核燃料施設パブコメ審議の傍聴報告

著者: 杉原浩司 : 福島原発事故緊急会議/緑の党・脱原発担当
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昨日8月26日、溜池山王の貸会議室で開催された「核燃料施設等の新規制基準に関する検討チーム」会合を傍聴しました。パブリックコメントの結果・回答の報告と議論が行われました。

パブコメで提出された意見は、①使用済燃料再処理施設・核燃料加工施設・試験研究用等原子炉施設の新規制基準骨子案及び核燃料物質の使用施設の新規制基準の考え方(案)についてが546通。②使用済燃料貯蔵施設・第二種廃棄物埋設施設・廃棄物管理施設の新規制基準骨子案についてが、152通。あわせて、パブコメの意見総数は698通だったそうです。配布資料3セットを重ねると厚みは2.5cmにもなりました。

残念ながら、傍聴者のほとんどは記者や電力関係者。市民の傍聴が極めて少なく、緊張感の乏しい中、「意見に対する回答になっていない部分がいくつかある」「木で鼻をくくったような回答は改めてほしい」等の内輪の議論的なやり取りが何度かありました。内容に関するやり取りもありましたが、何しろ当日になって分厚い資料が配られているため、検討チームの「有識者」もなかなか意見が出しづらい様子でした。座長の更田豊志委員が「次の会議(9月2日午前予定)で一気に意見を出されても、事務局がパニックになるので、次回会合でというより、それまでに追って意見を出してください」と発言し、傍聴者から、「会議の中できちんと出して議論してください」とたしなめられる始末。

私もまだきちんと回答を見切れていません。とりわけパブコメを出された方は、ご自分の意見に規制委がどのように答えているか、しっかりとご確認ください。なお、パブコメ手続きや六ヶ所再処理工場などに対する本質的・根本的な批判については、資料1-11「その他のご意見及び回答」の部分に多くまとめられているようです。

回答が不十分な場合(ほとんどそうだと思いますが)には、断固として抗議と改善を求める声を届けていきましょう(電話やファックス、メール等で)。
この骨子案の段階で、少しでも必要な修正をさせておくことが重要です。
特に、危険な六ヶ所再処理工場の稼働を許すわけにはいきません。監視を強めていきましょう。

なお、次回の会合は9月2日(月)の午前に行われ、引き続きパブコメへの対応が議題となります。この日で骨子が確定されることが濃厚です。再稼働に向けた適合性審査会合(火、水、木)をはじめ、規制委は連日の会議三昧。市民がついてゆくのは本当に大変ですが、要所できちんと意思表示していくことが大切だと思います。本来、再稼働審査や規制基準作りを中止させ、汚染水対策など事故収束に専念させるべき段階です。可能な方は傍聴や働きかけをお願いします。簡単ながらご報告まで。

【抗議・要請先】
原⼦⼒規制庁 技術基盤課 制度担当
(TEL) 03-5114-2109
(FAX) 03-5114-2177
(E-mail) seido_kaigi@nsr.go.jp

第17回核燃料施設等の新規制基準に関する検討チーム・配布資料
http://bit.ly/12Eb48b

「使用済み燃料再処理施設」の新規制基準骨子案への意見と回答
<設計基準>
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kaku_shinkisei/data/0017_02.pdf
<重大事故対策>
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kaku_shinkisei/data/0017_03.pdf

その他のご意見及び回答(使用済燃料再処理施設など)
http://www.nsr.go.jp/committee/yuushikisya/kaku_shinkisei/data/0017_11.pdf

検討チーム会合の動画アーカイブ(規制委ホームページ)
http://bit.ly/1djrppG