都合が悪い時は、コンピューターにアクセスして書き換える。でも、書き換えても、(規制側は)分からないんだよね。(原子力安全・保安院などの規制する側には)技術力がないから。東京電力に手玉に取られてますよ、(原子力安全・保安院や政府などの)規制する側は。
1991[平成3]年10月30日に、福島第一原発の1号機で海水漏洩(事故)があり、タービン(建屋)の地下1階にある、非常用ジーゼル発電機が水没して機能が喪失しました。『津波が来たら大変じゃないですか?メルトダウンするんじゃないのか?』って、(私=木村俊雄氏が)言ったら、その上司は『その通りだ。鋭いよね』と、褒めてくれました。で、『これは安全審査をやる裏方の中では、津波を過酷事故の(想定の)中に盛り込むのは、実は、タブーなんだ』と、(その上司は、その時語ってくれた)。その言葉を僕(木村俊雄氏)が聞いた時に、がくぜんとしたし、『まぁ、そんなもんなんだなぁ』とも(思いました)。耐震の指針とかも、『きちんと世界の地震学の定説にフィッテング(=合わせて)させて造った時には、日本の国土には原子力発電所は造れません』と、(いうことを東電側は知っているのに『知りません』と、知らないふりしている。
少なくとも電力会社の人間は知っているはず。
【キャスター】:
東電の体質と原発の実態に嫌気がさし、十年前に退社した木村俊雄さん。福島の事故後、業界の現実を語る決意をした。
【木村俊雄氏】:
(原子力安全・保安院など規制側は)原子炉理論とかに関しては、(どこかの大学の)原子炉工学部を出ていれば、それは詳しいかもしれないけれども、実物は、もうその実物を見た人間でないと分からないわけだから‥‥。そういう意味では、もうまったくの、ズブの素人(なんですね)。ストレステスト自体の評価手法も、甚だマンガのような世界だし、原子力安全・保安院が、どのくらいの技術力を持っているか、本当に甚だ疑問だし、そういった人間たち、政治家も一緒になって、判断していること‥‥それは、原子力安全委員会だって、『本当はまだダメだよ』って、言っているわけじゃないですか!だから、それが一番もっともな答えであって、さっきも言った通り、理屈抜きで再稼働ってのは、もうあり得ない。
—-以上が木村俊雄氏の証言——-
以下は、諸留の参考資料提供と補足。
(1)
【日本の原子力関連事故一覧】(1971年5月19日~1996年2月23日までの発生事故)。以下のURL参照。
※「原水爆禁止国見会議」が収集した日本の原子力関連事故一覧表には、上記、木村俊雄氏が指摘、暴露した「1991[平成3]年10月30日の福島第一原発1号機の海水漏洩(事故)、タービン(建屋)の地下1階の非常用ジーゼル発電機の水没と機能喪失事故の記載は記載されていない!
http://www.gensuikin.org/data/jikoichiran.html
設計段階では世界的にも優秀なレベルで設計されてはいても、現場での建設、設置、管理、補修、メンテナンス、保守点検段階では、全く様子が違ったものが出来上がっているのが原子炉の現場での実態。
(2)
これと同様の、故平井憲夫氏(原子炉建設工事現場監督。一級配管工)の数々の、具体的な証言の以下のURL参照。
http://unitingforpeace.seesaa.net/article/251286350.html
「原子炉の配管工事設定の際に、非破壊レントゲン検査を実施しなければならないのに、壁面と配管の間が、わずか5センチの隙間しか無い場所の配管に巨大な非破壊検査機を使ってのレントゲンを撮れ!ということで、そんな僅かの隙間に巨大な非破壊検査機など入る筈もないので、事前に溶接用として床の上などに転がっている、他の配管で代用し、それで当該の配管の非破壊検査は基準検査をOKだ(クリヤーした)、などのゴマカシが日常化している。」
原子力安全・保安院はそういた形式的な種類審査だけしか目を通して、それで安全基準を満たしているなど‥‥豪語している。
我が国の原子力発電が、いかに、お粗末な現場であるかは、こうした事例ひとつからでも明白!
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