権力闘争で何が悪いのか―「政策」不在はメディアに責任―

民主党党首選について短く書く。

①権力闘争で何が悪いのか

政治は権力闘争である。菅・小澤の権力闘争のどこが何故悪いのか。

小澤は「政治とカネ」問題を承知で出馬するのである。悪けれ落とせばよいのだ。

「大東亜戦争」時代の商工相でA級戦犯容疑者だった政治家は日米安保を結んだ。それは今も「日米同盟」なる国是となっている。小澤のキズなどは可愛いものである。社説に「開いた口がふさがらない」と書いた朝日の論説委員は、小澤が勝ったら口を開けたままでいるつもりか。

②分裂論は誰がいうのか

衆院300議席の圧倒多数を自分で少数派になる愚行を誰がやるのか。

いまの民主党に、政策面で分裂に至るほどの対立はあるのか。実態はその逆だ。

すでに民主・自民の大政翼賛体制が作動しているのである。たとえば憲法改悪、日本軍の海外派兵。それを推進する松下政経塾一派など若手中堅がゾロゾロいる。全面反対する議員は国会全議員の1割もいないのが現実ではないか。

③政策報道はゼロである

「政局より政策」だという。

その通りである。しかし管見では、今日(10年8月31日)まで、両者の政策に関する報道をしたメディアは皆無である。誰が誰と会った、誰と誰が組む、誰が何票もっている、どっちが勝ちそうだ。これ以外の話は一つもない。政治は永田町で決まるという度し難い先入観に囚われたマスメディアを私は信用しない。

昨夏の衆院選以来、私は「政権交代は〈革命〉ではないどころか〈変化〉でもない」と言い続けてきた。日本の直面する真の争点が争われていないからである。

④真の争点は何か

ならば真の争点は何か。

・対米従属を脱するのか続けるのか

・新自由主義を脱するのか続けるのか

・政策決定の官僚依存を脱するのか続けるのか

という極めて原則的なものである。

企業人間を40年やった常識人の素朴な意見である。

私の「争点」論がナンセンスだという人は、別の「争点」を教えてもらいたい。

初出:「リベラル21」より許可を得て転載http://lib21.blog96.fc2.com/

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